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TPP亡国論 中野剛志 集英社新書

1.議論の時間と対応策が無いまま交渉できるのだろうか

 議論がやっと始まったTPP(環太平洋経済連携協定)である。ところがその議論が全くのピント外れ。少なくとも、この本を読んでから議論しろと言いたい。専門的な話も、かなり分かり易く書かれ、大学に入学する学力があれば理解出来る内容である。政治家も、マスコミも、TPPの内容を丁寧に説明しない。著者は何も反対原理主義者ではない。経済論として反対している。TPPはアンケートのようなもので判断したり、理解できる内容でもない。人気投票ではない。これこそ、専門的な経済判断を必要とする事だ。それを政治家は国民に情緒的な表現を続ける。開国だとか、バスに乗り遅れるなとかである。まったく、間違った言葉の選択だ。マスコミも不勉強である。もっとも、この問題には経済学でも解決出来ない多くの事が含まれている。だから、今TPPを経済学的に解析する事も大事だが、実行出来る問題から早く対応の道を示して、複雑な絡まりを解いて行く事こそ政治の役割ではないか。中野氏は舌鋒鋭く、これを推進する事の危うさを説く。中野氏の指摘に推進論者は反論すべきだ。とにかく、民主党の動きは政党内でのとりまとめに終始する、野田首相の発言なども、国際交渉で自国に有利なタイミングがズレる。これを主導する経済産業省は農業のことは実は考えない。都合の悪い他省庁のことには関心が無い。

 泥試合がまた始まった。分かり易く言えば、11月から日米FTA交渉が始まったと思えばいいのでは。他の国は経済規模から言っても追随するか、お騒がせの日本はお引き取り頂くというのも選択肢だ。日本があまりにもTPPの趣旨にあわないと、先方から断られることもあり得るだろう。その時は、ほっと胸を撫で下ろすか、野田政権は赤恥をかくことになる。それが一番良い結末ではないかとも思う。彼の判断は官僚のバックアップと党内の抑え込みだけだ。

 テレビでのボンクラタレントとか、何も知らないふりして無責任な態度をとるキャスターが国民に説明出来る内容ではない。輸出の増加と国内需要のバランスは為替の変動に結びつく。このメカニズムを念頭に判断しなければならないことが多い。アメリカとの貿易はTPPで増える話ではない。韓国の輸出力に日本が負けるのは関税差ではなく、貨幣価値の差であるからだ。
 経済産業省が提唱するメリットや危機感が根拠の乏しいものであることが分る。全く政策の優先順位が狂っている。反対論者は、今、何をすべきかを声高に論じてもらいたい。今の日本が行なうべき事は、TPPに入ることだけだろうか。入らないかわりに、次期戦闘機はあの第五世代戦闘機である垂直離陸可能なF35をアメリカから購入し、武器輸出三原則を撤廃し、普天間合意を実現することも選択肢としてあるのだ。軍事と貿易は分けるべきだとは思うが対米外交上は重なりあわざるを得ない。

2.今の日本の大事な課題

 もっとも自分は国内的には子育て支援金制度や農業損失補償制度といったバラマキを廃止して、その代わりに保育園を増設し、その資金は日銀が札束を増刷して対応することもやってもらいたい。年金は当然68歳からの支給で高齢者雇用は給与を減額支給し延長する。所得税配偶者控除は復活し、介護保険は家族介護を支援。すべて民主党政権が先送りにする事がその内容だ。成功した事の無い官僚の経済政策はそもそも信頼されていない。参考程度、経済の事を政府は民間企業にまかせておくべきである。これを日米軍事同盟とか、対中包囲網とか経済と軍事をごっちゃにした賛成論は御免被りたい。結びつけた途端にアメリカは悪のりして安全保障の交渉についても条件を付けてくるだろう。
 
 このTPPは経済産業省と民主党の暴走であるとも言える。あの、衆愚政治家の菅直人が、自分の政権を続ける為に、いきなり持ち出したTPP。意図が悪い。経済産業省も、このTPPのお陰で、その対策費として膨大な予算がつくだろうから必死だ。連中は省あって国無し。自分達だけが国家の連中だぞ。一旦政策を誤ると、国際交渉においては100戦100敗ということがありうる。その恐怖のシナリオがこの本で書かれている、賛成派は平成の開国、反対派は不平等条約とか、例えを使って、しきりに大衆運動に持って行こうとする。中野氏は輸入で海外から安い製品が国内に入ってくることによる直接的な価格下落、それがさらにデフレを加速することを問題にしている。それと同時に、海外からの安い製品との競合に負けた国内企業で失業者数が増加し、その影響で市場が縮小し、さらに悪化するという。確かに何もしなければそうなる。しかし、WTOやGATT、FTA、APECといった略語に表される国際的な貿易協定にその本質的な国際交渉の内容を一般国民に分ってもらうことはなかなか難しい。経済全体のメカニズム全体が病気になっている我が国、為替、デフレ対策、農業改革、さらには東日本大震災復興という大問題など、大きな宿題を残したまま、海外旅行に出かけるようなことではないか、という気がする。ハロゥインパーティ程度に抑えた方が賢明なのである。中野剛志氏は、TPPを取り巻く経済のメカニズムに関してマクロ経済学の視点で分かり易く解説してくれている。しかし、デフレ対策はいまだに処方箋が見あたらないし、これが解決出来ないと先に進まないというのでは、これも経済の停滞を招くだろう。あらゆることが一度に起きている訳で、諸問題を同時並行的に取り組まねばならないから大変なのである。
 
 規制緩和、自由化、民営化、緊縮財政など、小泉改革は当時成功した英国のデフレ政策、アメリカのレーガーノミックスという新自由主義政策を遅れて日本が真似しようとして今日の停滞を招いた。その反省が経済産業省には全く見られない。当時、竹中平蔵のようなアメリカの政策に詳しい学者が、強引に実行した中途半端な構造改革。これを、アメリカからやんやと言われ、また自国の利権構造とか官僚社会、規制の旧態依然にうんざりしていた国民が歓迎してしまった。しかし、学者というのは過去の例を正確に説明するのは得意だが、地図の無い世界を導く能力は無い。もともと、臨機応変な行動が苦手だから学者になったのだ。また、イノベーションを切り開く力も無い。ところが、小泉改革も当初はうまくいかなかったが、2004年に中国の好景気に押されて突然回復したのである。これを竹中氏は自らの成功と勘違いしている。何も、経済政策が当ったのではない。民間企業の利益追求努力の賜物以外の何ものでもない。

