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アヒージョに挑戦

スペイン料理で簡単に作れて美味しいのがアヒージョである。アヒージョ(西: ajillo)はスペイン語で「ニンニク風味」を表わす言葉であり、オリーブオイルとニンニクで煮込む、マドリード以南の代表的な小皿料理(タパス)の一種である。マドリード以北でも提供しているバル(飲食店、酒場)は多い。カスエラ(耐熱の陶器)にて熱したオリーブオイルごと供される。オリーブオイルをたっぷり使って、ニンニクと鷹の爪を1本入れ、海老やタコ、ホタルイカなどを煮込む。先は最初に作ったのが、キノコと海老、鶏肉のアヒージョ。たっぷりのオリーブ油で塩コショウして煮た。これが結構美味しかった。そこで、翌週は新潟でどこでも安く売っている甘エビのアヒージョを作った。ニンニクを細かく刻んでフライパンに入れ、海老も頭ごと入れ、さらに、エリンギを大きめに刻んで塩コショウして入れた。簡単である。火を中火から弱火にして5分ほどで出来上がり。甘エビの頭や殻もカリッと揚がっている。エリンギもぴったりであった。海老とエリンギを取り出した後、ホタルイカをぶち込んでみた。茹でた小さめのこれも、5分ほどで取り出したが、これに白ワインがぴったりで、うんめーー!
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今、中東では特攻自爆がさかんに行われている。これは元祖が日本の特攻である。鹿児島旅行で知覧に行って学ぶことは大事だと思うが、どのような展示が行われているのか心配だ。
特に最近、百田尚樹の永遠のゼロが特攻と愛を表現して喝采を受けている。小説も映画もよい出来だった。しかし、これと歴史認識は別だ。そこでどんな真実が語られるのだろうか。あんなスーパーパイロットは存在しなかったし、戦争後期は全くアメリカには歯が立たなかった。
知覧に行き特攻の悲劇を学ぶというのは大切なことである。しかし、自分が研究した範囲では、とにかく嘘が多く、ドラマ仕立ての話が多い。特に知覧は宣伝がうまいですね。その理由は、海軍が特攻では最も効果を上げ、犠牲も出している。しかし、海軍の鹿屋はあまり話題にならない。その理由は何かである。

陸軍は洋上航法の訓練が出来ていないために、半分は戻ってこざるを得なかった。片道燃料は嘘です。目的地にたどり着くことが出来ない無謀な作戦だったということで、それだけ陸軍は悲惨だった。戻った隊員は、福岡の振武寮という宿舎(福岡女学院)に隠蔽され、つらい生活を強いられ、そこから再度出撃した隊員も多かった。自分の父は三井で赤とんぼという複葉練習機を戦中作っていたが、それが特攻機に使われたことを絶句していた。あんなヨタヨタの飛行機では沖縄には到達できないし、発見されれば即撃墜で死にに行くようなものであった。特攻が志願であったというのは、当時の幹部の責任逃れで、実際は拒否できなかったし、指名もあった。学徒兵は優秀な順に指名されていた。当時の日本人の心情から拒否はできなかった。
海軍はゼロ戦で初期は成功率が高かった。海軍の基地は米軍の爆撃を避け、朝鮮の元山に基地をおき出撃の数日前に鹿屋に着いた。もちろん立ち寄り基地は一箇所ではない。だから鹿屋にはドラマがない。知覧はその意味で脚光を浴びている。航空戦では海軍は合理的だった。陸軍は海軍に負けじと、そんなことも張り合い、失敗ばかり。特攻はとにかく悲劇です。尊い若い命が喪われ、損失ははかりしれない。しかし、実際に礼賛する人もいて、右翼に利用されている。現実は、特攻隊員、特にベテランは怒りをもって出撃した。搭乗時に泣いたり、食事を捨てる人もいたそうである。殆どの隊員が学徒兵で、44年の学徒動員は最初から特攻要員をかき集めることが計画されていた。しかも、立案責任者は戦後、議員になったり、裁かれた形跡が無い。回天も含め、4000人を超える犠牲が出ている無謀な作戦だった。

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クルド人女性兵士とISIL


 

