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ユーロ危機と超円高恐慌 日経プレミアシリーズ  岩田規久男著

 円高、ドル安、そして我が国のデフレ。これが世界のなかで、きちんと語られているだろうか。日本のデフレに対する政府と日銀の対応は果して効果は上がっているのだろうか。さらにドル安はドルの基軸通貨としての価値が失われる危機をもたらしたのだろうか。そうした疑問に答えてくれるのが、本書である。ギリシャの金融危機がユーロ安と金融収縮、経済の停滞を招いている。欧州金融ファシリティ、欧州中央銀行の機能とは何かについて分かり易く解説してくれる。EUとアメリカは金融収縮による企業の衰退やデフレを警戒し、3〜4%のインフレ目標をもって経済運営している。では、日本はどうだろうか。デフレから抜け出せず、日銀は金融政策による経済活性化をしようとしない。

 本書では通貨に関する基本知識を新書で説明することにかなり分量を割いているのであれもこれもになっているが、結局、彼の主張は日本は2~3%程度のインフレ容認策で、日銀は貨幣供給を増やせと言っているわけで、目新しいものはない。この1年野党が言い続けていることである。デフレ対策に大きな影響があるのが、今後、迷惑垂れ流しで世界を汚染する中国と元の行方である。共産党の支配する一党独裁国家は民主国家を越えるのだろうか。また、消費税、さらには税と社会保障の一体改革がどこまでできるかだ。ココまでアホな政党による改革はかえって病状を悪化するだけだ。底辺層へのバラマキと、一番の問題である中間層や、若者への支援が全くないという。震災復興も政府やマスコミが言っている事と現実の差が激しい。デフレ脱出の目標がが分っていない。

 中国は元高を避けようとドルを買い、元を売ってアメリカ国債を買い続けてインフレや土地バブルなど資産高となった。しかし、金融引き締めについては昨年金利を上げたが、それ以上は行なおうとしない。金融を引き締め元高になると、バブルは崩壊、中国の輸出は打撃を受け、海外の資金が流入する。経済不況が中国経済を襲うだろう。投資マネーが国内に溢れ、金利が上がり、資金の行き場が無くなって産業が活性化しないのに、かつての日本のプラザ合意以後のバブルのように土地が高騰したりする。元の切り上げをしないように中国は懸命に外交努力を続け、EUの支持を得ようと金融支援を行なう。

 最大の輸出国、米国の金融政策が固定相場の為に機能しない。結局アメリカ経済の悪化が中国の輸出に影響し、中国のバブルは崩壊する。中国も変動相場制に移行すべきというのが筆者の考えである。
 共産党独裁政権という実態をどう考えるかだ。この視点が中国を考える場合見落とせない。中国は史上初めて登場した国家と党、企業が一体となった構造を持つ国だ。彼等は貿易黒字で溜ったドルを使って軍備を拡充することを考えるだろう。海外からハイテク機器を買って軍事に活用する。これを使って周辺諸国を恫喝し、アフリカや北朝鮮を軍事支援し、資源確保を企んでいる。彼等は、手段を選ばない。国民が不平等であろうと共産党が維持出来ればいい。3,000万人が餓死しても平気な国。北朝鮮が中国に支えられているのは政体が同じだからだ。恐ろしい国だということを民主党の小澤や鳩山は分っていない。中国のスーパーコンピューターは何に使われているのだろうか。宇宙開発やハッカー、軍事利用に違い無い。流石に餓死や粛清は無くなった。これは鄧小平の功績だ。国民の所得や生活格差などは昔より生活が向上すればそれで国民は抑えられると共産党政権は考えているのだろう。

 ドルが基軸通貨としての権威を昔のようには持っていないかもしれないが、今日も尚、安定通貨としての価値を失った訳ではない。ただ、日本円だけが、ドルに対して極端なドル高なのである。ユーロ危機において、各国はドルに回帰していることが、著者の数値データで示された。ドルはもう終わりという訳ではない。また、アメリカ経済はリーマンショック後巧みな金融政策を行ない、経済は回復しつつあるが、10%近い失業率の回復は遅々としている。国内製造業の復興が課題という事である。