 今の経済はその不況の原因を国民の活力によって改善する事はできずにきた。それは政策ミスだからだ。震災復興ではやたら、国民の一致団結が呼びかけられたが、かつての一億玉砕といったかけ声と同様である。敗戦は国の指導者に戦争を中止する勇気が無かったがために、多くの犠牲を出した。国民のせいでは無い。これまでの何重にも重なった政策の誤りを直し、結び目を解く道を示してからでもTPPは遅くはない。今の政権では交渉能力も各国から疑われている。

 それどころか、自民党の3人の総理大臣、民主党への政権交代と鳩山、菅というトンチンカンな政権交代後の民主党政権の迷走によって、6年間も無策の時間が続き、リーマンショックと欧州のデフォルト対応という大問題にも煽られつづけて翻弄された。デフレという深刻な経済の病気をいまだに日本は脱出する道を見出していない。

3.反対論の狙いは何か
 
 TPPはこのデフレ対策には全く効果がないどころか、輸入の促進でさらに深刻化すると中野氏は言う。しかし、関税が無くなり、外国製品やアメリカの農産物が突如と大量に入り、デフレが加速し、失業者が急増するという図式はあまりにも単純だ。確かに農協は大変だろうから、世論を動員して阻止したいだろう。形勢不利だから余計に声が高い。

農業は確かに大変だ。日本の農業とアメリカの農業の違いを考えなければその影響は分らない。農業製品関税の自由化で、壊滅するのは1,600%の関税のかかる「こんにゃく」とか778%の米、「サクランボ」、国際相場の倍である小麦、とうもろこし等だ。日本のような多品種の繊細なものは苦手だし、米は既に日本人は食べなくなっている。だから余るのだ。アメリカの農家は農業を食料というより、市況商品として作っている。相場が高くなるものばかりを狙う。だから、品種が少ない。ただ、小麦のうち製麺やパンの材料になる上質の製品は既に90%が輸入品だ。外食材料、飼料などが安くなる。生鮮食料品はそれほど外国産は売れない。しか、日本の食料自給率はカロリーベースだから、低カロリーの野菜は変わらない。牛や豚、鳥の材料も下がる。日本人の味覚に合った、安全なものが出るまでに、安い原料が入り、日本の畜産農家は高付加価値の味で勝負のものを市場に出すだろう。何も、肉そのものばかりではなく、チーズとかハム、ベーコンなども製品として付加価値がつく。日本は国産肉を使った肉製品を開発する力がある。日本酒や味噌なんかは発酵食品だからアメリカで作ったものは味が変わってしまう。今だって、日本の農業の20%は黒字で、彼等が都市に商品としての農業商品を供給している。残りは家畜の餌にしかならないような小麦とか、自己消費の米を作っていて、すでに彼等は経営的には破綻している。そして損失補償があてがわれるであろう。今や農業従事医者は人口の5%しかいない。赤字農家の為に補助金が出ているし、TPPに反対している人のほとんどが兼業で農協員である。枝野経産相は、兼業農家の収入では工場勤務など農業以外から得る額の方が多いとした上で、工場がなくなれば「農家の大部分の皆さんの収入は半分以下に減る」と指摘している。何もしなければ壊滅は時間の問題。そもそも、FTAでもアメリカと結べば同じことだ。米にしても日本は「ウルチ」米を作り過ぎ。世界にはもっといろいろな米があり、西洋料理やカレーには輸入種で食べた方が美味い。食生活が多様化する。とにかく、農業の危機は今に始まったことではない。TPPとは関係なく日本の農業は滅亡に向っている。

 マクロ経済学の供給と消費、供給曲線、需要曲線、そして雇用など、政府の介入や国民の行動によってそう理論的には行かないのが現実である。TPPが危険なものかどうかは、これを機にどこまで政治家や官僚が意識を変え、国益を尊重した国民の良識、さらに市場を育てられるかだ。

4.環太平洋という地勢的な同盟という外交

 TPPをそれほどエキセントリックに否定するようなものでもないような気が小生はする。これから大いに議論したらいいことで、中野氏の言う通りにやったら保護貿易になってしまう。我が国は貿易立国であることを捨てるわけにはいかない。TPPの中に入ったら、日本は全くアメリカの言いなりになって、身動きができなくなるというものだろうか。貿易交渉というのは双方が納得し、条件とか、各国の立場を尊重しなければ成立しないもの。押しつけは実を結ばない場なのではないかと思うが?しっかりやってもらいたい。確かに危機感を煽る方が今の時代には必要か。中野氏の論法は、官僚が反対に回って攻撃するとこんな感じかなあという印象もある。彼等は理論闘争となるとあらゆる屁理屈を使って論陣を張って来る。どうだろうか。

 為替対策でインタビューを受ける安住財務大臣の自信のなさそうな顔をみるにつけ、我が国に取って、経済の応用問題の中での難問を彼が良い方向に持って行けるとは全く思えない。今回のTPPも、経済政策に人気のないオバマ政権が、選挙前の起死回生の雇用問題、貿易収支改善のために、何とか日本を巻き込んで政権を維持する為の策なのであろうか。むしろ日本が何でこんなに熱心にTPPに関心があるのか首を傾げているのかもしれないし、これもうまくいくとは限らない。貿易協定とか国際会議は、なかなか一方的な結論は出しにくい。形だけでもWinWinの結論が必要になる。今日WTOが、あまりの国情の違いから統一した結論が出ず、暗礁に乗り上げている中、地勢的な共通点のある環大平洋諸国が共同して貿易ルールを決めようとしている事である。結構なことである。何も相手の国を滅ぼすような事を強要する、かつての武力を背景にした砲艦外交でもない。ノーという事も大事である。むしろ、問題は、TPPが危険なのではなく、これにつまずく日本の姿勢なのではないか。いくら、しっかりした階段でも、足元がふらついて登れば危険である。TPPの目指すものはアメリカや他の諸国に取っては都合のいいものであり、得るものが大きい可能性と、失うものも大きい日本のリスクが読めない我が国、そして、方向を見失いがちな政府なのである。

