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カザフスタン映画とオーストラリア

1.オーストラリア
 ニコールキッドマンのオーストラリアという長編を見た。風と共に去りぬの豪州版。構成が全く同じなんだから嫌になる。勿論ストーリーは違うのだが、人物の組み合わせはほとんど同じでキッドマンがビビアンリー、レッドバトラーみたいなタフガイと黒人の代わりがアボリジニ、北軍は日本軍という対比が出来る組み合わせ。おまけに炎上シーンはポートダーウィン空襲なんですね。それにしても日本軍がドイツ軍並みに強いのは嬉しい。一種の反日映画であり、また、アボリジニに対する懺悔を表したもの。我々には日本軍はガダルカナル以降のボロボロになった姿しか印象に無い。まともな戦闘が出来たのは硫黄島だけで、後は殆ど屠殺されたか、日干しになった。実に悔しい限りだ。だから連中に恐怖感を与える日本軍は実に頼もしい感じだった。
 「太平洋戦争中の1942年2月19日に、ダーウィンは二度にわたり、242機の日本軍艦載機を主力とする部隊に爆撃を受けた。この爆撃で使用された爆弾の数はおそらく真珠湾の時よりも多かったと考えられ、ダーウィンの歴史を考える上で欠かせない事件である(日本のオーストラリア空襲Wikipediaによる)。この攻撃によって少なくとも243人が死亡し、街は大きな損害を被るなど、当時のオーストラリアにとって最も深刻な事件であった。」やはり、映画の通り大変な損害だった事が分かる。ポートモレスビー攻略は太平洋戦争初期の戦況では連合艦隊もあり、オーストラリア軍は主力が北アフリカ戦線に投入されたため、手薄であったからチャンスだった。しかし、ミッドウエーとガダルカナルにこだわったため、進攻の力は尽きていた。仮に占領してもニューギニアでもそうだが、物資を焼却して撤退される日本軍はオーストラリアでも日干しになっていただろう。

2.カザフスタン映画レッドウオーリアー
 もう一本はカザフスタン映画レッドウオーリアー。何故レッドなのかよく分からなかった。カザフスタン映画を見た。民族叙事詩といった感じで、カザフの王子がジュンガルハーンに捕らえられ、脱出、攻撃に対し部族の団結により撃退する話。攻城戦などのヤマ場など映画の出来は今ひとつ盛り上がりを欠いた作品だが、とにかくカザフスタンの大平原と馬の疾走、馬、馬、平原、平原の連続が凄い。木が生えてない。捕虜を馬裂きの刑なんかにするところが妙にリアルなんで変だが、俳優の顔立ちのせいか、悲しいはずのシーンが少しも悲しくならない。また、盛り上がったところもあまりにも馴染みの無い群衆の顔立ちのせいか、盛り上がらない。カザフスタンの人は感動するのでしょうね。とはいえ、カザフという「民族」のアイデンティティーをどの辺りに置いているのかと実感できる点でも興味深い映画だ。国策映画っぽい内容、主役級の人たちがどう頑張ってみてもアメリカ人にしか見えない(クノ・ベッカーはメキシコ人)のがとても不思議だった。昔はロシアの支配下だったのが、今はアメリカ寄りなのですね。変化を実感した。カザフスタンが、「正しいカザフとはこうだッ!!!」とアメリカ人に教え諭すために、アメリカ人にも受け入れ易い顔の人を起用したって事なのかな。女優は眉毛が濃くて赤いほっぺだし、朝青龍みたいな顔がアチコチに脇役に沢山いる変な雰囲気に圧倒される。
 あの位置で米国との密接性アピールは重要。この国の地政学的、地理学的、地質学的、鉱物資源学的に実に絶妙なコンビネーション。ロシアに一方的に首を絞められないよう、エネルギー資源輸出の窓口を各方面に確保して、露米中の鼻面引き回してバランスを取りつつTVゲームしてる感じだ。その様な対応が可能なのも、ナゼルバエフという冷徹な絶対独裁者を戴いているから。毎年、青年将校数十人を米国留学させていて米軍とのパイプも太い(なお、カスピ海があるので中央アジアなのに沿岸警備隊あり、USCGからも技術指導・援助を受けている)。アフガニスタン戦線への補給の要石、ウズベキスタンが既に駄目、残るキルギスタンのマナス空軍基地もステイタス脆弱(09年2月180日以内閉鎖が国会決議されたが、6月に基地使用料4倍にして一転継続契約!)なので米国もますますこの国の安定性を重要視せざるを得ない。カザフは商売上手、怖いものなし?
by katoujun2549 | 2009-08-28 14:00 | 映画 | Comments(0)