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堺屋太一さんご逝去と団塊の世代

 堺屋太一さんが先日83歳で亡くなられた。今となっては人口論や、世代論は月並みだが、堺屋太一さんが早くから今日の少子高齢社会を予測した「団塊の世代」はベストセラーとなった。1970年代オイルショックからの再生に苦しんでいた経済を前に、昭和22年から30年までの間に生まれた世代に着目し、この層を中心に時代が変化したことを示した。堺屋さんは危機感と、新しい時代を生むエネルギーに期待した。しかし、実は何も生まなかったのである。堺屋太一さんの死は団塊の世代への明るい期待の終焉を意味するのではないか。我々の次の世代は年金勝ち逃げ世代として冷ややかに見ている。

堺屋さんはいつも未来を見つめていた。それに対し、我々の父親の世代を中心に未来を築いた人々が城山三郎であった。我々団塊の世代は城山三郎の教訓を背に、堺屋太一の未来に向かって進んだはずだが、実はバブルやリーマンショックから生き残ることで終わってしまった。何も残していない。

近年、国も社会も変なことが多い。野田の小学生虐待、統計の誤魔化し、レオパレス21の手抜きといったマスコミに出る以前に一体日本という国に何が起き、始まっているのか?一言で言うと劣化だが、無責任な概念だと思う。変化も劣化も必ず起きるが、何も仕組みが機能しないから事故も起きている。野田の児童保護職員は父親が脅して来た時に何故警察を呼ばなかったのか?こんなにデタラメな世の中を作ってしまったのか。我々団塊の世代に責任があるかもしれない。親の代は戦後の復興を目指し、懸命に生きていたようだ。我々は何を残してこの世を去っていくのか。


社会を形成するための哲学やビジョンが無かった。ガタガタになった社会を子供たちに残してしまったのかもしれない。子供たちが安心して成長する街づくりが出来ていない。学童クラブや習いごとで忙しい。今公園をみても遊んでいる子供を見ない。レオパレスアパートは中野にいると至るところにある。本社は家から5分のところ。レオパレスは我々の世代が作ったのではないか。あの手抜きはビジネスモデル転じて詐欺に近い。作り手も指示どおり作りましたと言いたいが、断熱材が入らない家を作って平気。手抜きの安アパートにレオパレスではないが、我々の孫が受けた児童虐待、オリンピックに何で予算オーバーを許すのか?誰が責任者か分からない。統計のインチキも理由がわからない。最初に仕組んだのは誰だ、発見した人を攻めても仕方がない。あの頃我々が現役ではなかったか。団塊の世代が残したものはどこか変。重要な法律が議論も無く通ってしまう。小泉も菅直人も、鳩山も同世代。都知事小池百合子とか名古屋市長の河村たかしも団塊世代。競争社会に生きてきたせいか。哲学はないが機を見るに敏だ。鈴木宗男もそうだ。彼らが引き継いで今の政権がある。同世代の政治家は他に舛添要一、田中眞紀子。安部首相は次の世代、嘘つきのリーダーに相応しいデタラメ情報。日本がどうなろうと、選挙で勝てば良いのか、小選挙区制も我々の世代が作ったようなもの。後の世で後ろ指を指されるかも。

今回の野田の事件は何とも悲しい。言葉にならない。昔に比べて今増えているのかどうかは知る術がないが、家庭内暴力というのはいつの時代も洋の東西を問わずあったし今もある。世界中にありドイツでは子供の虐待死は日本の3倍だという。野田の事件はサイコパスの父親が一線を越えてしまった。これは「病気」が原因だから隔離する以外に防ぐ方法がない(ドイツは親権ではなく子供の権利を最優先に厳しく隔離するようだ)。瞬間湯沸かし器のマスコミが今原因を並べ立てても直ぐに萎んでしまう。やはり、平凡な言い方だが、警察等を含む行政が如何に厳格に手だてを講じるかにかかっている。福祉医療機構が子供シェルターのNPO向けセミナーを開催している。

自制心の劣化は環境変化がもたらしたものでしょう。つまり、核家族化、終身雇用制度の終焉、グローバル化による収入格差、小売店消滅・シャッター街化(スーパー→コンビニ→アマゾン)でなどなど様々な人間を取巻く物理的環境の変化が個々人、特に若い世代で精神の化学反応(不満、不安)を生み自制心の劣化に大きな影響を与えていることは間違いない。AI,IOTによってこの傾向に拍車がかかる。昔は正義感ぶった朝日や地上波が疑似北朝鮮の如くそれなりの秩序を守る役割を果たしていたが、正偽混濁した情報が溢れる中、この一線は越えてはならないという精神の基準がなくなったことが原因。大企業でも検査不正が多かった。この1年、日産、神戸製鋼、東レといった大企業も例外ではなかった。

外資では「ない」とはいえないが日本企業に比べると圧倒的に少ない。これは、やはりコンプラとか内部監査意識が終身雇用ではない外資では効くことの証明。日本企業で未だに多発するのは、転職がし難いという雇用環境のなか将来の雇用に安心感を生む「終身雇用」へのむなしい期待心が残っている証拠。

by katoujun2549 | 2019-02-11 12:36 | Comments(0)