5.国民という最後の砦

 賛成論も反対論も国民が市場で選択する時の良識を育てるべきだ。政府よりも、マスコミよりも、さらには産業界よりも、国民の良識が正しい。国民の力が発揮出来るように情報を公開し、危ないものは危ない、メリットはきちんと説明してもらいたい。
 とにかく、マスコミと政府のTPPに対する強引な主張は全てを誤らせるに違いない。アメリカの為に日本の経済基盤が弱体化し、農業や雇用などの不安定感を一層増す事は予測出来る。こうした失ったものに代えて何をアメリカから引き出せるのだろうか。きちんと作戦を練らねばならない。TPPがオバマ政権の陰謀という図式は良くない。そんな陰謀論は本質ではないし、そんな事実は無いと思うが、国家として、事態を予測出来、戦略的な彼等は、自分達のメリットにどん欲なだけである。
 日本は経済も政治も立場が弱っている。トモダチ作戦や普天間で借りのできた我が国の外交が何かを引き出せるか。TPPの趣旨は我が国の事情を除外すれば誠にご立派な理想を述べている。この協定趣旨も当初はニュージーランド、チリ、シンガポール、ブルネイなどの規模の小さな国の事情で成立したものに、アメリカが相乗りした。日本はこの枠組みを現実に即したものにどんな条件を付けることが出来るかである。問題になるのは農業以外では医療やサービス業も対象になることである。言語や文化の違いを越えて、消費者にメリットがある内容なら受け入れることもあるだろう。規制だけがバリアではない。悪いものは国民が拒否する。医療の世界は混合診療や医療産業の侵入だが、国民にメリットがあるものは規制すること自体がおかしい。厚労省も何が問題であるか、予測する能力が無いとすると危険である。
 しかし、これに参加することによる代償はきちんと予測されているのだろうか。これに関わることは中国と韓国との関係であるが、TPPは我が国の参加によって中国包囲網となる。政治はこれを中国に対し内政干渉させない自信があるのだろうか。日本の経済が中国の景気によって立ち直ったことを忘れてはならない。日本はアメリカと中国の両方を立てなければならない。また、FTA協定を結んだ韓国はこれに入らない事を決断している。なんだか、どちらでもいいような気がして来た。変な約束はしないようにしてもらいたい。
 結論として、TPPという難問を解くには、今の民主党政権はあまりにも、基礎学力が足りない連中ではないかという不安が残るのである。TPP交渉に入る事が避けられない時代であれば、国民が最後に市場で選択する事ばかりなのだから、今後政府が国民に政治的にも、情報面からも影響や効果について理解させる努力を続けることである。全て消費者である国民の協力にかかっている事である。


 


TPP賛成派の意見
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by katoujun2549 | 2011-10-31 11:53 | Comments(0)
 今日の産経新聞の正論欄で中国近代史研究家「鳥居民氏」が重要な整理をしている。彼はキッシンジャーが書いた解釈、中国の北朝鮮が崩壊した場合、アメリカが侵攻するのを恐れて、北の核を容認したという短絡的な内容を批判した。北朝鮮が何故、国民の生活を無視して、核開発を推進し、それを6カ国協議の中心国、中国が阻止出来なかったである。このことを中国に気遣いして政府もマスコミも黙って来た。6カ国協議の代表、アーミテージやゼーリックは中国に裏切られ、核実験を強行された。何故か、この論文の最後に重要な説明がある。「北朝鮮を国際的に孤立の状態にしておけば、北朝鮮は中国に頼らざるを得ず、中国は実質的な宗主国になると読んでの事ではなかったのか。それとも、100社以上の子会社を持つ中国の国有企業、核工業建設集団が北朝鮮の核開発に関与して来たからか。北朝鮮が小粒な韓国を目指すことでは我々の利益にならないと思ったのは中国の軍部であったはずだ。軍事費が毎年二桁増し、5年で倍増するという最高に望ましい状況を続けていくには、朝鮮半島と台湾海峡の緊張を醸成し続ける事だと05年、06年に考えたのだろう。5年後の現在はどうだろうか。」というものである。

 いつも6カ国協議が暗礁に乗るのは、こうした北朝鮮と中国の利害を読み違えたり、中国にあらぬ期待をしたアメリカの誤算によるところが大きい。民主主義の力を信じ、国民の幸福、いや、経済発展を国の目標とするアメリカの思惑は、こうした独裁国家を前に常に裏切られる。人民解放軍の縄張りである中国のこの方面に対する政策と金一族の目標は一致している。それは支配そのものであり、経済発展よりは軍事力の方が容易であるからだ。当然、これに群がる国営企業は様々な利権をむさぼっているに違いない。北朝鮮軍は人民解放軍との強固な結びつきで成り立っており、誰もそこに介入できないのである。金一族はそうした利権集団の上にたつというより、彼等とのバランスに気を使う。だから、金正日の息子、金正雲を後継にする場合、先は軍の利害関係人の承諾、利権付与、さらには中国に行き、人民解放軍系列の政治家などにメリットを与え、その承認を得なければならない筈で、その作業に数年を要するのだ。

 アメリカの国務省はそうした関係を無視して、アメリカ市民の顔を見て交渉に望むからいつも裏切られる。北を経済封鎖し、経済的な利点を餌に核の放棄を働きかければ、いつかは北は折れるだろうと考える。しかし、彼等の考えは軍事的パワーバランスしか念頭にはない。アーミテージあたりは分っていても、国を説得出来ない。今は民主党政権であり、基本的にはCIAベースで動くから、結構現実的に対応する。とはいえ、おめでたいアメリカ世論には裏の話は出来ずに、民主主義的な政策しか話せない。そして、甘い期待が裏切られた後は、厳しい敵対関係となるのが、アメリカ国民なのである。TPPはその一歩である

 北朝鮮はかつて高句麗であった。この国の領土は今は中国領の、かつて満州と言われた地域の半分位も支配していたこともある。南朝鮮とは文化も違う。朝鮮ではこれも含めて大国家があったと思いたいがそれは夢想である。高句麗では過酷な支配が続いて、今も金王朝が続いている。この高句麗は中国に取っては属国であり、今も、そうした地勢的な戦略で中国は北との関係を続けている。中国は共産党支配であり、国営企業が利権を握り、そうした内部の権力系列が、地域支配にも及んでいると考えた方がよい。この北朝鮮周辺は、人民解放軍の勢力が強く、それに連なる軍需産業など関連企業が潤っているに違いない。