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トルコとの国境にある都市コバニがISILによって包囲され、90%が支配されようとした。この地域はクルド人が多く、シーア派の彼らはスンニーのISILから敵視されてきた。昨年の10月以降形成は逆転。今年の1月にクルド人の軍事勢力YPGによって奪還された。この戦いの状況を分析すると次のISIL壊滅に向けての手がかりが得られるかも知れない。イスラエルには昔から女性兵士が徴兵されていたが、これは必ずしも人員不足が理由ではなく、アラブ人は女性兵士との戦闘を嫌うことからきている。
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ISILの戦闘員は死を恐れぬ勇敢な攻撃でこれまでイラクやシリア政府軍と戦ってきたが、信念だけで強いわけではない、イラク軍やアメリカの捕獲兵器はじめ、戦力の予測が付かない中、戦闘員も麻薬を使ったり、逃亡兵を処刑、恐怖で支配した結果でもある。イラク軍はとにかく、マリキ政権には全く忠誠心が無かった。ISILに攻撃されれば司令官が真っ先に逃げ、自分達の兵器を破壊もせずに放棄してしまう。兵士は司令官が逃げるのに何で戦う必要があるのかと戦意喪失。アメリカが供与したM1エイブラム戦車まで取られてしまった。ティクリート攻防戦では流石に変わったようだが、とにかく、形勢不利となると情けない状態に陥るようだ。
 これに対して、コバニのクルド人達は約10万人が街を脱出し、トルコに難民として受け入れられた。クルド人達は民兵としてコバニ奪還のために戦い、アメリカも空爆で支援をし、一日に6回を越える空爆を行った。特に、女性兵士達の貢献が大きかった。主力はペシュメルガ(クルド自治区の治安部隊20万人)であるが、彼らはイラクからの独立を目指しており、自治区の人口も800万人を超える。

 クルド人はイランからトルコ、イラク、シリアにわたり、4000万人がいるが、国を持たない。彼らは、不思議なことに石油の取れる所に多い。おそらく、緑の多い、オアシスには住めず、石油やガスの噴出する荒地に追いやられた結果だろう。それが、逆転した。イラクのキルキークなどにも多い。クルドYPG兵士は14,000人ほどだが、その40%が18〜20才の女性兵士であり、彼女達の勇敢な戦いは戦闘の結果に大きく貢献した。その理由は、イスラム原理主義では女性の地位は低く、常に保護されるべきもので、黒い衣を着ている姿が見られる。彼女達が戦闘に参加することは考えられない。それどころか、彼らに撃たれて死ぬことは地獄に堕ちることも意味する。そこでISILの兵士は彼女達と対峙することを嫌うのだそうだ。そこをアメリカなどは利用し、武器を供与して軍事訓練をして前線に立たせている。山岳地帯に住むクルド人達の女性の地位は決して低くない。かれらにとって、女性は命の源なのだそうだ。

 ISILからのイラク諸都市の解放は将来、これまで国を持たなかったクルド人達の独立も後押しすることになるかもしれない。彼女達の貢献がISILからのイラク、シリアの解放をもたらしたという功績を認めざるを得ない状況になれば、クルド人国家の成立がこの数年のうちにあるかもしれない。アメリカにしてみれば、ISILに油田を支配されるよりは、もともと、彼らの地である場所の石油は彼らに支配させ、イラクをクルド地区と政治が機能しないイラクと分離した方がましなのかもしれない。クルド人は世界史上、多くの役割を演じてきた。一説によるとモーゼもクルド人ではないかといわれている。あるいは、十字軍と戦い勝利した、名将サラディーンもクルド人であった。

  
 

イラン、イラク、アフガニスタン、イスラエル、コーカサスと冷戦構造終焉後、大きな変化を余儀なくされた。アメリカの石油戦略と覇権、ロシアの後退と民族対立と、21世紀の動乱の目玉となる情勢である。昨年末のイスラエルガザ攻撃、グルジアの北オセチア紛争、米軍のイラク撤退からアフガニスタン増派、パキスタンの北部での戦闘など、この地域は不安定度と混乱を増している。6月にはイランの大統領選挙後の混乱とアフガニスタンでのテロ下での選挙等波乱は続いている。このことは日本とどんな関係があるのだろうか。昨年の石油騒動も忘れかけた今日、1974年の第4次中東戦争でのオイルショック混乱から、全てつながっているこれらの地域情勢を学びたい。アメリカのオバマ大統領から遡って、ブッシュ、クリントン、ブッシュ、レーガンと何を残して来たのだろうか。


