2016年 06月 01日 ( 1 )

2016.5.11
田中宇氏はそのレポート、トランプ台頭と軍産イスラエル瓦解 http://tanakanews.com
において、今秋のアメリカ大統領選挙でトランプ氏の勝利を予測している。アメリカで起きている現象は驚くべきことであるが、日本のマスコミはトランプの中傷記事ばかり書く。彼が今後ヒラリーとどう対決するかである。ヒラリーは彼がペテン師であるとキャンペーンを張るだろう。ところが、トランプ氏は指名獲得のための過激な発言を捉えたマスコミの誹謗中傷を乗り越え、共和党の指名獲得を得た。流れはトランプの勢いをヒラリークリントンが抑えられるかにかかっている。共和党は第三勢力を作ることよりも、既存のブッシュ親子などはむしろ、身を引くだろう。共和党内の実権を持つ議長のライアン、ネオコンのチェイニー上院議員やマケイン上院議員は、党を分裂させるような反トランプではなく、むしろ支持の側に立つと予測している。田中氏は、ユダヤ人でカジノ王のアディルソンが5月に入ってトランプ支持を表明したことに注目している。彼はイスラエル右派ネタニアフに近く、今後のアメリカとイスラエルの関係を象徴する人物である。アメリカは冷戦の産物として軍産複合体が政治に強い影響を与えており、イスラエルとは「軍産イスラエル」を形成している。この体制は終焉を迎えつつあるとトランプは認識している。この歴史的転換を意識していないのは日本だけであろう。アメリカでは民主党の政治資金の60%、共和党の30%がユダヤ系組織から出ている。連邦議員の7割がユダヤロビーの影響を受ける。
 トランプはこれまでのアメリカの経済政策、外交政策に不満を持つ層を捉えており、リーマンショック以降の金利政策や金融延命策を批判し、敢えて一旦アメリカを財政破綻させることで再生させる流れを作ろうとしているようにも見える。庶民には減税を主張し人気を得ている。減税は財政破綻に繋がるが、これで損をするのはウオール街である。トランプは自分の資金で選挙をしていることを国民は知っている。片やクリントンはいくら過激なことを言っても所詮は操り人形なのだ。
 トランプが大統領になって主張通りに軍縮を進め、中東やアジアから軍事的な覇権から手を引けば困るのはイスラエルと日本であろう。では、なぜ、ユダヤ人はトランプを支持したのか。クリントンは相変わらず、親イスラエルを表明しているが、今のオバマ政権はシリア内戦に及び腰でロシアに主導権を取られている。イスラエルもそうした米国の姿勢に見切りをつけ、プーチンに接近している。日本は対中国に関して米国に頼らざるを得ない。トランプがプーチンの狡猾な対応に腹を立ててイスラエルにてこ入れをすればイスラエルにとっては順風である。
 いくらクリントンが中東で好戦派を演じても、既に中東はイラン、ロシア、サウジの自立派の台頭などでアメリカの影響力が減退している。オバマ政権はこの現実を受け入れざるを得ない。トランプは今後中東ではロシアの中東支配によってイスラエルがイラン、サウジ、イランとサウジが安定する方が現実的であると見抜いている。イスラエルは民主党が軍産イスラエルを頼りにヨルダン川西岸植民を批判し、パレスチナのイスラエル支配を妨げ、人権保護で圧力を加えられることに嫌気をさしている。イスラエルはパレスチナ自治政府がある限り、彼らの平和は無いと考えているから絶対に承認しない。
 アメリカの大統領選においてアメリカの中東政策におけるクリントンの立場は弱い。ユダヤ人の富豪がトランプ支持に回ったことは今後の選挙戦に影響を与えるだろう。マスコミではクリントンの国務長官時代の私的メール使用をクリントンの弱点としており、
クリントンは全力を挙げてこの隘路を打開するだろうが、次の中東政策でもトランプから批判されるに違いない。アフガニスタンもタリバンを潰すことができず、泥沼化しつつある。共和党時代に始まったイラクの民主化であったが、その後のエジプト民主化の失敗、さらにISの台頭などの失敗を全て民主党の失政のせいにされるならば更にクリントンは苦しい戦いとなる。
 アメリカの選挙戦は長い。11月までにどんな事件が起きるかにもよるが、少なくともトランプの台頭は勢いがある。とはいえ、国際政治における民主党の対応に左右される。民主党はヒラリーを守るために何ができるかだ。おそらく、F B Iオバマに調査は問題がなかったという報告でこの問題に終止符を打ちたいのだろう。政権が広島訪問で核軍縮を訴えたことと、民主党の苦しい選挙事情とは無縁ではない。トランプの軍縮は軍産複合体にとって大きな痛手だが、これも第二次大戦後の東西冷戦の産物。アメリカ国民はこの状態から脱したい。CIAは今、最後のあがきでナゴルノカラバフで紛争を起こして軍の存在感を示したいのではないか。今後の進展に注目したい。核軍縮は民主党が頼りにしている軍産複合体にとって実害は少ない。しかし、トランプはお金持ちでウォール街やロッキードの支援が無くても、充分選挙は戦えるのである。選挙は最後までもつれるだろうから、いま、トランプ勝利を唱えるのは田中宇氏の勇み足にも思えるがアメリカ初の女性大統領を迎えるには、環境が悪い。トランプの台頭はかなり、根の深い問題なのである。今後トランプが沖縄の米軍縮小や日本の核保有容認発言をつづけるならば日本の立場は厳しい。日本は中国の台頭に対して軍備の増強以外の道を模索することが大切だ。国際社会に日本の存在感を高くするためには経済成長しかないのではないか。軍事費に使うより、経済と福祉に財政出動する方が将来には良いと思う。
イスラエルはシリアの混乱に乗じ、ヨルダン川西岸の植民地区住民30万人をイスラエル国民に編入する作戦に出て、パレスチナ自治政府を骨抜きにしようとしている。オスロ合意を無効化し、人権感覚の乏しいプーチンにすり寄りつつある。アメリカの支援はかえって邪魔である。民主党の人権派がヒラリーをどこまで支えられるかであろう。国際政治の厳しい権謀術策に巻き込まれるより、一旦孤立の道を選ぶのはアメリカの将来にとって悪いことではない。我が国は核武装などという凶器を手に入れるより、世界に幸せな国の代表になることが国防に繋がるという図式を示してもらいたい。北朝鮮も金一家は東京ディズニーランドにお忍びで行っている。それほど大好きな日本を潰すはずがない。



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by katoujun2549 | 2016-06-01 13:10 | Comments(0)