北朝鮮が、何故、原子爆弾を製造できるかというと、これは自主開発などではない。そんなエネルギーがある筈は無い。パキスタンもそうだが、当然、中国の技術が流れていると見て良い。カーンという原子物理学者はそれを仲介したり、必要な機材の発注先を教えたりはした。そもそも、1人で原爆は作れないのだから。金正日が度々中国を訪問、中国からは故錦濤は訪朝したが、最近の事。朝貢的関係は続いている。

朝鮮戦争の同盟軍でもあり、中国は北朝鮮を絶対手放さない。その為には、北朝鮮は極貧国家でも構わないし、その体制維持の為に原爆開発を容認している。中国は北朝鮮の原爆製造を止めさせ、そのエネルギーを民生に向わせ、国民に楽をさせたいという気持はさらさらない。その理由は人民解放軍である。韓国との緊張、さらに、北が崩壊した時に韓国と米軍が北を支配して鴨緑江まで侵攻する危機感を煽り、その存在をアピールしたい。又、北が、万一崩壊し、混乱を起こして難民が中国領に流入すればただちに、北に侵攻し、その行政を乗っ取り、中国の完全属国にして民生を安定させるという関係を維持したいのである。そのときの人民解放軍はまさに、かつての日本の関東軍の役割になる。金王朝が原爆に執着するのは、これでアメリカと対等の交渉力を持ったと思うばかりではなく、万一、国内でリビアのような独裁者に対する抵抗勢力が金一族を襲ったときには、原爆で自爆し、敵もろとも吹き飛ばす算段なのである。これはイスラエルの原爆も同じ役割である。違うのはイスラエルは自爆を本気で考え、外交手段には使っていない。何とももの凄い国なのだから、我が国はこうした国の恫喝も受けているという事を肝に銘じる必要がある。

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 韓国料理はプルコギだの、焼き肉、チゲなどそれなりに美味い。しかし、何となく上品さとか、繊細さに欠ける。腹ぺこ人間の堕落した感性を刺激して、仲間意識を高めるには良い。モツナベとか、カムジャタンなど、B級、C級料理がうまい。トッポギなどは少し食べただけで、おなかが膨らんでくる。それは彼等が戦争や、極貧の中から絞り出した知恵が込められた食事、美味さなのだ。鍋も食器も無いとき、困窮の中からどこかで見つけた鉄板で焼く肉やホルモンが食材になった。大体、肉は豚肉が中心で、鉄板でキムチと一緒に焼いた残りは捨てずにご飯とグチャグチャにして食べる。無駄が無い。このこびりついたようなところに味が濃縮されている。日本のもんじゃ焼きもそうだ。冷麺もなかなかのもの。田舎の農家が食べていたのだろう。チョンジュ(淸州)は韓国の食の街、ビビンパで有名だが、そこでマッコリを頼むと、何とアルミの薬缶に入っている。まるで、焼け跡闇市の感覚だ。これぞ、韓国の極貧メニューから発した連中の食生活である。しかも、無料で出てくるキムチや漬け物の数々に驚かされる。これを皆でワイワイ言って食べると実に楽しい。ビビンパなどのように、何でもぐちゃぐちゃにかき混ぜると美味い。奇麗な盛りつけとか、食器等は問題にならない。丸焼けから這い上がってきた庶民の味だ。
 
 チャングムの誓いで自慢げに韓国は料理の国のごとく描き、えらくご立派な食文化のようだが、宮廷料理とかいうのは大して美味くない。大体、一般韓国人はそんな料理の存在すら知らなかったのではないか。朝鮮の人々は、かつて肉もなかなか食べられず、穀物とキムチで生きてきた。チャングムの誓いも大王四神記も単なる彼等のドリームなのだ。李氏朝鮮時代は、衣装も殆ど白ばかり。それは白という純粋な色が好きだったのではなく、単に染料とか、着色技術が無く、作れなかった。その証拠に韓国陶器には色絵は無い。倭冦で襲って来る日本人の華麗な衣装を敵視していた。何故、今の北朝鮮の金王朝が崩壊しないかというと、人々は昔からあんな国だったから慣れている。
 このことはモンゴル史の宮脇淳子博士がyou-tubeで説明してくれる。
http://www.youtube.com/watch?v=dazJbEyRq8w&feature=youtu.be
韓流歴史ドラマのターゲットは実は日本人である。韓国は400年前、こんな素晴しい文化を持っていた。それを破壊したのは日本人だと言いたい。ソウルの景福宮などに行くと、秀吉が元の建物を破壊したと必ず看板に説明がある。ソウルの総督府の立派な建物は取り壊された。韓国人が最も我慢のならない現実が次のことである。韓国の近代化に貢献した日本の役割である。これは全て否定したいが、無理、無理。
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 日本が支配出来たのは、日本の統治の方が庶民にとって彼等の生活レベルが上がったからだし、ハングルを普及させた日本の政策により、国民の識字率が上がったことは支配者も都合が良かった。伝染病の予防や出生率の増加、教育施設では皇民化教育、日本語やハングルの教育が進められた。天皇崇拝の強制と創氏改名は民族的屈辱とされるが、変えない人は40%もいた。当時は合理的理由があった。これだけ、李氏王朝の横暴から人々を解放し、日本人と同等の教育を与え、戦後はきちんと賠償した上、何度も謝罪、そして、今は製造業を伝授して韓国料理を愛し、韓流ドラマを楽しむ日本に韓国は感謝こそしても、日本に謝れとは言える義理ではない。民族のプライドを傷つけられたのではなく、これを植え付けたのは日本であり、彼等は日本人の愛国心を見て目覚めたのである。今の韓国人はこのことに気づいているのだろうか。

