新潟県高校大学受験事情

新潟県高校事情


 新潟県の大学進学率は近年向上して来たが、自分のように東京から来た人間からみて地方とはこんなものか、と驚く事がある。それは高校生の大学受験事情である。自分の子供は受験時代を12年以上前に終えた。でも、記憶をたどってみると、東京は選択肢が多く、学生の進路に関しては特定の進学校以外はかなり自由ではないだろうか。しかし、新潟は何だか自分達団塊世代受験生の時代が戻ったかの様な様相なのである。要は県民の大学進学率の低さからきているかも知れないのだが、官尊民卑、国公立が大学で、高校も県立名門校にこだわるのである。高校の教員達の大学観、所得の低い県民の多い新潟の教育価値観と専門学校進学層、学歴無視の層が重なっている。そこに、商売上手なNSGグループの専門学校群が大学進学を諦めた高校生の救いの道になっている。

 東京から2時間の大きな県で、新潟市という80万人都市をかかえ、大学進学率は45%、大学生の40%が東京に流出する。毎年アバウトだが、高校卒業生は2万人、大学には9千人行く。東京には3,600人、新潟大学に2,000人、他の公立大に2,000人、私大は新潟国際情報大、新潟薬科大、新潟青陵大、長岡大が定員を満たしており、残りの600人くらいを新潟経営、新潟産業大、新潟経営大、そして敬和学園大で共食い状態で争奪している状況である。

 新潟県の高校は県立は自由学区制だから、かつての名門高校は新潟高校を中心に分化し、下越で村上高校や村上中等学校、新潟よりの新発田高校、新津高校などは学生の学力低下、定員割れの危機に見舞われている。学区制を廃止した結果当然の帰結であるが、その内容を見てみると理解出来る。それは、新潟市に高校生は集中して行くのである。

 かつて、東京都では学校郡が高校勢力地図を塗り替えた。日比谷、西、小石川、戸山、新宿などの受験上位校は軒並み学生の質ー学力レベルが落ちた。東京都が学校郡にしたとき、新潟とは逆の事があって、私立高校に優秀な学生が流れ、今日の受験戦線の地図が出来上がった。学生のみならず、受験対策に力のある教員も移動して行った。というより、受験対策に手腕のある教員はどこにでもいる訳ではない。優れた教員が学校群制に嫌気をさし、有名私立に引き抜かれた。その事を知っているのは保護者なのである。そこで、都内の私立は優秀な教員を取り合ったのである。結果は開成や麻布、櫻蔭をはじめとする私立校受験校の躍進と、都立高校の凋落である。

 新潟は選択肢が少ないから、もっと極端に下越地方は新潟高校一極集中である。そして、県立高校の受験指導はひたすら、国公立大に何人入ったかが業績評価の中心で、東京を含めた私立には目が向いていない。もちろん公立に行ける高校生は一握りである。そのために、相当なエネルギーを使っている。ところが、そんなところに進学出来る学生は少数派で、実際は東京の私立と県内私立に行く学生が多い。恐らく、新潟県の高校から東京の早稲田、慶応、上智クラスの一流私学にはあまりいかず、明治、法政、日東駒専クラスに行く学生が優秀な学生である。他の東洋、神奈川、東海、さらに大東文化、創価大なども多い。これらの学校は受験対応は国公立とは全く違う。大体、努力を要する数学の試験は無いし、受験科目数も2~3科目、AOや推薦入試で入って行く学生もいる。そうした中で、高校の選別は、上位受験校、下位就職や専門学校志向の高校と、東京を含めた私立に行き易い学校とに分化している。

 県立高校の方針はとにかく、国公立に何人その高校に入ったかが業績の象徴になって、進路指導や教員の考課にも繋がる事である。また、彼らは名前に拘る。私立なら早慶である。しかし、彼らは実態をしらない。東京の私立6大学は定員オーバーで教育力は落ちているのである。さらに新潟の先生は女子の場合、津田塾とか東京女子大は名門だと思っているが、近年、これらのブランドを高めたのは、本来、東京であれば、東大、一橋に行く力のある学生が女子大に行ったこと。今は、彼女たちは共学志向で、トップクラスは東大、次は一橋、早慶かICU,東京外大、上智など行くから、東京の女子大は歯が抜けたようにトップ学生の学力は落ちている。これは津田や東京女子大の先生から聞いた話である。頂点が減っただけでマジョリティはそれほど変わらないかもしれない。優秀な女子が回って来た分東大以外のレベルも上がったのである。しかし、おそらく、新潟の高校の先生は女性でこれらに合格すれば鼻が高いのではないだろうか。実態が分からないで喜んでいる、滑稽な感じなのである。

 国公立に学生を送るにはある種の受験指導が不可欠で、これが無ければトップ校は無理だし、地方大学でも受験対策は必要である。そこで、受験校の高校でも、そうしたことが得意な教員は少ないし、公立志向の学生は新潟高校がほぼ全員でも、残りの学校は半分くらいだと思う。ということは、大半の学生は結果としては私立に流れる訳で、その対応に関してはあまり面倒見が良く無いと思われる。従って、優秀な学生は皆新潟高校か、長岡高校、高田高校に行き、かつての名門校、新発田高校、村上高校、新津高校等は優秀な学生を集める事に苦労している。

 その反面、新潟商業や北越高校、東京学館、日本文理などは学生が集まっている。新潟市内の高校に周辺から集まる傾向は続いており、新潟南高校、新潟中央高校等もその恩恵を受けている。一方、私立で名門校志向だった明訓高校等は方向が定まっていない感じを受けた。

 敬和高校は、そうした私立志向の高校生を受け止め、近年、学生を集める事にはかなりの成果が上がっている。敬和は全国のミッションスクールと提携し、推薦入学の枠がある。特に、名門校のICU,同志社、青山学院、明治学院、立教等も含まれるから、普通の子でも頑張れば現役で推薦を受けられる。一方、かつての名門校は過去の栄光を守る為に、レベルの下がった学生を叱咤激励し、かつ、大した成果は無いのが現実なのである。保護者の方には悪いが、お受験というのは一種の才能でもあり、DNAも関係している。自分も長男から、勉強がうまく行かないのは頭が悪いせいで、自分を見ながら、成績が上がらない理由だと、自分を見て宣った。苦笑いした。それは仕方が無い。申し訳ないとは言わなかったが、黙ってしまった。高校に入ってランクアップはよほどポテンシャルを余した学生ならともかく、ワンランクか、1.5ランク上げる事が出来れば成功だと思えば良い。仮に、それで上がらなくても、人生色々、社会人になってからの努力が大事である。

 その証拠に、実は自分の長男も三流私立高校に行ってはいたが、何とか国立大学には入ったし、さらに司法試験にも合格して、司法修習に汗を流している。自慢で終わってすみません要はどこまで努力したかである。


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by katoujun2549 | 2014-12-02 09:44 | 教育 | Comments(0)