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なぜ人は砂漠で溺死するのか?ー死体の行動分析学ーメディアファクトリー新書 高木徹也著

1.法医学と監察医の不足

高木氏は専門家として法医学の重要性を訴えている。とにかく、東京23区では5人に一人は畳(ベッド)の上で死んでいない。人間の死は予期することが出来ないことが多い。ましてや殺人や、自殺というのは思いがけない時におきる事件である。日本には法医学専門家はきわめて少ない。本当は殺人であっても闇に葬られる事例は多々ある。それは日本に司法解剖できる医師が150人しかおらず、経済的にも恵まれないため増えないという単純な理由からだそうだ。埼玉で車の中での練炭自殺が女性による他殺であった可能性が高い事件があった。これは胃中に睡眠導入剤が入っていたことが解剖で分った為に発覚した。その前に東京で起きた他のケースでは自殺とされて解剖されないまま葬られてしまった。そうした事例別に現代における異常死の実態が語られる。

2.毎年2割は畳の上で死んでいない

 2008年東京都23区で亡くなった方は6万8011人であったが、そのうち異常死は12,989人、全死亡者の19%にのぼる。厚労省では09年で13%が異常死で届けがあった分で、実はそれ以外の地域は検査医が不足し、うやむやになっている。東京都は厳密に行なっているから、全国的には大体2割以上であろう。自殺も途中で発見されて病院で死亡するケースが死者と同数位3万人いると言われている。日本は世界でダントツの自殺大国だ。2,661人が行政解剖されている。実は我が国で全ての死因究明がなされ判定されているのは東京都がトップで他の地域はかなり曖昧なのだそうだ。異常死された方の69.1%が病死、事故死8.6%、自殺15.3%、他殺(司法解剖)2.1%、その他も大体7割が後で病死であることがわかる。平成20年に東京都で自殺した人は1,981人で一番多い方法が縊死1,084人だ。次が飛び降り386人中毒174人交通機関101人と続く。電車に飛び込む人は何だか最近多いように思うが、数としてはそれほどではないのだ。人騒がせなだけで、中央線では月に1回くらい飛び込みで電車がストップして混乱している。他にJRでは山手、京浜東北、東海道、総武線などだが、他の私鉄10路線を入れて2ヶ月に1〜2回でそんな数になるだろう。

3.人間どこで、どんな風に亡くなっているか

2009年サウジアラビア ジェッダの洪水
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 人間どこで死ぬか分らない。サウジアラビアでは砂漠では渇きによる事故死はそれほどなく、むしろ溺死が多いのだ。確かに、昨年ジェッダで洪水があり、106人も亡くなっている。えっそんな場所で?というようなことがある。日本では風呂場での溺死が多い。もっとも、溺死というより、入浴中に虚血性心疾患や脳疾患になったケースが殆どであるが、特に危険なのが飲酒後に風呂に入ることなのだ。交通事故よりはるかに多い人数である。交通事故、火事等の事故死、登山、今年の熱中症、脳出血や心筋梗塞による突然死、老人に多い誤嚥、海や川での溺死、様々な方法での自殺など、場所と方法は極めてバラエティに富んでいる。彼の話では、最も悲惨なのは最近増えた練炭とか、硫化水素による中毒死だそうだ。遺体は変色し、練炭の場合は腐敗が酷く、硫化水素の場合は超人ハルクのような緑色の腐乱死体のようになるんだとか。そんなケースがこの本には網羅されている。

4.寂しい死に方

 腹上死とか、自慰行為中に突然死することも意外と多いのだ。昔、博多の中州にある河太郎という料亭に出張するとよく行っていたが、これはソープ街のそばで、2時間程いると必ずといってよいほど救急車が来ていた。ピーポピーポという音が聞こえてくると、仲居さんが、あれ、またですよといっていた。歌舞伎町のビデオボックスで死ぬ人はかなりいるんだそうで、その多くは50歳代。そう言えば、昔、宮内庁の侍従だった方がソープで腹上死している。あの渡辺淳一の小説、失楽園にあるように合体したまま硬直することはあり得ず、都市伝説の一つということである。

by katoujun2549 | 2015-01-28 13:14 | Comments(0)