 韓国に行ったのは、もう8年前の事。韓国の剣道クラブと楽しく懇親したことが思い出される。韓国剣道連盟は、剣道は韓国がオリジナルであると主張しているが、本家の我々には一切そのような発言は無かった。実は彼等も知っている。歴史に真実を求めている訳ではないのだ。歴史なんぞ常に支配者が自分の都合で書き換えるもの。人の生き死にも都合でどうにでもなってしまう。北朝鮮の拉致被害者の問題はまさにそうした感覚の結果であるが、都合が悪ければ生きている人間も死んだことになったりするお国柄。連盟とか団体の論理になるとさらに極端になり、白も黒となる。彼等は剣道をオリンピック種目にして、何とか日本に勝って、韓国こそ剣道の本家になりたい。全く寝耳に水みたいな話だったが、結構マジなのだ。それは理由がある。韓国では、日本からの文化流入には警戒感が強いから、そうした理屈が必要なのだろう。しかし、現地に行けば日本の剣道は敬意を持って受け止められており、全体の水準はそれほど高くはなかった。何と、近年、若い人達の技量は向上し、日本から大学生が遠征すると負けて帰って来る。来年の世界選手権では日本の優勝はかなり危ない。とにかく彼等は日本を常に意識し、日本との競争で勝つ事が国際的な地位を向上させ、彼等の産業も向上すると思っている。その割りには日本を貶めることに熱心だ。国際社会では何も総力戦をしているわけではないので、局地戦で勝てばいいと思っている。ただ、一人一人の国民感情はそのような単純なものではない。ところが、韓国のマスコミや政治家の態度は、いつも日本に対しては鬱屈したものがあるらしく、過剰だ。特に、海外に行くと日本を叩いてのし上がろうという輩は多い。これがあまりにも目にあまるなら、韓国人は犬を食べるのが大好きだということを犬好きのイギリス人やドイツに言いふらして国際的認識を改めてもらえばいい。

 アメリカで日本料理と称し韓国人経営のレストランが似て非なるものを平気で出す。剣道はKUMUDOと称して韓国がオリジナルであるようなデタラメを宣う。彼等のテコンドは韓国産だが、これは沖縄空手を習った韓国人が自己流で換骨奪胎したものであることを全く韓国人は知らない。特に海外ではそうだ。心あるアメリカ人はちゃんと知っているが、アメリカ人に取ってそれほどの差を感じないのかもしれない。でも、いくら為替の影響で、韓国の白もの家電が安いからと言って、アメリカ人は買ってびっくりするだろう。いくら洗濯しても汚れが落ちない洗濯機、すぐに壊れる掃除機など。
 連中はやたらアメリカのいい子になって日本を蹴落とそうとする。彼等の狙いは虎の威を借りる狐である。これは宗主国を抱いて来た民族の宿命である。しかし、本当はアメリカ人はそうした韓国人を馬鹿にしている。米韓FTAで先を越されたといって慌てる必要は無い。油断は禁物だが。

 先日韓国とアメリカとのFTAで李明博大統領が訪米し、オバマ大統領とのレセプションで日本の和牛ステーキと寿司(カリフォルニア巻きらしい)が出た事を、韓国のメディアは屈辱と抗議していた。サムゲタン出せばいいのに、キムチも出なかったのか、気が効かねー。自業自得ではないか。韓国の肉はうまさの点では遥かに日本に及ばない。韓国人も寿司は大好きで韓国でもお店は多い。では、コンソメスープやキャビアはいいのか。くだらないではないか。そうしたインチキ論理を振りかざす韓国人のメンタリティが嘲笑の対象なのに気がついていない。アメリカはそのことを気にして、レセプション前日は焼肉店でのオバマと李との食事を演出したが、そのことは報じない。さらに毎日の韓国焼き肉連ちゃんがアメリカ人に酷ということに気づかない。実は韓国の焼き肉は在日韓国人が朝鮮半島に戻って普及させた。今どこにでもある無煙ロースターは日本人のアイデアです。

 今、日本でも、アメリカのゴルフツアーでも、韓国人プレーヤーが大活躍。でも、アメリカではどれだけこの事に迷惑しているか分らないのだ。あの申智愛(シンジェ)、アン・ソンジュとかがトップに立つと、テレビのスィッチが切られてしまい、スポンサーが逃げてしまう。日本でもキム・ナリとか、全美貞あたりなら、整形美で何とか様になるが、プロゴルフも勝てばいいという問題ではない。とにかく、あのデブのプレーは酷い。彼等はスポーツは強いが、プレーに美を感じない。日本は宮里藍とか横峯さくらチャンは美には気を使っている。最近やたら美少女ダンスが受けているが、連中にゴルフさせてほしい。韓国選手を入れる時は、同じ組でなくともいいから、KARAとか少女時代が次の組で一緒に回ってもらいたい。相撲取りルックスのプレーでうんざりしたら、連中のヒッププルルンとか、ヘソだしルックでOB出した時、アララ、アララとやってくれればいいの。へたくそでも文句は無いね。失礼、こりゃ下品か、言い過ぎですまん。


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TPPに攘夷論はいらない。民主党の国際感覚が江戸幕府なみであることは認めよう。でも、反対派がこれを幕末の不平等条約に例え、賛成派が開国になぞらえルるのは単なる政治家のレトリックで問題の本質が分らなくなる。

 最近のTPP問題にはマスコミ、産業界、民主党政権、特に前原など異常なコールである。こうした時こそ危険が潜んでいる。あれだけ農業従者が嫌がっていることであれば、充分な説明と、これまでの農業政策の過ちをきちんと説明して、被害をどのように最小限とするか提案出来なければいけない。ところが、彼等が、交渉もする前から不平等条約とか攘夷論のような論点にすり替え、政治としては単なるゴリ押しになってしまいそうな勢いだ。推進派も何が日本の開国だ。もうとっくに開国しているのに。日本は自動車産業や家電メーカーだけの国ではない。しかし、攘夷的な原則論に火を注ぐような論点もまた危険だ。TPPを進める政権党の心もとない感じ、デフレの出口が見えない事、アメリカの不況、中国の台頭、韓国との競争さらには震災復興と国庫の逼迫、少子化、消費の低迷などをこのTPPにからめて論じるのはまるで、夫婦喧嘩で茶碗や靴が飛び交っている様相だ。マスコミはきちんとした議論や提案が出来ないのか。

 TPPはTrans-Pacific Partnership、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement
だから、環太平洋の条約であり、アメリカが一番大きな影響力を持つのは当然だろう。
これはアメリカの陰謀だとか、分けの分からんことを言う人がいる。当然アメリカは色々考えている。しかし、これは、2006年にAPEC参加国であるニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイの4ヵ国が発効させた、貿易自由化を目指す経済的枠組み。工業製品や農産品、金融サービスなどをはじめとする、加盟国間で取引される全品目について関税を原則的に100%撤廃しようというもの。2015年をめどに関税全廃を実現するべく協議が行われている。この協議に加わる事がそんなに問題か。