 著者は,日本のデフレと円高の原因が、日銀の金融政策にあるという。日本も3〜4%のインフレ目標を持つべきであり、マネーサプライを増やすことを提言している。しかし、日本のデフレの原因が、社会保障費の増大と、若年労働力の減少などの金融政策を越えた課題を持っている以上、そうした構造改革を並行して断行しなければデフレからの脱出はできない。消費税を5%上げて、GDPが下落し、税と社会保障の一体改革の中身がガタガタだったらデフレも止まらない。TPPで貿易収支が向上しなければ円高メリットも消える。マイナスだらけでは金融政策という治療も効果がない。また、日本のように政治の意思決定が遅く、日銀の対応の硬直した感じからするとインフレを金融政策でコントロールする力がどれだけあるかである。目ざとい政治家がマネーに群がる姿が目に浮かぶ。彼らは選挙の事しか目がないからだ。それを目の当たりにしている日銀はなかなかインフレ政策を取らない。また、円高により国際競争力が低下しては産業の活性化も望めない。特に東日本震災復興による経済活力の再建が急務である。これをバネにイノベーションによる日本製品の国際競争力がどこまでついて来るかが今後の鍵である。


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 我が国の経済政策においてはTPPよりデフレ対策が先だということは中野剛志氏がTPP亡国論で述べているが、デフレの解決はもっと大変な事で、これが出来なければダメという論理なら一歩も進められなくなってしまうだろう。何か運ぼうとするときに、右手を使うか左手を使うか議論する人はいない。実行する人が状況に応じて判断出来るかどうかである。そもそも、次元が違う話なのではないだろうか。敢えて言えばこれも例えだが、デフレに大震災復興を家族の病気になぞらえ、TPPは大変な問題を家で抱えているのに、カミさんの反対を押し切って、ゴルフ大会に出かけた亭主=政府だろうか。いや、逆に、いくら家庭に問題があっても、営業マンは仕事の一つである忘年会に出かけなければならない。これを出かける間際になって、大騒ぎする我が儘な女房=反対派では出世出来ない。孤立を恐れている政府はその理由を納得させるにはやはり説得を尽くすしか無い。

 我が国のデフレを解決出来たら、それこそ世界経済においては画期的な事件であり、それほど大きな問題である。各国は我が国を模範とするだろう。未来を考えれば、市場を開放し、国際競争力を強化する道を模索するしかない。未来を見れば保護貿易という選択肢はないのだ。とにかく、この議論は共通の土俵がないまま場外乱闘が続いている。自分は、中野氏は確かに正論を吐いているが、どうも彼の出身と、あのヒネクレた顔つきが気に食わない。何事も理路整然と反対して人の妨害をしたりする割には何もしない、嫌な男ではないか。

 問題は、市場競争と国際金融情勢もデフレの原因である。TPPにおいて我が国の国内事情はその効果を考えねばならないからことは複雑だ。TPPによって海外の労働力や海外移転した企業からの安価な商品の流入はデフレを加速する。競争原理は、下降するときも、上昇する時もその速度を押し上げる効果がある。適正な競争を調整する機能があればいいのだが、それを資本主義経済はまだ見出していない。このことも認識しなければならない。要は行くも地獄、残るも地獄だ。ただ止まっていると、いつか周辺国の狙い撃ちに会い自滅するのであるから、座して死を待つよりは何とか脱出口を探さねばならない。その一環がTPPであると考えたらどうだろうか。

 TPPはこれまで、WTO・GATOのウルグゥアイラウンドやASEANといった国際的な経済協定の流れの中にある。ここにおける我が国のこれまでの主導的な立場とか、集団的な国際交渉の場における我が国の国際的な地位と信用に関わることである。我が国の米作生産が全て失われても1兆7,000億円くらいで、これは、大企業が一つ倒産した程のものである。それに引き換、自動車産業が壊滅したらそれどころの規模ではない。波及効果が巨大なのである。

 TPPに反対する東大の農業政策の教授は一向にこの問題に答えずに農業保護ばかりを叫んでいる。これまで無策だった農業政策を続けろというのだろうか。一方、米作農家の一部は廃業を余儀なくされるだろうが、国民に米を供給している20%の専業農家はおそらく生き残るだろう。今、彼等は懸命の努力を続け、黒字である。問題は兼業農家であって、おそらくは、家族の半分が企業、特に製造業や販売業であって、TPPの恩恵を受ける人達である。また、米作を放棄した農家に対しては米作以外の作物や新しい品種の米、インディカ米、おせんべいや漬け物など、都市の消費者を対象とする多様な商品作物を指導する必要があり、それはまさに農業政策である。そもそも、デフレ対策に対する認識が、金融政策をターゲットにして、紙幣を増刷する人工的インフレを起すことが解決策であるかのような錯覚はあまりにも短絡的である。これによって潤うのは一部の不動産業者とか、投資家である。国の経済を正しい方向に導く議論ではない。

