特攻の悲劇
特攻は自発性という虚構をもとに多くの下士官を犠牲にしながら、その責任にあたる隊長は殆ど出撃していない。口では後に自分も続くと言っておきながらである。特攻というのは開戦時から既に海軍では特殊潜航艇や回天の設計等始まっており、特攻が軍内部で組織的に準備され、軍部内で責任を逃れる謀略も行なわれていたことは明らかである。特攻での戦死者は殆どが学徒兵であり、職業軍人は極めて少ない。こうした戦略のシステムを誰が、どのように構築したかを明らかにしなければ、戦死者の霊は報われないだろうと思う。また、8月15日がやってくる。この日は敗戦の日である。そこでの犠牲者である国民、特に特攻隊員の冥福を祈る日でもある。