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なぜ韓国外交は日本に敗れたのか? 武貞秀士著PHP新書

文在寅大統領が政権を取り、最初の試練は北朝鮮のミサイルと核であり、トランプ大統領と金正恩の応酬だが、そこに慰安婦像や徴用工問題などが再び持ち上がる。日韓が連繋しなければならない時にそのような問題を持ち出す韓国のメンタリテイに我々日本人は戸惑うばかりである。この本で武貞氏はヒントを与えてくれる。我々はあまりにも韓国の立場や習性、北朝鮮の思惑が分かっていない。彼らの奇妙な社会的反応の数々には長い歴史がある。政治や裁判、報道などそも我々日本人は不思議に思うことが多い。そもそも韓国は事大主義の国。かつては中国の属国、次は明治維新と近代化に成功した日本、ロシアにも色目を使い日露戦争後日本に併合された。戦後はアメリカ、そして今は中国なのである。

中国の対日戦勝パレードにも朴槿恵は参加、日本を相手にするより中国にシフトした韓国にとって、中国経済の景気低迷が響いている格好だ。特に、韓国経済の中心的であるサムスンは、中国製品に押され、スマホの販売が伸び悩みなこともあり先行きに厳しい見方が出ている。それに伴い、ウォンの下落、対中貿易の減少は1兆6千億円にも上る。さらなる通貨安は、株価の一段の下落や景気下振れリスクにつながる可能性が高まっている。輸出の不振には中国経済の成長率低下、世界的な需要低迷が大きく影響している。同時に、韓国経済の競争力低下も無視できない。

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しかしどこでその勝算は狂い、韓国は「日韓合意」へと舵を切ったのか。その背景を丹念に検証しながら、日本、韓国、中国、北朝鮮、そしてアメリカというアクターたちが、今後、極東で演じる勢力争いの構図を本書は描き出していく。朝鮮半島問題は6ケ国協議でなければ進まないと思うが、北朝鮮はこれに乗って来ない以上別の方策が必要だ。今のところ米朝協議しか道はない。

強いものにへつらい、弱い相手には高圧的という人がいたら、嫌な野郎だと思うが、国際政治の上ではこれが宿命である。韓国の戦略はまさにそこにある。日本人は戦略的な策を巡らすことが苦手である。韓国はそうした日本を知らない。一方韓国人は日本を腹黒く、常に大陸進出を狙う国と思っている。この辺りのギャップは大きい。勝ち馬に乗るのは悪いことではない、外交の成功だと韓国民は思っている。

何故、朴槿恵元大統領は慰安婦問題において、日本と協定を結んだのか。それは中国に依存する道をとろうとして失敗したことの影響である。さらに、北朝鮮のミサイルの急速な進化に対するTHAADの配置で中国から対抗措置をとられたことは韓国にとって打撃となった。中国経済の減速は韓国には経済の停滞を招いている。THAAD問題以来中国からの観光客も日本からの観光客も激減を招いた。現代やサムソンといった財閥大企業はあっても、中小企業が育っていない産業構造が慢性的な失業を生んでいる。こうした問題を逸らすためには常に日本の過去の朝鮮支配のことをもちだすのである。
1. 韓国は北朝鮮との統一にこだわる理由は、核大国になり、日本に優位な立場になりたい。
2.北朝鮮は核兵器を保有し、統一に向けて韓国が従属してくることを狙っている。
3。ユーラシア大陸の入り口として、ロシアと繋がり、シベリア開発やヨーロッパへの東の窓口になり、日本にも有利な立場に立てる。

朴政権は経済の好調な時期に以上の幾つかの錯誤によって政策を誤った。北は崩壊しない。

体制の違い、韓国は太平洋、東シナ海に向かう海洋国家である現実を無視。自国の産業構造の脆弱性、日本経済の実力を見誤るなどによって2015年以降に苦境に陥った。これが慰安婦問題で急速に合意に達した原因である。以降に日韓の政治交流は復活しつつある。今後の文在寅政権はこれまでの失政を日本のせいにしてくるだろう。筆者は日本は韓国が擦り寄る大国になる道が改善への方向だと言う。どんな大国か!軍事大国はダメ、経済大国も難しい。答えはスポーツ、芸術、学問です大国になれば良い。文科省はしっかりして欲しい。




今日の朝鮮半島情勢は次の諸点に留意したい。
1.北朝鮮は核とミサイルで在韓米軍の撤退を要求する
2.韓国は地上軍の優位を確信、北朝鮮は地上軍の圧力と核兵器で圧迫し、中国の調停で統一を実現したい
3.韓国は中国の成長に便乗し、発展の自信がある。
4.中韓接近に対し、アメリカは日本との軍事的連携を強化する
5.中国は韓国とのパートナーシップを維持し、THAADを排除し、核を持つ北朝鮮を説得し、統一を実現したい

by katoujun2549 | 2017-08-20 20:36 | Comments(0)