 そもそも、日本のデフレは金融政策だけが原因ではない。円高はドルの基軸通貨としての価値が低下し続けることから来ていて、これはアフガン戦争や湾岸戦争の過剰な国庫支出が最大の原因である。アメリカの財務体質の疲弊から端を発し、赤字の貿易収支が最大の原因である。貿易収支の赤字は、サービス収支の黒字を大きく上回り、利子や配当の支払いも加えた経常収支は大きな赤字となっている。アメリカの経常収支赤字は、裏返しでアジア諸国や欧州諸国の経常黒字となっており、それらの国々からアメリカへ資本が還流している。原因は日本ではないから始末が悪い。米国債の大量保有など、政治的な放漫も円高の原因となっている。

 アメリカがアフガンやイラクから撤退しつつある中、新しいパワーが必ず生まれて来る。これを日本を含むアジアの発展に結びつける役割が我が国の外交政策にある。こうした原因に関する歴史評価からはじまり、我が国がデフレを起こした原因が円高であり、企業の海外展開と産業の空洞化を原因としていることへの正しい認識。これが単なる金融政策では解決出来ないレベルである事。小泉政権時代の市場主義的政策の誤りへの反省も必要である。我が国の若者を苦しめる派遣労働者の低賃金は彼等が未来の産業を支えて行く人材であることを無視している。大学卒は今や58%を越えた。かつての長期雇用は大学のみならず、企業の長期的な人材育成のなかで、安定した雇用を前提に経営を支えて来た。これが何とも心もとない状態だ。今後は女性の雇用や活用、高齢者の再就職など今後の企業経営に貢献する方向をきちんと整備すべきである。派遣や低賃金が都合がよいからと言って、企業がこぞっておなじことをやったら、若者の消費は増えず、需給ギャップは拡大する。若者をもっと育てなければならない。日本企業の美点を見直そうではないか。年金支給年齢の延長が高齢者雇用を必要とし、それが若者の雇用を奪うといった米倉老人のボケ解釈はあまりにも無策を絵に描いたようなもので、そんな経営者でしかない指導者が日本経団連のトップであることが問題である。雇用問題と国内消費の復活をもたらす需給ギャップの解消こそこそデフレ脱出の出発点なのだ。そんなに若者の雇用が大切なら、自分が真っ先に引退することではないか。今のような経済危機下にボケ老人のリーダーは必要ない。
 
 今、日本が地勢的な戦略をもって世界経済にどのような政策を選択するかということと、国内的な事情を優先させようとすることと正面衝突させることは政策意思決定を曖昧にしてしまう。ブータン国王のレセプションに欠席した防衛大臣を問責す時間があるのだろうか。ここに野田政権の政治指導力が評価されるであろう。とにかく、何か意思決定や行動を起す度に、それとは無縁な個人批判などの足がらみとか、背中から殴りつけるような無責任な野党の攻撃は、結局は野党の価値を自から低くする自滅的行動である。

 政府の政策がいかなるものか。次期主力戦闘機(FX)の選定を例にとって考えてみるのもよいだろう。最も性能の高いF35が有力だが、一機50億円以上で価格も上がる可能性のあるF35は今の日本には単なる贅沢品だ。ところが、政府はこれを買いたくて仕方がないらしい。どうも、アメリカの圧力をこれで躱そうというのだ。F35は垂直離陸の出来る優れものだが、日本はその機能を付けるkとが出来ない。攻撃性に重点があるのがアメリカの兵器だからである。これを買えば日本は不要な機能を買うのに莫大な出費を強いられる。アメリカは喜ぶだろうが、我が国の防衛産業の未来を考えるとユーロファイターの方が現実的である。製造過程に秘密が多く、国内生産出来る部分が少ないF35に比べてユーロファイターはライセンス生産が可能である。この部品を武器輸出三原則の枠から除外して、我国が武器輸出国となることも可能なのである。先は最新の技術を我が国が学び、将来はF35を越える国産戦闘機を生産する能力を身につけることも可能なのである。そもそも、我が国が必要なものは攻撃機ではなく、数も必要とする迎撃機である。ステルス性は攻撃時に価値がある。
 合理的判断が何処まで出来るのか。高価な戦闘機を買って購入先に見返りを得ることができるか。最大の高額商品の購入者が政治的に発注力を背景に国益にかなった有利な外交が出来るのか。

