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古武道研究会 7月

甲野先生の古武道研究会 7月


国立の一橋大学有備館道場で開かれた研究会で甲野先生のお話を聞いた。

いつもの基本的な動作のお話であったが、毎回先生の動作を練習する訓練は無いので、お話と実技を見るだけである。そうした中でも、毎回示唆を受けるものがあるから興味は尽き無い。


いつも、先生が、技をかける時に、「交通事故」といった表現があるのだが、これが一体何かわかりにくい。月1度の会で身につくはずも無いのだが、そこは自分で考えねばならない。今回はマレーシアから王さんも参加した。月末に新潟の松川先生とKLに伺うのだが、1昨年もお世話になった方である。巨漢の彼が、甲野先生にひっくり返されたのは驚いた。自分なりに考えてみると、相手を攻撃する時の「気」の動きのことを言っているのだと思った。剣道で、よく、攻める時に「タメ」というようなことを言われる先生がおられるが、これが「タメ」ですよという動作を見たことがない。

 甲野先生の動きにも一瞬でどれが「交通事故」の瞬間かがわからない。相手を攻撃しようとすると、人間は本能的に防御の動作が出る。どんな人でも頭を叩こうとすればよける。女性の胸を触ろうとすれば、素早くはねのけるだろう。よほど相手が無防備か、避ける意思がない場合しか成功しないはずだ。相手を攻撃する「気」が伝わるのである。その気を一瞬外すことが相手にとっては思いがけない一瞬となり、無防備な態勢が生まれるのではないか。だから、これは微妙な動きで容易に目には見えないのではないか。剣道で中心を攻めろというが、それはこうした一瞬の作業のことで、何も突き技を出すということではない。相手の集中を外す意識のことではないかと思う。誰でも相手の視線に気がつく時がある。電車の中などでは、美人やグラーマーナ女性は常に周囲の目線を気にしている。目線と体の向き、そこに集中した姿勢や動作はほんの微妙な動きも捉えるのが生物である人間の能力だ。そこを利用するのである。今後の稽古に反映させてみようと思う。


by katoujun2549 | 2016-08-01 14:20 | 武道・剣道 | Comments(0)