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マレーシア・ロングステイの現実 自分はどうするか

マレーシア、クアラルンプールに滞在して思ったこと。
マレーシアは親日国であるが、日本からの投資や観光客、投資を呼び込みたいという思惑がある。今はマレーシアには中国人が25%もいてプミプトラ政策によるマレーシア人優遇策やイスラム教の国教による統治もあるが、中国人の経済力はマレーシア人を凌ぐ。さらには中国の影響に警戒もしている。多民族国家としてマレーシア人、中国人、インド人に次ぐ韓国人より、真面目で勤勉な日本人は3番目に大事にしたいのである。

マレーシアに剣道の指導者、新潟で高校の化学教師をしていた松川さん(剣道教士七段)のお誘いで、クアラルンプールに3回目のステイとなった。昨年まで昇段審査とか、稽古や学校の理事会などで忙しくまとまった日程が取れなかった。剣道も七段を取ると次の目標が見えるまで暇がある。今回は時間があり、理事会も910日まで無いので、2週間のホームステイ滞在となった。松川先生は今年からマレーシアの MM2Hという制度で10年間のビザを手に入れ、アパートを契約され、4月からクアラルンプールに住んでいる。

マレーシアは今ロングステイ先としてナンバー1の地域である。その理由は親日であることはもちろん大きな要素だが、住居の条件の良さ、治安、食料や生活のしやすさにある。暑いのは1年中だが、空気は日本より乾燥しており、夏はむしろ日陰が涼しいくらいで、猛暑の日本より凌ぎやすい。四季の移ろいがないのは寂しいが常夏の自然は日本にはない良さがある。日本人が多く住むのは郊外ではモントキアラ、プトラジャヤの高級コンドミニアムが人気である。しかし、先生の家は中国人の住むエリアの近く、セガンブートというところである。家賃の安さ、管理の良さ、買い物の便などに加え、剣道の弟子のリムさんが近所に住んでおり安心だからだ。近くのモントキアラのスーパーには日本の食材などをはじめ、トップバリューなどのブランドも揃っている。日本のものは当然ながら、現地のものより高い。納豆でも、インスタントラーメンでも日本国内の倍くらいだろうか。しかし、必要なものは何でもある。多分生活上の不自由は欧米より少ないだろう。食べ物は結構美味しく、贅沢を言わず、衛生に気を付ければ周囲の屋台に近いオープンな食堂で何でもある。ただし、日本食やイタリアン、フレンチを食べたい人は金がかかる。また、チキンが美味しいが、鳥が苦手な人は耐えられないだろう。
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郊外に住む人のはなしだが、家のキッチンの床に綺麗な紐が落ちていたので拾おうとしたら動き出したのでビックリ。グリーンスネークだった。毒はないが、中にはコブラなどの毒蛇もいる。クアラルンプールは都会だが昔のジャングルのような森が結構ある。郊外ではそんなこともある。ミッドバレーくらいの町でも野良犬がいる。郊外や山の中にもたくさん野良犬がいて狂犬病の保菌犬に噛まれたら大変。発症する前にワクチンを打たなければ致死率100%だという。犬は怖いだけで可愛くない。
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こんな食堂がどこにでもあり、500円,15RMも出せば充分。
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街角のフルーツ売り。
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[1]3回のマレーシア旅行で感じたことを以下に述べたい。

1. クアラルンプールは3泊すれば見所は回れ、大方楽しめる。
 中心地の旧政庁とモスク、民族博物館、ブキッビンタンの繁華街、チャイナタウン、セントラルマーケットは徒歩圏、都心にホテルをとればじっくり楽しめる。バタフライミュージアム、バードミュージュアムはタクシーで午後4時間あれば十分。バトゥケーブとゲンテェインハイランドは1日、さらに、マラッカは1日かければ往復できる。
 
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問題なのは渋滞である。片側車線はガラガラのブキツビンタンの通り

2. 車で1時間~3時間のところに異なる文化の雰囲気がある。
 オランダやポルトガルの影響のあったマラッカ、イギリス植民地時代に発展したキャメロンハイランド、日本軍も駐留したクアラセレンゴールは独自の文化が見られる。マレーシアの歴史を知ることができる。ペナンやイポーにもレジャーで行ってみたい。
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              マラッカのメインストリート オランダ統治の名残


3. ロングステイは毎日何をするかが問題
 毎日どう過ごすかは日本にいても同じだが、囲碁将棋、ゴルフとか、女性ならダンスなど趣味がなければ保たない。絵を描くとか、書道などなら一人でできるが、それなら日本だって良く、わざわざマレーシアに来る必要がない。ダイビングとか、トレッキング、蝶や昆虫の収集などは面白いだろう。日本と違い、トレッキングには危険性はあります。趣味の世界も仲間が必要だからジャパンクラブなどのイベントで友人を作るのが良い。

4. マレーシアから何をまなびとるか。
 マレー語を学ぶ機会は少ない。英語で何事も用が足せる。英語の勉強は良い。中国語の勉強は日本にいるより、機会がある。オランアスリー、少数民族の研究、美術品、骨董収集などはお金があれば面白いだろう。

