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クアラルンプールで感じた事 マレーシア紀行2日目

マレーシアに行った


 マレーシアという国に関しては、今回行く迄あまり知識も無かった。旅行するので、情報に注意しているといろいろな事が分かって来た。ASEANでは中心的な国家である。でも、シンガポールの方が親しみがあった。こちらに来るとシンガポールの都市国家としての限界を感じる。この国には大きな自然がある。オランウータンやテングザル、コブラや大蛇もいる。マレータイガーも数は少ないが有名だ。かなり前、日本人看護師が麻薬を運び込もうとして死刑の判決を受けた。麻薬には厳しい国だ今回、マレーシア航空機が行方不明になったり、ウクライナで撃墜されて大騒動になったことが記憶に新しいばかりで、地理上の位置も定かではなかった。地図を見ると、ボルネオの北側はマレーシアであり、タイと半島付け根のところで接している。クチン港という港湾都市は昔、三井不動産建設で浚渫工事を受注したことがあった。世界一のLNG基地がある。サンダカンという町はサンダカン八番娼館という映画にもなったのだが、位置を知る事も無かった。赤道に接近している。行ってみると、確かに暑いが、何と、東京ほど湿度もなく、暑苦しくは無い。堂に入っても、扇風機で何とか過ごせるのである。この数年の日本の暑さは異常である。この国はマル前首相が今の勢いを作ったようだ。その背景には、この国が産油国であることも大きな要素である。

 人種の坩堝というか、とにかく、いろんな人々がいる。マハテールは多数派イスラム教とマレー人を中心に国家を統制してきた。とにかく、華僑、中国人のパワーを押さえる為にいろいろ苦心をして来た。ボルネオの北側をマレーシアに含めた事が、人種バランスで中国人勢力を押さえ、資源を手に入れることになり、今日の繁栄のもととなった。中国とも上手くやってきたしたたかな国である。ガソリン価格がリッター40円ほどだからうらやましい限り。日本車が多いが、新潟県内で見るようにハイブリッド車は殆ど見ない。

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BatuCaves バトぅーケーブのヒンドゥー寺院。270段の階段と巨大なスカンダ神像
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 中国人のパワーは凄い。行方不明になったマレーシア航空機の乗客は殆どが中国系だったが、この国では中国人勢力を押さえる為に陰謀があった推測もある。しかし、マレーシア人も50人ほど乗っていた。報道では何時間も迷走していたというが、239人の乗客から一切携帯などの通信が無かったことも謎である。マレー系は住宅を買うと税金などの特典があり、多民族より7%安く買えるし、大学なども人種比率の枠があり、中国人より有利だ。プミプトラ政策といい、マレー人の権益を守ろうとする。官僚はマレーシア人が多く、非効率と不正の温床だ。官庁と団体の長はマレー人に限られる。中国人は言語においてもハンディがある。英語、自分の故郷の中国語(広東語)とマンダリン(北京語)、さらにマレー語を学ばねばならない。ひたすら努力で頑張るから、結果的には資産やビジネスなどでもしっかり基盤を築いてしまう。インド人はカーストがネックでなかなかパワーが出ない。アラブ人はサウジアラビアあたりから観光客がどっと流れ込んでくるのでそれで食べて行けるのだろう。国家宗教がムスリムだから何の支障もない。そんなことで政情は周辺諸国よりは安定している。

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   KLタワーから見たペトロナストゥインタワーと市街

 この国に行って、戸惑うのがトイレである。イスラム系の施設では金隠しの無い、しゃがみスタイルの便器で、柄杓と水桶があって、左手で洗う。普通は水洗トイレで、ホテルでも横に専用シャワーがあり、それで洗うのだが、水勢のコントロールが難しく、つい衣服を濡らしたり、床を水浸しにしてしまう。何とも困る。彼らは左手で処理するから、左手は不浄であり、握手や食事は絶対に左手を使わない。要注意である。

 日本との違いで気をつけねばならないのは警官だそうだ。泥棒やひったくりに会ってもまともな捜査をしてくれない。車の足などお世話になった中国系のヤップさんは車に乗ると、シートベルトを必ず忘れないように注意する。それは中国人と日本人は金があるから交通違反のカモで、捕まったら、やたらふっかけて罰金を取ろうとするのだそうだ。マレーシアにはムスリム以外に仏教、ヒンドゥー、キリスト教、土着の精霊信仰などが入り交じっている。歴史的にはマレー人のシュリビジャヤ王国から、イスラムのスルタン支配、シャム人や中国人の仏教、アラビア人のイスラム教、ポルトガル・スペインのカトリック、オランダのプロテスタントなども時代を重ねて来た。それらが、今の文化を多彩なものにしている。言語はマレー語、中国語、ヒンディー語そして英語である。4つの言語が使われる。国策として英語を大切にしている。その結果、多くの優秀な若者がイギリスやアメリカに留学する。英連邦の特権で、何もイギリスに行かなくとも通信教育でイギリスの大学の学位が取れる。貿易立国として英語が共通語と言うのは日本と比べてとても有利な気がする。ASEANのリーダとして、世界に対する影響力は日本以上かもしれない。クアラルンプールに来て見ると、日本の停滞の20年間の間にマレーシアが東南アジアに大きな影響力を持つようになった事が肌で感じられるのである。

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ペトラツィンタワーの下にある大きなショッピングセンター。二層ごとにフードコートがある。全てに客が入って懸命に昼飯を食べているのは壮観だ。


by katoujun2549 | 2014-08-14 15:54 | Comments(0)