 TPP参加が今後の日本の将来を決める重要な問題であることは論をまたない。このような国際案件は原理主義では全く解決でできない。むしろ方向を誤らせるだろう。一かゼロかという議論をする段階では既に無くなっている。しかし、反対論者は問題を正しく掴んでいるのか。危惧が反対の原点か、これは単なる攘夷主義とか、原理主義ではないか。とにかく、国民の懸念を煽るだけの論が多すぎる。自分も手を挙げてTPPが良いとは思えない。想定外のことはこれから続々と起きるだろうが、想定出来ることは何とか交渉の条件や対策を図るならば恐れるには足らない。世の中で大事な事は想定外の事に素早く対応する危機管理力ではないか。国益にかなわなければ参加しなければ良い。
完璧に日本にだけ有利な国際交渉などありえない。日本人はビジョンとか戦略は苦手だが、対策は上手な国民だ。勿論、野田政権が TPP交渉を国民の誰もが納得出来るとは思えない。しかし、実際に行なうのは彼等というより官僚達である。他に出来る人はいない。

 TPPが日本の国際取引の無条件降伏のように言う事は杞憂、交渉や条件次第だろう。それはまかり間違ってそうなることがあって、避ける事ができないならば本当に最悪である。目に見える危険は避けなければならない。今TPP交渉をするのは無条件にならないためではないのか。20以上の分野全てが無条件ではない。医療、弁護士、教育など専門職種を要する分野など、同等ではない。
TPPが農業問題ではないというのは分るが、最も影響を受けるのが農業だから問題なのだ。これにはもっと真面目な議論が欲しい。農業者は被害者意識だけはなく、農業を保護主義から脱却してどう改善するか、対応を提案してもらいたい。これまで、日本は石炭産業とかアルミ産業など切り捨てて来た。農業は切り捨てる訳にはいかない。原子力だってそうだ。数十年間、日本国民が自らの手で、一向に解決せず、損失補償給付金とか、減反、誰も食べない穀物に補助金が浪費されている。この問題の圧力団体、農協は全く消費者を無視している。農協を離脱した農家に成功例が出ている。そもそも既に農協は集票力も無い。大体、日本人は米を昔のようには食べていない。アメリカの米はうまいものもあるが、良質の米を造る技術のイニシアチブを日本は取ることができる筈。特に、中国の富裕層は日本の米を競って買う。こうした米を売っているのは農協を通さない起業的農家だ。80%の農家は赤字だが、実際は自己消費している。出荷しているのは補助金で膨らませた売値のもの。高い米を我々は食べている。競争原理を欠いた市場は、生産者を育てない。66歳以上の高齢者が農業従事者であるから対応出来ないという声がある。しかし、補助金で食べている未来の無い産業に若者は魅力を感じない事が分らないのだろうか。
  TPPが我が国の閉塞感を打開出来るかどうかは今後の構造改革次第である。でも、日本はこれまで多くの国際的な条約や公約を放置して来た。鳩山の普天間や地球温暖化対策の炭酸ガス排出規制もそうだ。
 日本人は明治維新と敗戦時以外は自ら自分の問題を解決しなかった。これは過去の歴史が証明している。自己改革能力は全くと言っていい程ない。性懲りの無い国民だ。これまでも、日本はアメリカに何も言えない情けない国だ。それは実は東西冷戦の結果アメリカに保護されて来たからだ。日本製品はどんどんアメリカで売られて来た。多分こうした事態に手をいれてこなかったアメリカの政策は昭和天皇の崩御で終わっている。日米の自動車や繊維の貿易摩擦、オレンジ交渉がどうだったか思い出してもらいたい。そのことに気づかず、この20年間何故バブル崩壊から停滞の20年を過ごして来たか反省したのだろうか。唯一上昇したのは小泉がアメリカにすり寄った時だけではないか。アメリカという日本に取って最も重要な国が望んでいることを真剣に検討していない。それは反対する事で自説に権威づけしたり、それで収入を得ている文化人がいるからだ。
 
 アメリカと日本のGDP比較で大量の生産物がなだれ込む危機感をあおることは正しくない。これは消費者が決める事、GDPは国内消費に加え貿易収支など産業指標の合成だから、単なる分量やシェアだけでは語れない。アメリカが大きくなるのは当たり前。アメリカはドルを増刷し、価値を下げて対応できる世界唯一の国。でもこれはリーマンショックで終わりだ。TPP反対論者は単に日本の小さなことを上げて国民を脅している。こうした差を乗り越え,今日まで日本は国際競争を戦って来た。韓国のTPKと比較する反対論があるが、対米依存度は日本の比ではないし、韓国が中国や北朝鮮の脅威にさらされている国だということを無視している。韓国は戦略上世界で日本のシェアに食い込む事ことばかりを考えている。シンガポール、マレーシアと韓国の関係を語らずに、韓国FTAを例に挙げるのは乱暴ではないか。
 
