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白鳥の郷 新潟



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 新発田の隣町に阿賀野市がある。ここには全国的に有名な、瓢湖という池がある。ラムサール条約で保護されている野鳥の楽園である。ここには4000羽を超える白鳥が毎年飛来する。この数はものすごい規模である。酒田、秋田や北海道などでも白鳥の飛来する所が各地にあるが、新潟には、鳥屋潟、福島潟、聖籠町の弁天潟といった湿地が多くあり、そこに来る白鳥の数は他所を遥かに凌ぐ。他県では大体数十羽だが、新潟では100羽単位で群れを作る。10月になるとシベリアやカムチャッカからV字型の編隊を作り、飛来してくる。新発田の上空を通過する。雄叫びのような白鳥の声に驚かされる。遠くシベリアから無事に越冬の地に到着した事に喜びの声をあげているのである。冬の間、白鳥は飛来してもそのような声は上げないから、やはり、日本に到着した時の歓喜の声なのだ。

 彼らは、体重が10キロを超え、渡り鳥としては鶴の次に大きな種である。雁とか、鴨より遥かに重たい体を広げると2m近い翼を使って懸命に飛ぶ。東京では皇居のお堀を優雅に泳いでいる姿しか見ない。これが、上空を飛んだり、朝になると5羽から10羽が多分家族なのだろうと思うが、群れをなして飛び立つ。体重が重いので、水面を足で駆けるように蹴りながら滑走しながら飛び立っていく。昼間は10km〜20km先の田で稲穂や湿原でマコモを好んで食べる。泥んこになって、白い羽が分からなくなるくらいに汚れるが、どこかで奇麗に掃除をして、もどって来る時は真っ白である。
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新幹線で新潟に近づくと広大な越後平野の田園が見えるが、その田んぼの中に、白鳥の群れを見る事が出来る。不思議な事に、示し合わせたように複数の群れが団体行動をとり、畝の中に収まっている。そして、どうも、隅々に見張り役がいて、危険を察知すると一斉に逃げてしまうという。カメラなども、露骨に接近すると逃げられてしまう。臆病でかつ用心深く、一度危険な目に合ったと思った所には二度と近寄らない。しかし、安全だと思うと、パン屑を撒く人に近寄ってくる。毎年、怪我などで瓢湖に居着いてしまった白鳥が数羽いるが、この白鳥にオイと声をかけるとウエッと答えてくれる。オイオイというとウエッウエッと答えるから不思議である。白鳥の生態は連中が用心深いせいもあり、あまり良く分かっていないようだ。しかし、つがいの鳥の仲が良くいつも一緒に行動する。灰色の羽を持ったのは子供でこれも家族単位で行動している。鳥同士の絆を感じさせる美しい姿であり、アベック飛行する比翼の姿も見る。
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 夕方になると、群れごとに一斉に干潟に戻ってくる。大体4時から5時で12月頃は暗くなるから、帰還するところを撮影するのは難しい。天気の都合で早く帰る時があるので、そのタイミングを狙うのである。戻ってくる時の姿は実に優雅だ。羽ばたく必要がないので滑空してくる。そして、バラバラにならずに、編隊のまま着水する事が多い。下には沢山の水鳥がいるが、その間を狙って、正確に着水するのである。翼の角度を立てて、水かきもブレーキとして使いながら見事に着水する。その姿はまるで、自衛隊のアクロバット飛行隊、ブルーインパルスが着陸するようなダイナミックな姿で感動する。

by katoujun2549 | 2013-02-15 12:25 | 国内政治 | Comments(0)