5. 日本人、または日本の良さを伝えたい
 趣味の世界などでマレーシア人の友人ができるかどうかである。何か楽器を教えるとかマレーシア人との接点が必要。自分は剣道で交流ができ、松川先生のおかげでこれまで多くのマレーシア人とお付き合いできた。彼らが日本に来たときなど、食事をしたり、日本的ホスピタリティを発揮することが大事。
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6. マレーシアはまだ発展途上
 発展途上国特有の貧富の差とかがみられるが、日本よりIT化が急速に進んでいる。オンデマンドの車の乗り合いをネットを利用して行っており、タクシーの半額で活用できる。マレーシアはテロ対策に関してはとても厳しく、安全とされている。しかし、それには理由がある。サバ州などはフィリピンからの不法移民や海賊、アブサヤフなどの過激派が毎年のように事件を起こしている。シパダンがかつてダイビングのメッカであったが、環境破壊で昔ほどの素晴らしさではないという人もいるが、シパダンでもテロや誘拐は起きており発展を妨げている。日本人が犠牲になっていないからマスコミに取り上げられないだけである。これは帰国後に知った。クアラルンプールと地方の格差は大きい。日本人はマレーシア、シンガポール、インドネシアの発展に乗り、インドを目指すべきである。この地域では中国人との勝負に勝たねばならない。
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交通マナーは無いに等しい。特にバイクは空いた場所
にどんどん入ってくる。
バックはモントキアラののマンション群

7. ボルネオ、サバ・サラワクは見所が多く、リゾートの雰囲気
クアラルンプールから空路2時間半でコタキナバルまで行くことができる。マレーシア人もサバ州が美しいところと思っている。特に、山登りはキナバル山という世界遺産がある。また、ダイビングスポットも多い。何と言っても自然が魅力。

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コタキナバルの水のモスク
海岸沿いの街は埋め立てられたもの。水上集落があった。
池が多いが、ワニがいるらしい。注意の看板がある。ニシキヘビも意外に住宅地に生息している。時々6mもの蛇が建設現場で見つかったニュースがある。

8. クアラルンプールは道路が良いが、地理がわかり難い
日本と同様左側通行だが、クアラルンプールはスプロール的に都市部が発展し、鉄道も高速も不合理な路線計画があり、なかなか覚えられない。また、運転マナーが日本とは比べ物にならない自己中心的だから怖い。迷うと事故につながりやすい。
ナビは必須。
モノレールは跨る方式。慣れると移動に便利
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9. 多民族国家を楽しもう
マレー人、中国人、インド人、朝鮮人が混在し、民族毎に居住地が特徴ある集合を形成するから、街に特色があって面白い。
特に、食事は本場のものが楽しめる。アジア世界全体のミニチュアである。特に食文化が面白い。マレー料理を学ぶ機会があると良い。
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10.アジアの交通拠点としての価値
 LCC AsiaAialineのネットワークで、東南アジア諸国かrインドのゴア、ボンベイなど片道1万円以下でどこにでも行ける。シンガポールの方が拠点性は高いが物価が高く、生活はマレーシアの方が楽。クアラルンプール国際空港に近い住宅を選ぶのもありうる。朝夕の車の渋滞がひどい。空港から都心まで1時間半くらいかかる。子供の教育が
なければ空港に近いところも良い。通勤するわけではないから必ずしも都心を意識しなくとも良いだろう。
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バトゥケーブの寺院でお祭りがあった。

[2]MM2H ロングステイについて
マレーシアにはMM2Hという日本人が10年間長期滞在や居住に関する特典のあるビザの制度。
これを利用して日本人のリタイヤしたご夫婦とかが、ゴルフ三昧で楽しんでいるという。また、月に10万円くらい家賃を負担すれば3LDKで100㎡くらいのコンドミニアムがモントキアラ辺りでも借りられる。都心で窮屈な居住生活や田舎で都会生活の出来ない人は年に数ヶ月過ごすのに良いだろう。3~4人でタイムシェアし、3ヶ月毎交代するチームが出来ると良い。住居を所有すると配偶者が亡くなったり、高齢になった場合、年寄り同士の付き合いを続けられるのか、想像すると、ウンザリする。マレーシア人との付き合いは出来ると良いが、結構忍耐力が必要らしい。
時間がいい加減とか、行き当たりバッタリとか、段取りとなるととたんに間抜けなことが発生するという。とにかく、彼らの行動パターンは日本人に解せないこともあり、忍耐も必要。ロングステイ財団のHP等では良いことヅクメだが、実際はいろんなトラブルの話を聞く。長く暮らすにはどんなコミュニティに繋がるかが問題。何かの趣味とか学習、コレクションなどの目的が無ければ半年もたない。
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住宅街にはコンビニやこんな店舗の町並みがどこにでもある。
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朝市も面白い。朝の6時頃でも食堂には人が入っている。特に中国人は仕事をしているか、食べている。それがかれらの幸せ。



by katoujun2549 | 2018-09-25 19:53 | 国際政治