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 我が家の猫ちゃん、キャー子はもう11歳になる。自分は猫をはじめて飼ったのだが、昔飼っていた犬と比べて戸惑うことが多かった。慣れるのには何年もかかった。その間、長女や亡くなった家内がかわいがっていたから、まるで、今は離れ離れになった家族を結ぶ糸、家族の愛の形に思えてくる。不思議ないきものである。
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 とにかく残念なのは、猫は名前を呼んでも、答えてやってきてはくれない。犬は呼ぶと、遠くからでもすっ飛んで来る。ところが、猫は、腹が空くと、泣きながらやってきて不平を言うような声でニャーニャー言うのである、。犬は感心にじっと耐えている。
 Webで「猫は呼んでも来ない」とデータを検索すると、何やら映画の広告で、「猫なんかよんでもこない」というドラマ映画と原作小説があるのだ。そんなことだから、やはり、我が家の猫ちゃんも名前を呼んでもやってこないのは致し方がないことなのだろう。子猫の時代のしつけにもよるのかもしれない。沢山の猫を飼っている人はたぶん釣られてくるのだろうが、呼ぶと皆やってくるのだそうだ。だいたい、呼ぶとやって来る猫は100匹に1匹という確率なのだそうである。

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ならず者にはかなわない

 ISILの蛮行に先進諸国は呆然とするのみ。やっとイラク軍がスンナイ派の中心ティクリートを制圧したとの報道があるが、結局はモグラたたきのようになってしまうかもしれない。捕虜の首を刎ねたり、焼き殺したり、さらし者にして処刑するなど、こんな蛮行が現代に許されるのか、国際的な憤りをわざとネタにして宣伝する連中に、欧米、日本などの先進国は唖然とするばかり。そうこうしているうちに、ウクライナではヒトラー並の手口でプーチンがクリミア半島を奪い、ウクライナを窮地に陥れ、ロシアは全く反省の色が無い。これは、ナチスの台頭以来の世界史の転換(後退?)かもしれない。文明は常に発展し、よい方に向かうという楽観主義の限界が見える。ボコハラム、エボラ出血熱、中国のチベットやウイグル迫害、ロシアの横暴、ギリシャの無茶苦茶な政治経済など、20世紀に生まれた、民族自決、民主主義、科学技術の進歩、さらに国民国家の成立といった多くの人類の財産が破壊されて行く時代に来たのかもしれない。ロシアとアメリカ、中国の3極が新帝国主義を形成し、力の支配を頼りに世界中に混乱と悲惨をまき散らす時代が来るのだろうか。
 自分は必ずしもそうは思わない。逆に世界は今、内向化している。パックスアメリカーナの終焉、ユニバーサリズム、グローバリズムも先が無い。その結果がわが国で言えば、象徴的に円安、海外留学生の減少、海外からの観光客増であり、軍事体制の強化である。TPPが難航するのもその反映であろう。ロシアもルーブル安、日本も円安、ドルは対外戦争を避ける限り、基軸通貨としての安定性を維持出来る。アメリカも、ロシア、中国も、いざ自国の課題解決、特に、中国は汚職と富の格差解消に向けて注力する。中国は海洋は制覇できない。尖閣問題は日本の海上武装強化、潜水艦とヘリ空母増強で対応できる。1000億円の上乗せで戦意を喪失させ、戦火にならなけば安いもの。隙を見せてはいけないし、それ以上もいけない。ロシアも、ウクライナで制裁を受けて、自国内に閉じこもり、国内産業を育成する方向に向かう。ユーロもギリシャの破滅的経済からユーロの価値が不安定になり、経済に関しては崩壊寸前で国内の問題に追われる。そんな状態から次の段階ー外向に移った時の行動が怖い。かつて、ナチス不況を克服したかのように見せかけ、戦争にまっしぐらに突き進んだ歴史がある。
 こうした悪の帝国が出来上がった場合、周辺の紳士的な文明国は手がつけられない。ならず者には弱いのである。しかし、悪人に逆らって、彼らと同じ手に乗ってしまうのは良く無い。悪はいつか内部崩壊する。それを待つしか無い。聖書の中にも、悪人に逆らうなということばがある。必ず、いつかは神の審判が下ると言う楽観論である。

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3月10日は新潟は冬になりました
今日は私大連のマネジメント研修で上京。一旦、新発田の大学に寄って、書類を持ってから9時6分の西新発田発白新線で新潟に行き、10時16分のトキで上京した。新潟国際情報大の佐々木事務局長も同じ車両。長岡に差し掛かった頃から車窓を見ると雪であった。あれー、新発田が雨模様なのにこちらはまだ冬だ。
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研修が終われば、今日は日帰りで、16時16分のトキで新潟に向かう。帰路トンネルを抜けて越後湯沢に入ると、まるでホワイトアウトの吹雪じゃないか。今年は年を開けてから積雪はほとんどなかった。春が2週間は早い。白鳥もどんどん北に向かって帰って行く。何でまた、今日になって雪なのだ。こんなこともあるかとは思うが、何だか春が来る予感に心許した分ショックが大きい。長岡まで真っ白。浦佐も吹雪。風も強そうで、荒れた天気であった。ところが、燕三条まで来ると、雪の痕跡はない。しかし、車内アナウンスは、強風のため羽越線特急は運休と告げている。新潟には雪は降っていないのだ。
 春はやはり新潟まできているはずで、吹雪のわりにはほとんど積らない。ところが、市内で一杯やって白新線で新発田に向かうつもりで駅に行くと、電車が動いていない。ホームには横殴りの雪が降り始めた。40分ホームで寒風にさらされ、家に帰ったのは11時半。疲れたなーもう。
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1.アメリカ合衆国は、この70年間に変質してきた
 
