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誤解 その1 放射線は体にいい? ホルミシス効果

ホルミシス効果

原爆が広島や長崎に落されたとき、あと10年は草木が生えないと言われたが、翌年には花が咲いていた。毎日宇宙からは放射線が降り注いでいる。大体原爆症訴訟などの原告は、皆70歳過ぎている。そこまで、生きて来た人が何で原爆症なのだ。むしろ、多少の放射能は体にいいんじゃないか。ホルミシス効果というのがある。多少の放射線は体を活性化する。この話は、昔、むつ小川原の原子力廃棄物処理場を見学に行った時に耳にしたことで、原子力関係者はこんな理論を自分達の仕事を正当化する為に信じていることに驚いたもの。


http://sci-tech.jugem.jp/?eid=224にこのことへの見解が書かれているのでご紹介する。

大阪大学の近藤宗平名誉教授は、原爆で被爆した日本人を対象に、死亡リスクについての調査したことがあります。近藤名誉教授の調査結果では、例えば、長崎で被爆した男性の場合、被爆の線量が55〜99センチグレイでは、がん以外の病気での1970年〜1988年での死亡危険度が、明らかに100%より低くなっているというデータがあるそうです。「グレイ」とは、放射線が物体を通過するときに1キログラムあたり1ジュールのエネルギーを与えることを示す値。「センチ」がつく「センチグレイ」は「グレイ」の100分の1となります。

原爆の被爆者の半数が死亡するとされる線量は、0〜450センチグレイ以上といわれ、実際に長崎・広島の被爆者は、このような線量を受けました。通常、人が自然界の放射性物質から1年間に浴びる線量は0.3センチグレイといわれています。

つまり、近藤名誉教授の調査結果によれば、1年間に通常浴びる線量の300倍を被爆したとしても、かえってそれは、がん以外の死亡危険度は少なくなるということになります。
予想されるように、この結果に対しては反論もあります。

米国の物理学者ロバート・アーリック教授は、「特殊な選択をおこなわないかぎり、そのような効果は見られない」と言います。例えば、女性に関するデータ、がんによる死亡についてのデータ、1970年〜1988年以外の年における死亡データを調べると、50〜99センチグレイの線量での死亡危険度はむしろ増していると主張。「全データのうちから一組の部分データを選び出すという統計学的な誤り」は「データを『料理する』と呼ばれる」と、近藤名誉教授を批判しています。

ところで、「生物に対して害のあるものも、少しの量ならば逆によい作用を示す」ことを「ホルミシス効果」といいます。米国のトマス・ラッキー博士が1982年に発表した考えです。語源は「ホルモン」とおなじで、「刺激する」というギリシャ語の“horme”から来ています。

近藤名誉教授もこのホルミシス効果を支持する学者の一人。実際に、近藤名誉教授の調査ではありませんが、日本の被爆者は、他の日本人の死亡率と比較すると、実際には長生きをしているという統計も存在するそうです。けれども、こうした「被爆者長寿説」にも反論があります。戦争や原爆被害をなんとか生き延びた人々は、からだがより屈強で健康だったため、長生きをしているという「健康な生存者効果説」です。

何万人という人が原爆症で亡くなり、後遺症に苦しんだことを何故か忘れて、偶然長生きした人だけに焦点を当てて理屈を構築した後出しジャンケン的なインチキ理論であろう。放射能は体に害があるという通説に異論をはさむ理屈を構成する為に、都合の良いデータを集めバイアスをかけている。ホメオパシーと同様なエセ科学ではないだろうか。


by katoujun2549 | 2011-06-18 14:30 | 医療介護福祉 | Comments(0)