 日本が控えている課題はTPPだけではない。EUの金融支援問題もある。ただの紙切れになる危険性のあるEUの金融支援は避けて、ユーロファイターを買う事にしたらどうだろうか。波及効果は多きいのである。何も、戦争をすることはない時に買う高額兵器なのだから、せいぜい外交的な切り札に活用すべきだ。米の自由化をアメリカが強要するならばF35を買わないことで、アメリカに一矢報いればいい。本来はTPPの内容で処して行けばいいのに、どうもアメリカの攻撃を避ける為にMXで調整しようとしている。国防という大事な要素における選択と、貿易はは区別しなければならないとは思うが背に腹は代えられない。野田総理がそうしたしたたかな知恵のある人物とは到底思えない。

 何故、TPPの話から急にFXに話が転じたかというと、日本政府は、苦し紛れに、米を守る為に、アメリカのF35を買おうとする恐れがある。これこそ、官僚が考えそうなトリックだ。我が国にとって大して意味の無い、高額商品を買い、アメリカのご機嫌を取ろうとする姑息な考えだ。先はTPPの例外を交渉で勝ち取り、アメリカが喉から手が出るFXをちらつかせるのは止めるべきだ。米作の保護を勝ち取る代りに、この圧力を躱す為にF35が急上昇している。FXを年内に決めることはない。先に決めてしまえば、アメリカは、FX、米と畜産の全面自由化と3連覇を狙っている。さきほどのFXを交渉材料という手段は禁じ手であるという意見と矛盾しているようだが、国防と農業を合わせてはアメリカは考えてこない。むしろ対中国軍事作戦上は、アメリカが沢山持つであろうF35よりは、別の特性をもった機種があった方が対応を難しくする。米軍はそこは良くわかるから、何もF35を強要することはない。F35購入を敢えて誘発するような交渉はダメだと思う。自分は、FXは先延ばしにして農業にけりを付けたらアメリカのF35ではなく、ユーロファイターを買い、畜産を放棄することが落着点だと言いたいのだ。日本の自衛隊はこのF35が欲しくて仕方がない。それはぐうたらなおボッチャマがスポーツカーをほしがっているようなことなのである。

 

 
 
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日本銀行が行なう金融政策は①公定歩合の引き上げ引き下げ、②債権・手形市場での売買(公開市場操作】③預金準備率の引き上げ、引き下げである。
①の公定歩合については1994年に金利が自由化され、民間金融機関同士の金の貸し借り(コール市場)が出来るようになり、今日では公定歩合という呼び方も聞かれなくなり、長期金利、短期金利の相場が問題となるようになった。だから、日銀の金利コントロール手段は②の公開市場操作であり、これによって民間金融機関の国債を売買し、銀行の当座勘定などの手持ちの現金を増減して、コール市場の資金需要が減れば金利が低下することができる。買いオペである。それによって金利を下げ、金融緩和とデフレ対策を行なうことが出来る。その逆が売りオペである。2000年8月まで、日銀は0金利政策を行なって来たが、誘導金利をを0.25%とした。③の預金準備率の引き下げ引き下げはは今日あまり行なわれない。預金準備率の引き下げは金融緩和になる。日銀の当座残高と世の中に出回っている現金の合計であるハイパワードマネーは85兆円を前後し、08年以来実質金利が1%を超えている。
 一方円高に対応して、為替介入が行なわれた。03年20兆円を越えるドル買い円売り介入が行なわれた。これは財務大臣が管轄する外国為替資金特別会計である。ドル買い介入の資金はFB(政府短期証券)であり、これで円資金を調達、これでドルを買う。1999年までは日銀が引き受けていたFBがハイパワードマネーを増加させて来た。ところが、2000年からFBは完全入札により市中消化されるKとになったため、FB発行後為替介入してもハイパワードマネーは増加しない。日銀は新たに買いオペをするまで円は供給されない。日銀は買いオペをしたければ「介入は不胎化」し金融緩和効果はない。これを日銀は行なわなかった。日銀はデフレを放置したのだ。
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 今こそ、政治と財務官僚、日銀が一体になり、世界的デフレに対する我が国らしい金融政策、さらには貿易政策、産業政策、国防、教育・研究といった全ての国策を動員すべき時代になった。これまで、東西冷戦の中で自主的な判断は不要だった。かつての岸や池田の自信や使命感溢れる政治はアメリカのバックアップあってのこと。アメリカは日本を競争相手と全く思っていなかった時代の話。読み始めた「通貨で読み解く世界経済(中公新書)小林正宏、中林伸一」
は公平な感じがする。デフレの要因についても我々の感覚に近い。この問題は国債金融とマクロ経済の基礎がないと議論にはならない。これから、少しづつ勉強するということになるが、勉強するだけでなく、今ある知識でも自分なりの見解を持っていなければならない話だと思う。
 デフレは確かに複雑だが、それだけに手順が大切だ。日本として、世界に誇れるポリシーを見せてもらいたい。ITも手段の一つだが、何もかも同時には出来ない。二律背反、トリレンマ的な課題もある。金融の独立性と資本移動、為替の変動性維持といったことは一度に実現しない。福祉の充実と財政再建もそうだ。だからこそ、ロードマップとかシステムという概念が必要だが、これを議論したり仕組みをつくるのは日本人は極めて苦手。話が抽象的、総花的になってしまう。問題解決のためにはターゲットを明確にしなければならないのに、逆に問題を拡散してしまう。一つの手段を選択したら、その後の影響や次の手をきちんと役割分担しなければかえって病状は悪化する。何事も副作用があるし、次の手が必要。それらを政府と官僚、日銀がそれぞれ分担しているが、反目しているようじゃ上手く行かない。
まさに政治のリーダーシップの問題だが、昨日の国会みていても到底無理という感じ。公明党の下らない質問にもあきれかえった。アメリカは日本と違って、確かに移民労働力が成長の原動力になるが、一方ではアフガニスタン戦費や国防費の肥大が国家資産をどんどん蝕んでいるから、これも、金融政策だけで乗り切れるものではない。大きな枠組みを無視してミクロな話にするのは短期的な政局や現実的な対応として為政者はやむを得ないこともあるだろう。が、我々のような国民レベルでは、全体の中で冷静な判断をしている人が結構多いということだ。これは自然現象ではなく,誰かの責任のもとに行なわれている。ここを人の良い日本人はすぐに忘れる。鳩山が炭酸ガス25%削減と言って、もうドロンだ。