 医療が自由化されることはあり得ない。しかし、日本の医療は海外から閉ざされた領域だ。インドネシアから看護師を数千人も入れておきながら、語学教育の訓練もせぬまま、看護師の資格試験を受けさせて、有能な看護師も使い捨てにして来た。日本は医薬品でも国内の治験が効率が悪いから外され、抗がん剤を始め、新薬の使いにくい国だ。これは医療が国際的にも共通の技術分野であるのに、国の指導で閉ざしている結果、割りを食っているのは国民。日本の医療水準は今やレベルはタイ並みという事が分っていない。この際あらゆる分野で棚卸ししてみたらいい。
 TPPで江戸幕府の不平等条約締結を例にするのは全くの間違いではないか。それなら、歴史観として、明治維新も開国も敗戦の原因だ。ここでそんな歴史観を持ち出すのは全くのアナクロニズムか詭弁。そんな原理主義よりも今の閉塞した日本をどう世界に伍して行ける国、新たな富国強兵策を出してほしい。菅政権が尖閣列島でやったことは例にならない。論外だ。あれは特に、情報公開しなかった事、司法の判断でごまかした事など。行政ミスである。そんなことをTPPに持ち出すのは全く反対の為の反対という感じだ。
 日本が貿易で海外から評判が悪いのは関税よりも、非関税障壁だ。規制緩和がなされていない。例えば、建材など、海外の良質な製品が,様々なルールで使えないようになっている。市場で勝負していない。日本の自給率というのは殆どが国内の食料として自給しているものばかりで、先進国ではこんな事とはあり得ない。生産額ベースで70%というのはそんなに低い数字ではないが、イギリスではマトンやチーズ、ビールなど、フランスはワインなど海外に輸出し、それも自給率の分子分母には入っている。だいたい、カロリーベースというのはアメリカのオレンジ輸入を防衛する為に日本だけが考え出した数字で世界では全く採用されていない。日本人はもう米に頼らず、スパゲッティや牛肉、中華材料のピータンとか、韓国キムチも食べている。ウドンの90%はオーストラリア産で、日本の麦は補助金の乗った家畜の餌だ。このために日本の畜産コストが上がっている。日本の農産物はリンゴ、柿、苺など世界で賞賛されているものがあるが、少しも輸出されていない。山形県の立派なサクランボは一部の人間のものだが、同じものが3分の一の値段でカナダやアメリカで売られている。消費者はそちらが欲しい。ワインやチーズ、ハムなど高付加価値のものになっていない。むしろ入超である事が問題なのではないか。
 
 今の政権批判は常にあること。では自民党なら出来るのかといえば全くだめ。野党としてのキチントした批判も議論もできない。ただ煽るだけ。問題はドンドン放置され、意思決定の早い韓国や中国に先を越されつつあることだ。これは本質的な政権党の能力問題であって、TPPとは別問題だ。普天間や尖閣列島、竹島、北方領土も国際的な世論を,味方に付けなければ解決出来ない。国際的な日本の地位は国防にもつながるから関連するだろうが、ここはTPPに限って議論しよう。現政権が国際交渉能力に欠けていることは分る。でも、問題は拡散させずに領域の広いテーマであるTPPに絞ってもらいたい。
 むしろ、一挙手一頭息をあげつらうマスコミや知識人の無責任な言動が国益に反していることもある。そうした風潮が沖縄の普天間問題も難しくし、沖縄の戦略重要性を沖縄県知事の立場を不必要に強めている。交渉もせずに、始めから方法について語るのは違和感がある。そんな事行っていたら外国との交渉は誰も出来なくなる。多分、野党は民主党がTPPを放置したら、早速バスに乗り遅れたと攻撃するだけ。無責任な野党である。TPPがアメリカの雇用政策の一環であり、経済不振の打開策だと言うが、それは当たり前の事だ。では日本は何をしているのだ。

 アメリカの経済不振の原因が貿易の不均衡であるなんてアメリカは実は思っていない。本当は分っているからアフガンから撤退しはじめ、イスラエルとパレスチナの衝突を避ける為にハマスとの妥協を静観している。貿易不均衡は原因の一つではある。どんな国だって自国の商品を買ってもらい、貿易収支を改善したいに決まっている。アメリカの国際収支悪化や国家財政の逼迫はひとえにイラクとアフガニスタンでの戦争のせいである。軍事費では100兆円もの国庫負担を積み重ねてきても、儲かるのは関連産業だけ、それによって国内経済に循環するものは殆ど無い。この戦争による負の資産はは400兆円だとスティグリッツは言っている。そこではハリバートンや兵器産業だけが儲かる構造である。アメリカの雇用悪化は製造業の不振、特に、自動車産業の売れ行き不振がどれだけ雇用悪化させたかを見れば一目瞭然だろう。個人消費につながる工業製品はかつての栄光を失い、アメリカが発明した現代商品は皆輸入されている。あの国ではテレビもカメラも、家電製品、衣服も皆輸入で国内メーカは消えた。雇用を回復させるものは消費物資関連産業のイノベーションしか無いのである。デフレ対策に金融政策が通用しなくなって久しい。何故、これが効かないのか。藻谷氏の「デフレの正体」を読んだ方が分かり易いし、今更、ケインズを持ち出しても、今の解決にはならない。


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  世界三大テノールというのがあった。ドミンゴ、カレーラス、パバロッティだ。しかし、三大ソプラノというのは聞かない。というのは20世紀最高のソプラノ、マリア・カラスが群を抜いているからではないか。また、ソプラノの絶頂期はおそらく、それほど長くはないのだ。20年以上も続いたソプラノはシュワルツコップくらいだろう。とにかく、1950年代のマリアカラスは、まさに伝説の人。you-tubeでマリア・カラスの歌声を聴いたのだが、録音の悪さをものともしない迫力。

 世紀の歌姫と言われた彼女の歌声を聴いてみようとyou-tubeを検索。最初に聞いたのが1973年に、来日し、NHKホールで収録されたものだった。げつ!これがマリアカラス?という感じだった。4年後に彼女は亡くなっている。いやはや、日本も当時は高度成長期最後のバブルで、ふんだんにギャラを払って、死ぬ前の彼女を2度も呼んでしまったのだ。50年代は日本はまだ、腹ぺこで貧乏な国、パリやNYでオペラを鑑賞する人は少なかったし、彼女の声はレコードでしか聞けなかった。実際に彼女のオペラを聞いた日本人は殆どいなかったのではないか。オペラは欧州社交界の華、外交官ですらそんな余裕はなかったと思う。彼女の偉大さはオペラにあり、その既成概念を覆し、そこに演劇の要素を注入した。彼女程多くのオペラをこなした人はいない。

  日本公演でも、期待があまりにも大きかったために、その落差に驚いただけで、これはロンドンカムバック講演でも同じだったが、大喝采は受けていた。そのオーラは残っており、鯛には変わりはなかった。一番苦しんだのは彼女だ。残念ながら彼女は離婚悶着やオナシスとの生活とかで9年近くブランクが生まれ、日本に来た時は50才を過ぎ、鍛え抜かれた声は失われて、既に老後の生活に入っていた。しかし、我々はあの30才台の歌姫、虚像を聞いていた。彼女にしてみれば我々の誤解だった。

