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非科学的な東京電力

 海洋投棄される放射能汚染水の影響以前に、すでに、コウナゴといった小魚からセシウムなどの基準値を超える放射性物質が検出された。大津漁協によると、このコウナゴは4日に大津港の沖合20〜30メートル地点で捕獲したもの。北茨城市の平潟漁協では、1日にとれたコウナゴから4080ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたが、同漁協から南に位置する大津漁協のコウナゴの放射性ヨウ素は1700ベクレルだった。基準値は500ベクレル。枝野官房長官の記者会見でも海洋に置ける影響の質問があったが、官房長官は答えず、問題ないようなそぶりであった。今後調査を進めるくらい言えばいいのだが。とにかく、原発に関しては分かっていても情報を小出しにして来た。そこが、政府発表に対する不信感になっている。あるいは分からないことを自信が無いから隠そうとした結果なのだろうか。自分は新聞記者より知っているとでも言いたいのか、格好つけてんの。汚染水を放出前からこんな状態という事は、既に、ピットの亀裂から汚染水がしみ出し、コウナゴの汚染になったのだろうか。これを大量に放出したら影響無い分けないだろう。

 東京電力は海洋投棄分は拡散されて問題ないという。こうした物の言い方は、昔から電力会社お得意の巻で、自分に都合の悪い事は問題ないという癖がある。何らの科学的根拠が無い発言であると思って良い。フランスの原子力安全研究所(IRSN)からは、水に溶けた分は拡散するが、微粒子の形で海中にとどまる物質は海底に沈み、長期間汚染が続く可能性があるとした。特にセシウム134は数年、セシウム137は約30年にわたって海中にとどまるとして「沈殿が疑われる日本の海岸地域では、長期にわたる調査が必要だ」と指摘している。海外の権威からはそのような情報が流れ、当のご本人は知らぬ存ぜぬ。この姿勢は昔からのこと。連中の習性ともいえる。民間企業だから、会社を守ろうという意識がそうさせているのだろう。しかし、こと原発事故については一企業の問題ではすまされない。東京電力は原発内の蒸気を抜く作業を、自分達だけでやろうとして、2度も爆破させてしまった。今回の程度はチェルノブイリとは同じではない、安全は確保されているというが、実際は仮に、規模はチェルノブイリの四分の1でも、原発4基がだめになったのだから、それを4倍すると同じことではないか。フランスの原子力安全委員会は「福島の原発事故は、国際原子力事象評価尺度(INES)で、レベル6に達する可能性もある」との見方を示した。チェルノブイリがレベル7、世界中が固唾を呑んで見守っている。シロオトの山勘と大して違わないのだ。マスコミも含めて国民を舐めてもらっては困る。

 ソ連とは同じではないと強調するのも政治的意図としか思えない。これも原発関係者からすると、専門家の皆様はそれぞれの破損の程度とか、「科学的に」計量しないと分からないとか、そのときばかりは、えらく科学的になるのだ。少ない被害、少ない影響のデーター、自分に都合の良い情報しか耳を傾けず、国民を騙そうとするのは過去の大本営と全く同じではないか。この不思議なメタリティに世界も驚く事だろう。チェルノブイリのときだって、最初は死者の数も
少なかったが、結局40人以上が作業の被ばくでなくなってしまった。日本だってこれから分からない。

by katoujun2549 | 2011-04-06 10:35 | 医療介護福祉 | Comments(0)