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セイコーアストロンを買った! 時計はGPSソーラーで勝負

セイコーアストロン
GPSとソーラーで勝負!
 セイコーは今、グランドセイコーのスプリングドライブとアストロンで再生を図っているように見える。フォーマルな場を意識した装飾性の高いものはクレドールである。しかし、今やクレドールは勝負が付いてしまったのではないだろうか。クレドールは外国製品のようなデザインの統一性が無く、素材と波のマークだけで差別化しようとしている。
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昨日アストロンを買った。アストロンも7月から発売の限定版ジウジアーロモデルが登場。でも、自分にはそれほどのデザインの良さを感じなかった。セイコーの最高峰は今、グランドセイコーのスプリングドライブである。しかし、これも何となく、地味なデザインで、オメガやローレックスには美しさではかなわない。アストロンも、値段は20万円前後だが、あのスォッチ的なレベルのデザイン性ではないかと思うこともあり、よく見ると、チタンモデルも何となくオモチャっぽいのである。そこをスイスの時計はアクセサリーを越える高額商品に仕立て上げることに成功した。そもそも、時計というのは大人のおもちゃであるが、日本製はオモチャのままである。今日、時間を知る方法は腕時計が無くともいくらでもある。アップルウォッチも登場した。このなかで、GPSソーラーという機構が世界でどこまで通用するのか。日本の時計メーカーが、宇宙衛星も使った時間の表示にチャレンジしたという心意気を買って自分はアストロンのステンレスモデル、ホワイト仕様を買う事にした。チタンモデルは確かに軽いが、価格のわりに高級感が出ない。また、世界の高級時計でチタンを使ったものは少ない。オーディマピゲくらいではないか。このソーラーウオッチは結構時間あわせが面倒である。GPSの電波がキャッチできるところでなければ時間を合わすことができない。マニュアルには書いてあるが、国内にいるとあまり時間を合わせる必要を感じないから、いざ海外に行ったとき、操作方法を忘れてしまう。これでは面倒くさがり屋の外国人には通用しない。これもガラパゴス的製品かもしれない。
 セイコーはこれまで、クレドールなどの高級路線でスイスと対抗し、中上級の顧客開拓を目指したが、失敗の連続であった。しかし、セイコーエプソンのプリンター事業などの好調によって何とか支えられてきた。スイスの時計が再興できたことと逆なのだ。わが国の貴重な精密工業技術をセイコーは守ってもらいたい。かつて、1969年12月25日、世界初のクオーツ式腕時計「セイコーアストロン」が東京で発売された。価格は当時の小型自動車並みの45万円もした。クオーツ式誕生は世界の時計産業の勢力図を塗り替える出来事だった。しかし、今や実態は情けないことになっている。セイコーの時計売り上げは半減した。一方スイスは復活した。クォーツは時計の価格をどんどん下方に下げていった。そこをスオッチが逆襲してきた。70年代と80年代、電子腕時計と日本の時計産業との競合がスイスの時計産業を危機に陥れた。しかし、再編成の時期を経て、スイスの時計産業ば再び立ち直った。1986年に43億フランだった輸出高は、2012年には、214億フランに増大した。セイコーはクオーツの技術をオープンにして基本素材で儲けようとしたのがあだになった。90 年代前半までの高収益を支えていたのは,ムーブメントの外販と欧米高級ファッションブランドに対する時計のOEM(相手先ブランドによる生産)供給だ
った。それが、中国メーカーが参入して大幅に価格が下落した。それに加えて,高級ファッションブランドが自社生産へと切り替えた。中国や台湾が廉価なクオーツを大量に売り出し、価格が崩壊したのだ。それに対して、スイスはデザインで勝負してきた。スウオッチの登場である。
 今やクオーツ市場は5万円以下の価格帯でシチズンもセイコーも高級品をパクった商品で、自社製品との差別化に失敗している。カシオもGショックでGPS、ソーラーで10万円台のものを出した。シチズンもアテッサ、エコドライブは7~10万円台で勝負をかけてきており、デザインも良い。10万円台のGPSソーラーも発売、セイコーの20万円台はどこまで勝負できるだろうか。
シチズンのものは性能はわからないが、少なくともデザインと価格においてはお買い得な感じで、20万円を超えるものはアテッサでも少ない。カシオはオセアナスでセイコーと対抗しているが、所詮はヨドバシカメラといった家電量販店で買う商品である。
自分の買ったホワイトモデル。ステンレスである。白いタイプは唯一これだけである。
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繰り返すが、セイコーがクォーツを開発し、世界の時計は日本が席巻することになったのは40年も前のこと。当時、日本はジャパンアズナンバーワンの途上にあり、世界の脅威となった時代だった。あれから、バブルの崩壊、停滞の20年、リ-マンショックを経て、アベノミクスと、ようやくデフレからの脱却が見えてきた。クォーツの登場によって、世界の時計市場は日本のひとりがちになったかのように見えた。ところがどっこいそうではなかった。スイスの時計メーカーは正確さとか、多機能といった要素を求めず、時計を手工芸品としてのクラフトマンシップや、デザイン、装飾性に方向転換した、200年とか300年続いたスイス、ジュネーブの時計メーカーは倒産から再生へと舵を切ることに成功した。
パティックフィリップ、フレデリックコンスタンタン、オーディマピゲといった老舗も復活した。最古の時計メーカー、ブランパンも再編され、マニュファクチュールが主流である。これは超高級ブランドの話である。しかし、低価格帯はスウォッチでつなぎながら、工業的な製造と手工業の両方を生かしてオメガやローレックスも健在である。これら手工業製品は1000万円とか、家一軒買える価格なのだ。日本でも、陶磁器の壷が2000万円とか、数千万円するのと似ているのかもしれない。シチズンのGPSソーラ
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これは
同じくスォッチの71000円のモデル。デザインも良い。
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これはスォッチ81000円のクロノグラフモデル。デザイン性はなかなか 
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片や日本はSONYの停滞もそうだし、携帯電話市場もPC市場もスマホの登場で一変したが、日本の産業はガラパゴス化していたのである。より精緻で、多様な機能がついた商品を開発するのは日本がお得意である、そして、そうしたことに企業組織は発展していく。反面、製品価格は高価になっていく。ところが、それが一体何のために、誰に向けて、市場の要求がどこにあるかを無視して進んでいく。島国日本だけで通用するモデルが出来上がっていくが、国際的な競争の波にさらされると、あっという間に崩壊する砂上楼閣なのである。かつて、日本独自の製品であった軽自動車が、今や国内で大変な人気である。さらに、軽自動車の排気量拡大版が輸出または現地生産されているように、ガラパゴス化した環境で鍛えた技術を後ろ盾に海外進出をはかる例もある。セイコーアストロンがそうした日本の時計メーカ世界に対してここにありという流れが出来るかどうかである。セイコー、シチズン、カシオのGPS戦争がガラパゴス化を加速するのだろうか。海外ではこうしたビジネスバトルを冷静に観察しているに違いない。今回は、頑張れ日本、大いに応援したくなって、今回のアストロン購入となった。日本人は日本の時計を買うのが一番。

by katoujun2549 | 2015-06-17 11:01 | 国内政治 | Comments(1)
Commented by 田中 at 2015-08-14 20:10 x
スイスの同価格帯の時計だって高級感なんか大してないとおもうけどなぁ
アストロンとどっこいどっこいでしょ
ちょと欧州素晴らしいフィルターかかりすぎだと思うよ