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ソセゴンとアブラキサン

 ソセゴン中毒というのがある。最近、酒井法子の覚せい剤中毒は有名で、当然これを使ったり、所持していると逮捕される。だが、このソセゴン中毒というのは病院特有のもので、犯罪にはならないらしい。というのは、ソセゴンは、何かの怪我とか、痛みを伴う症状の病気で救急治療を受けたときに鎮痛剤として良く使われ、点滴や注射されると、頭がもうろうとして来て、気持ちが良くなる。これに味を占めて、何も悪くないのに、痛いという症状を訴えて診察に来る患者がいる。麻薬ではないがオピオイド系の鎮痛剤だ。何も悪くないのに、医師は痛いというので仕方が無いのでソセゴンを射ってしまうと、又別の日に来る。これは中毒だなと思って医師が断ると、患者も何かかんかと言って鎮痛剤を要求する。友達の医者は生理的食塩水を注射してやったら、効かない筈なのに、気持ち良さそうになったのに驚いたそうだ。いわゆるプラセーボ効果ということだ。何度か来ると医者も分かるから断ったりすると、今度は別の病院に行って、やたら痛くてたまらん何とかしてくれと注射されるように仕向ける。こうなると医者は一種の加害者、患者は完全に中毒。そんな輩がいるんですね。鎮痛剤といえばオキシコンチンやフェンタニールなど非麻薬系の進歩は近年急速である。病気というのは完治は難しいが、延命効果や痛みを抑える技術はとても早く進歩しつつあり心強い。
 最近、アブラキサンという乳癌の抗がん剤が期待されている。Ⅲ期の患者に使われるから、効果は30%位らしいが、まだ未承認だ。パクリタキセル系でタキソテール、タキソールのように副作用の強い溶剤や点滴チューブに特殊なものを使わなくて済むらしい。最近分子標的型抗がん剤ラバチニブが承認され、HER2陽性の患者にはハーセプチンの次に使える薬として朗報である。末期がんの特効薬アバスチンの乳癌適用は未だなされていない。欧米では適用されているのに、日本では大腸がんだけである。価格が高く、保険財政上の問題だろうか。効いても2年が限度だろうか。これを使う時が来ないように願う。出来るだけ、使いたくない薬ではある。乳癌の化学療法は特に進歩が著しい。この5年間のうちに進行性の患者でも10年くらい延命できるケースが出るだろう。となれば、日頃ピンピンしていて、突然脳梗塞や心疾患であの世行きになったり、半身不随になるよりも、健康に注意しながら天寿を全うすることになるのではないだろうか

by katoujun2549 | 2009-09-20 00:59 | 医療介護福祉 | Comments(0)