 アメリカンドリームは正に悪夢になろうとしている。第二次大戦後のアメリカは民主主義の勝利と世界をリードする産業の力を誇示していた。70年たち、形骸化しつつある民主主義、キリスト教的モラル、大統領のリーダーシップなどどのように変化したのだろうか。変質の原因は戦争であり、軍事力の突出した肥大化である。
 アメリカ合衆国はイギリスから戦争によって独立した時から、暴力的な面を持っていた。独立戦争後、莫大なイギリスの資産を没収、手に入れることとが出来た。自由と平等という影には、南部の奴隷制度が人種差別による抑圧が暴力を伴って機能していた。フランスからルイジアナ、カリフォルニア、テキサスなどの領土を武力でメキシコから奪い、今の国境を確定させた。南部と北部の均衡は破れ、南北戦争という80万人という犠牲を払って、国家の統一を成し遂げた。その時に発達した強力な武器を使って、西部のインデアンを駆逐し、滅亡させた。こうした事を行なわずとも、カナダなどのように緩やかな人種政策も可能であったはずである。西部開拓はさらに暴力性を増しつつ太平洋に向かった。日本の開国はそのあおりである。ハワイ、フィリピンに対する帝国主義的支配に向かい中国の利権を巡り、日本と衝突した。これが第二次大戦である。日本も帝国主義であったから、似た様なものだが、結局失敗した。成功者アメリカは朝鮮戦争からベトナム、また、中米の共産主義勢力との戦いを通じ、長い戦争体験が、次第にアメリカをローマ帝国の様などん欲な支配欲を持った国家に変質させて来た。アイゼンハワーは大統領辞任演説で参軍複合体の危険を訴えた。もっとも、この国の体質は独立戦争以来変わっていなかったのであるが。1920年代は下層90%が全体の16%の富を所有し、上層0.1%は全体の25%を所持していたのですが、1929年の大恐慌(株価大暴落)により、富裕層がいったん崩壊して逆転した。ところが、今や0.1%の富裕層が90%の資産を占有する国になった。平等という理念はこの国には無い。
 ドイツ帝国とナチスドイツからのヨーロッパの解放、東西冷戦という大きな犠牲も払い、アメリカは何を世界にもたらしたか。インターネットは核攻撃に対するPCネットワークの保護から生まれた。物凄い情報の量が処理できるのだが、これが人々に幸せをもたらしているのだろうか。アメリカンライフスタイルは今はあまり人気がない。経営学、ハリウッド映画、マクドナルドもどうも最近は元気が無い。文化的には旧大陸の方がすぐれたものが多い。ミュージカルの殆どはイギリス製だし、テレビ中継はナチスがベルリンオリンピックを中継、ロケット、映画、文学、医療制度なども原理はヨーロッパから来ている。アメリカオリジナルのものは兵器が突出している。
 戦争を常に続けた背景には、この国の暴力的な側面が他国より強く、産軍複合体という大きな化け物、魔物に支配された巨大な帝国になった。民主主義やヒューマニズム、キリスト教的なモラルがその陰に隠れるほどになってしまっている。もちろん、民主主義もヒューマニズムも、宗教も健在であるが、あまりにもその暴力装置の規模が大きくなってしまった。その象徴がケネディ後のベトナム戦争、中東での横暴、ニカラグアなどでの共産勢力との戦いによって帝国化し、民衆と共に歩く大統領から、まるでローマ帝国の皇帝のような専制的な大統領の存在に変質した。その分岐点がレーガン、ブッシュである。この二人の共和党大統領はアメリカを凶暴な軍事国家に変質させた。湾岸戦争とイラク戦争、アフガン戦争という泥沼の始まりである。アメリカは9.11ショックの後、何も戦争をせずに、オサマビンラーディンを暗殺すれば良かっただけなのである。アフガニスタンではなく、パキスタンの安定に力を注げばよかった。オサマもパキスタンにいたのだから。そこでつぎ込まれた膨大な軍事費の代わりに産業や仕事、教育にお金を使えば随分違った世界になったはずである。この戦争によって多くの若者の命と中間層が疲弊し、チェイニーなど戦争屋がぼろ儲けをし、ロッキードなどの軍需産業は息をつくことができた。今後、軍需産業はますます血に飢えて世界に悲惨をもたらすであろう。