 8月15日が近づいて来た。大戦末期の日本軍は特攻という戦術をとった。この犠牲者が今の日本を築いたというは詭弁だ。当初は米軍も特攻に手を焼き、相当の被害が出た。これをアメリカは隠そうとしたがる。アメリカ軍には恐怖だったが,逆に迎え撃つ米兵は、こうした行為を卑怯な行為と見て、日本人を蔑視したのだ。決して尊敬した訳ではない。特攻というのは単に瀬島龍三の言う自発性から生まれたものではない。彼の建前の話で言い抜こうとする責任回避もそうとうなものだ。あのような参謀が日本を滅ぼしたのだなあと思う。特攻の犠牲者は学徒兵に集中している。さらに元山航空隊長は「俺も後に続く」と言って特攻兵に訓示をしておきながら、終戦の直前にさっさと逃亡したような奴。この手の話は満州や南方でも数多だ。特攻は軍部が自らの責任回避も含めた開戦前から検討されていた犯罪行為だという認識。これも、帝国憲法の欠陥にまで遡る根の深い話だということがわかって来た。日本の政府や官僚というものが、大戦前の思考方法からあまり出ていないという意味において、大いに参考になる。

日銀の責任と役割

財政政策、経済運営の制度的責任は、一義的には諸官庁・機関を使いこなした上で、内閣(行政の最高司令官=首相とその司令部=内閣府)にあると考えるべきだろう、と思う。
「日銀」にも勿論重大な責任、しかも法的に護られた「独立性」ゆえの重要な責任がある。しかし、「日銀」が矢面に立つべき問題というのは本来別だと思う。その意味で、「日本銀行」はやはり「海軍に似ている」。 自分達を「エンジニア」ないし「テクノクラート」と「(敢えて内心冷笑的に)矮小化(?)」して、あたかも部外者然としようとするところも一緒www(だから、半可通に「無責任!」とか余計な批判を言われる。)

