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菅新政権とワイスゼッカー演説

菅新総理は故小此木氏の墓参りに行き、手をあわせる報道があったが、以前は安部総理が山口に帰り、安部家の墓前にぬかずく姿があったことを思い出した。岸信介や佐藤栄作の墓にも行かれたのではないか。彼にとって、政治は家業なのである。だから彼らは世話になった人は御先祖しかいない。今回の組閣でも、防衛外人に弟の岸愓夫を任命したが、彼らは、かつての、戦前の右翼の家系である。彼らの共通点は、日本会議のメンバ〜に見られる特徴を持っている。東京裁判を自虐史観の原点とし、憲法改正論の論拠が大日本帝国憲法であることだ。


第二次世界大戦における日本の敗北をアメリカのせいにしていることである。日本軍が中国に侵攻し、軍事的な暴力によって中国を屈服させることで和平を目指したり、中国での日本軍の暴力、特に無差別爆撃、毒ガスの使用などの残虐行為、ポツダム宣言において無条件降伏をしたことで東京裁判に至る敗戦処理に関する反省はあまり無いのが特徴である。彼らは戦後は終わった、第二次大戦は西欧のABCD包囲網によりやむなく始めたという論理であり、それまで世界の戦争によらない経済活動や中国の門戸開放、自主独立の支援に向かおうというときに、日本がこれに逆らう植民地政策による軍事行動を行ったことが、欧米の反発を招いたことには反省がない。


ドイツのワイスゼッカー元大統領が戦後40年の記念演説で語ったことを紹介したい。朝日新聞が大好きな一節である。


「問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。」


菅総理がどんな歴史観を持っているかは分からない。彼は思想家でもなければ、歴史学者ですおない、極めて冷徹な実務家だ。あの長州閥の岸、佐藤の一族を支え、今回の内閣改造でも岸信夫を、何と防衛大臣にした。中国から見れば、あの戦前の亡霊に見えるかもしれない。中国のナショナリズムが実は昔の大日本帝国陸軍を恐れているはず。それを見越して、中国の不倶戴天の敵、岸信介の孫を任命したなら菅総理の歴史認識は大したものだ。中国の驚きは想像できる。 まるで、ナチスのリッペントロッップとか、ハイドリッヒの孫が防衛大臣になったようにみえる。

16日発足の菅義偉内閣のうち、菅首相ら自民党籍の閣僚計20人中18人が「靖国」派改憲・右翼団体と一体の議員連盟に加盟している。また、いずれの議連にも未加盟の小泉進次郎環境相も、2009年の衆院議員当選後、毎年の終戦記念日(8月15日)に靖国神社(東京・九段北)を参拝しており、19人が事実上の「靖国」派閣僚である。




安倍晋三は1997年に国会議員になると同時に 「日本会議」に、次いで日本会議を支持する議員団体に加入する。「20年近く経った今日、彼らはジミントーと内閣を席巻している。そして日本会議は、国会の40%に相当する、289人の議員を集めている…」 
彼らのスローガンとは? 戦後の日本、「アメリカに押し付けられた」制度と生活様式から決別することだ。 彼らは、「勝者の正義」、戦争犯罪人を裁いた東京裁判の正当性を認めない。 彼らは歴史を自らの味付け、敗者の歴史を書き直したがっている。 日本帝国はアジアの民衆を「解放した」と声高らかに断言したい。 1938年の日本軍による南京大虐殺は作り事であり、 民間人に変装した数百人の中国兵が死亡しただけだと 主張する。
 日本会議の歴史修正主義者らは、 「慰安婦」は勇敢な日本兵を慰めて月末に手取りを増やして喜ぶ、単なる自発的な売春婦だったと断言する。もし、菅がその思想に与しているならば、韓国との関係はうまくいかない。
安部の本当の野望は、歴史書を書き換えることだ。 総理を辞めて暇になればそちらの仕事に勤しむだろう。中学校の教科書は、歴史学者の視点と同じく論争中の問題に関して「政府の公式の立場」を言及しなければならなくなる。 「別の言い方をすれば、歴史修正主義のぱっとしない教師が、南京で民間人の死者はなかったと断言すれば、それが我々の子どもたちの教科書に書き込まれることになる」、と政治学者の中野晃一は説明する。 教育に関して、日本会議は「愛国」教育への回帰を熱望する。 彼らの夢は、1890年代の帝国時代の法 (天皇への全面的な服従) にできるだけ早く近づくことだ。 

 これで全てではない。「アメリカの圧力下で」採択された、1947年の平和憲法を、日本会議は根本的に変えようとしている。 その最初の標的は、第9条だ。 この中で日本は「戦争を、永久に放棄」している。

 国粋主義者は世界のどこでも(派兵でき)、そして「自衛力」だけではない軍隊を望んでいる。 「安倍と日本会議にとって、第9条の廃止は決定的に重大だ。なぜならこの条文が軍国日本との決別を意味している からだ」>
 運動は既に進行中だ。 昨年7月、政府は初めて、「自衛隊」が日本の国土を離れて同盟国を助けることを憲法9条が認めていると断言して、同条の解釈を変更した。 それが最初の突破口だ。 日本会議は他の条文、最初に婚姻における男女の平等に関する第24条と決別するために、そこに殺到しようとしている。 彼らにとってもちろん、夫は全ての領域で配偶者を支配しなければならない。 彼らはまた、戦前の風習に戻ることを望んでいる。 学校では、まず男子、次いで女子の五十音順で点呼されること…  
戦後の裁判で裁かれた戦争犯罪人を含む、死亡した兵士が祀られる、靖国神社に国家が関わることを邪魔する、宗教と国家の分離に関する16条も廃止することを目指す。 最後に、明らかに、日本会議は天皇が、日本の政治の中心に戻ることを望んでいる。日本国憲法を守ることを使命と考えた昭和天皇は退位し、憲法改正の障壁は消えたかもしれない。心の病を抱えた妻を持つ新天皇にどう取り組むか見ものだ。

 安倍とそのお友だちの反動主義者は、菅総理と一緒にどこまで行くことができるだろうか?


by katoujun2549 | 2020-09-22 19:02 | Comments(0)