2.アメリカの無責任が今日を生んだ

 イラクの混乱の原因を敢えて言えば、イラク戦争の後のアメリカの執政ミスといえる。解任されたが、政治家として凡庸なマリキ首相が多数派シーア派を中心にしてスンニーを弾圧した結果だ。アメリカはフセインの築いた国家機構を解体、それを民主国家として再構築しようとした。その拙速な手法が今日の混乱を生んだ。日本やドイツが崩壊しなかったのは、東西冷戦の対抗策として、旧政権の官僚機構を温存したからだ。権力にあるグループは少数派を立てなければならない。その反対をやって、ことを複雑にした。武装集団のなかにはアメリカによって訓練された軍人が多数いるはずである。あのファルージャ掃討戦のアメリカのやり方、また、イラクの傀儡政権の作り方が悪かったのであろう。そこからすべてが出発し、反省なしには何も出来ない。かつて、フセインは近代国家に見せかけて、実は部族支配国家を作ったのであり、族長のように統治した。民主主義を錦の御旗にアメリカはすべてを破壊してしまった。多くの官僚達が軍人も含め失業した。彼らがISILに流れている。さらにはこれはアルカイダとオサマビンラディンが何故生まれたかと同じではないか。ISILに関しては既に出来たものは一定期間泳がせて、組織的に成長した段階でまとめて葬るということでは遅いことが分かるだろう。アメリカは早く軍事介入すべきだが、イラク戦争や、アフガニスタンの過ちを繰り返してはならない。あくまでも、現政権の支援に徹して、地上軍は派遣すべきでは無い。これはがん細胞のようなもので、壊滅させても、飛び散った分子がまた、どこかに転移する。従って、再発しないような環境づくり、また、新たな集団がコンセプトを変えて生まれたら、早期に叩き潰すしかない。早期発見早期切除である。かつて、アメリカもフォードなどが応援していたナチス。この時ももそうだったが、時機を逸した。出来るだけ、世界が、カルト的グループの共通定義をして、それに類するものをマークし、禁止、殲滅することである。この組織の特徴は、がん細胞やウイルスのように近代国民国家の構築したものに実は依存し、そこから栄養を吸収している。ISILの資金源は健全と思われる国から流れている。サウジ、アメリカも含む一部の偏屈な富の所有者や石油利権、武器産業などが背景にあると見てよいだろう。オサマビンラーディンという怪物が生まれたのと同じ構造である。この連中は、国民国家や民主主義などを無視して闇の帝国を築いてきた。ヘッジファンドなども同類かもしれない。ISILの存在は現代社会のある側面、裏の顔である。

3.アメリカの二枚舌

 スンニー・ワッハブ派のサウジアラビアの中にもISILを支援するグループがいる。ISILの蛮行でやたらに首狩りがニュースになるが、サウジではインドネシアなどから出稼ぎに来るベビーシッターの女性が殺人のかどで死刑になっている。冤罪も多いのだが、一方的な裁判で皆斬首刑である。アメリカはこの超偏屈ムスリム国家のサウジとは大の仲良しなのであるから、アメリカ式民主主義もいい加減である。自分に利する者なら味方、イスラエルに敵するものも含め、敵対するものはテロリストである。かつて、イランコントラ事件というのがあった。アメリカはイランのホメイニ革命に手を焼いたが、その後イランイラク戦争が始まりイランは窮地に陥った。その時期にイランに兵器を売り、また、イラクにも武器を売っていた。実は当初イスラエルが売っていた。父ブッシュ大統領がこれを考えたと言われている。米国政府関係者は、イランに武器を売却した収益を、左傾化が進むニカラグアで反政府戦争(コントラ戦争)を行う反共ゲリラ「コントラ」に与えていた。東西冷戦の時代だった。この事がばれて大騒動になったが、今もCIAは遊んではいない。その謀略が中東で大賑わいのはずなのである。
 これはたまたま、中東や北アフリカの紛争地で発生したが、ドイツに出来ればナチスだし、ロシアなら共産党であっただけなのではないだろうか。アラビア半島から中東、イスラエルの地の風土的な解決の伝統が旧約聖書において語られている。3000年人間は変っていない部分があるのだろう。

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