1.「日本銀行法」には
(目的)
第一条  日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行すととも に、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。
2   日本銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融 機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信 用秩序の維持に資することを目的とする。
(通貨及び金融の調節の理念)
第二条  日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
とある。
2.一方、「財務省設置法」には
(任務)
第三条  財務省は、健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図ることを任務とする。 さらに、
3.「内閣府設置法」を読むと
(所掌事務)
第四条  内閣府は、前条第一項の任務を達成するため、行政各部の施策の統一を図るために必要となる次に掲げる事項の企画及び立案並びに総合調整に関する事務(内閣官房が行う内閣法 (昭和二十二年法律第五号)第十二条第二項第二号 に掲げる事務を除く。)をつかさどる。
   一  短期及び中長期の経済の運営に関する事項
   二  財政運営の基本及び予算編成の基本方針の企画及び立案の
      ために必要となる事項
   三  経済に関する重要な政策(経済全般の見地から行う財政に関す
      る重要な政策を含む。)に関する事項
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 菅直人首相が財務大臣をしていたころ、明確にデフレ宣言をしたにもかかわらず、その対策は上手くいっていない。
 一つは日本銀行の不思議な考え方。二つ目は政治の混迷。三つ目が企業経営者のやる気の無さだ。日銀は相変わらずデフレにもかかわらず、貨幣供給を怠っている。日本銀行は物価の安定に責任を持つが、実際には物価は下落し、デフレである。これに対して自分のところが最も影響があるにも拘らず、国際的な経済の傾向を理由に自らの金融政策が無力であることを理由に動こうとしない。中国の低価格商品や労働力、アメリカの住宅不況、ヨーロッパのギリシャやスペインの国家レベルの財政悪化などだ。しかし、国内ですべきことは、貨幣供給を増やし、金利をゼロに戻す等あるのに、彼らのこれまでの責任を逃れるために自らの非を認めようとしない。彼らの統計数字も、白川総裁の発言もかつての大本営報告に似て、信用に値しない。そうした、海外の問題にも関わらず、日本と比較すると、先進諸国の状態は悪くない。日本が悪いということを無視している。金不足では株価も上がらない、住宅価格も同様だ。公共投資は景気回復に寄与しないというのは既に分っている。変動相場施の中では公共投資による税金の投入は円高を導き、輸出産業に打撃となるからだ。
 民主党の政策が一貫性を欠いていることは、国民の政治への信頼感を損ない、経済に対する信頼性を損なうから消費は進まない。普天間や政治と金が問題で信頼感を失ったのに小澤一派は菅直人の消費税発言のせいにしている。鳩山、小澤はどこに行った。出てこい。菅直人も官僚のいいなりだ。消費マインドが冷めてしまっている。こんな体たらくでデフレの流れを変えられる訳がない。官僚はデフレによる影響は少ない。官僚は増税賛成だし、あまり株のような投機はしないから、デフレでも構わないのだ。彼らは景気回復による税収増を考えない。不思議なことだ。徴税ばかりを考えるという不思議な習性である。これから先、物の価格が下がることがわかっているのに耐久消費財を買う馬鹿はいない。IPadやiphoneが売れている。innvativeな商品は売れるのだ。3Dテレビがどの程度の市場性があるかどうかは未知数だ。そのあたりの見極めこそ企業経営者の感度だろう。
 企業においては経営者に市場を見る感度のよい人物が少ない。ユニクロとかソフトバンクほどの活力のある企業は少ない。任天堂も赤字。日立や東芝、シャープも韓国に追い上げられ、これに対抗できるアイデアも世界市場に訴えるコンセプトも持ち合わせない人が経営者だし、業績悪化を経済のせいにして責任を取る気がない。過去の仕組みと成功体験しか見えない彼らのリーダーシップ
には若者はうんざりしている。賃金も上がらない、高いローンで買った住宅価格は下がる一方、教育費はかさむということでは、これからの高齢社会を支える世代がどんどん力を失っている中、福祉どころではなくなる。福祉の財源は人だということに政治家も気がつかない。財源財源と国庫ばかりを充てにしている。そんな状態で景気、デフレズパイラルが回復する訳がない。
 今、優秀な人材が海外の有名校に留学しない。日本は韓国、中国、インドの後塵を拝している。何が優秀なのか。要するに偏差値アップに汲々としてきた若者が優秀と言うからそうなるのだ。彼らは理想は無いし、対人コミュニケーション能力も低い。そんな若者は海外での外国人と上手くつきあえないだろう。伸びきったゴムのような連中に海外留学を薦めても人は集まらない。また、企業も彼らが必死で勉強して来た知識を活用する度量のある経営者がいない。かれらは帰国すると、保守的な先輩の下で権限もなく、彼らの留学そのものがネックになる。彼らをどう使うか、受け入れる方法もなく留学させるのは、丸でかつての満州移民じゃないか。どうしたら今の若者二やる気を起こさせるか、団塊の世代経営者や今の政治家の課題だ。
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