1956年頃のマリアカラス
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 かくも高名なマリア・カラスだが、彼女の声の絶頂期は1950年台〜65年の間。しかしその最盛期、30歳代前後の彼女の素晴しさは、やはり、歴史に残るものだ。やっとLPが出た時代の寵児だった。長期間の訓練に裏付けられて安定していた彼女の声は、不規則なプライベート生活や、ベルカントの難役を歌い続け、声を酷使した為に急速に失われてしまっていたのだ。結局1965年の『トスカ』の舞台を最後に事実上の引退だった。何と、引退して8年も経ち、日本に来て4年後の1977年に彼女はこの世を去る。このNHKの収録はカラス最後の公演だったようだ。その意味で貴重だが、確か、自分が中学生のころレコードで聞いたカラスの声はこんなもんじゃなかった。彼女の声は、大空に突き抜けるような、力強く、透明なソプラノだった。you-tubeではその絶頂期の歌声にふれることができた。勿論今なお多くのCDが売られている。you-tubeではNHK特集番組、夢伝説~世界の主役たち 1:55.30 「永遠の歌姫(ディーバ) マリア・カラス」 黒柳 徹子 なかにし礼 などの対談が邪魔だが、彼女が12歳の時最初にNYの放送局で歌った録音が聞ける。
(http://www.youtube.com/watch?v=gB63Y69yr8c)
また、1952年の絶頂期の歌声がyou-tubeに入っている。(http://www.youtube.com/watch?v=CmcG8fcVWkk&feature=results_video&playnext=1&list=PL79DCFA2ED7F9FE8A)

you-tubeが凄いと思ったのは、彼女の1947年のスペイン公演も収録されている。1947年イタリアのフェニーチェ座で『トゥーランドット』他の上演でデビューしたわけだから、その直後だろう。もう一度検索したいが残念ながら出てこない。録音は技術的にも良くないが、その力強い音量と、頭の上、いや、天に抜けるような声の力が伝わって来た。何といっても、1962年NYのカーネギーホールでのカルメンのハバネラと、73年のNHKホールでの声とはまるで別人であった。しかし、あの偉大な歌手の最後の歌声という意味に於いてNHKの記録は貴重である。
海外のドキュメンタリーでは
http://www.youtube.com/watch?v=SmuCHVzK9aA&feature=relatedが画像もきれい
彼女を描いたドキュメンタリーは数多い。
2003年に見た映画で「永遠のマリアカラス」というのを思い出した。華やかな舞台から姿を消し、パリでひっそりと隠遁暮らしを送るマリア・カラス(ファニー・アルダン)。美声を失い、愛するオナシスを失い、失意のどん底にあったカラスを救おうとかつての仕事仲間ラリー(ジェレミー・アイアンズ)は一枚の企画書を手に彼女を訪ねる。それは、果せぬまま・・・・・・

ペール・ラシェーズ墓地にあるカラスの墓碑
1977年9月16日、ひっそりと暮らしていたパリの自宅にて53歳の若さで短い生涯を閉じる。とある。

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Genesis 1-26〜27
Then God said “ Let us create man in our image
after our likeness.
And let them have dominion over the fish of the sea
and over the birds of the heaven ,
over the livestock ,over all the earth and over every
creeping things that creeps on the earth.
So God created man in his own image,in the own image
he created him; male and female he created them.

創世記1章26〜27節
神は言われた。我々にかたどり、我々に似せて人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、地の獣、地を這うすべてのものを支配させよう。神はご自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。
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赤い三日月 小説ソブリン債務 黒木亮著

物語の舞台は1980年代終わりから90年代のトルコ。巨額の対外債務を抱えたトルコ、外国金融機関からの資金調達に奔走する女性財務官僚と国際協調融資団の維持に奮闘する東西銀行の但馬。この銀行は東京銀行を思わせる。政治家の介入や湾岸戦争、米格付け会社による格下げ、さらに米財務省も絡む。複雑な構造の国際協調融資を臨場感とともに学ぶこともできる。実際に国際金融の現場を踏んだ著者がシロオトにも分かり易く話が展開し、巻末には、基本的な金融用語が解説される。スプレッド(利息サヤ)、主幹事といった、金融マンが平常使う用語がちりばめられており、実際にその融資団の編成現場にいるかのごとき雰囲気でストーリーを追うことができる。金融機関に進みたい商学部などの学生には必読だと思う。ロンドンのシティとか、イスタンブールの町並み、トルコ料理などが結構頻繁に登場し、旅行気分も味わえる。銀行内部の勢力争いや妨害を乗り越え、奮闘する駐在員の奮闘が良く描かれている。自分の友人も、何人かが駐在員として海外の融資事業に取り組んでいたが、彼もこのような経験があったのだろうか。

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 今の民主党政権は財務省の指導下にあるようなもの。勝栄二郎事務次官率いる財務省は当たるところ敵無しだ。彼は勝海舟とは関係ないそうである。復興財源にせよ、円高対応にせよ彼等の知恵が無ければ全く動きが取れない。そこをすかざず、彼等は付け入り、野田政権を完全に支配している。政権交代のあと、次々に首相が替わり、小沢排除などの党内対立を抱え、揚げ句に民主党はマニフェストも後退している。こんな混乱の中なら、財務官僚が入り込む隙などいくらでもある。野田総理が消費増税についても同じ調子でどんどん推し進めようとしていることが安住大臣の発言につながっているのだ。安住財務相は来年の通常国会で法案を提出することを明言。先日はG20でも同じことを言って、増税を国際公約してしまった。
 国際的なPRまで行なって、実行しようとしている。自民党がこのことを又ヒステリックにわめき立てているが、彼等が政権党であれば同様にやった事だろう。どうせ財務省の演出に乗っているだけなのだから。今の日本はギリシャ化の道を辿っている。消費税を言うなら、民主党の基本公約とは違うのだからいずれ2年以内に解散総選挙だ。その時にいきなりでは、菅直人の徹を踏んで選挙には勝てない。だから、今なのだろう。

 ギリシャ政府は2日、正規雇用の公務員約76万人のうち3万人を今年末までに解雇する法案を閣議決定した。欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)のギリシャ支援調査団が29日からアテネ入りし、その指摘に対応したもの。ところが、これを外国の干渉に屈服したと、デモが盛り上がってしまった。解雇は定年の近い人員が対象という。ベテランの引退が社会の崩壊を一層早める。そもそも年金受給率が高いのだから、年金支給年齢と支給率を下げる事は必要だ。しかし、年金受給者を増やさないように年金より生産性の高い仕事や公共事業の一部を民営化して、そこに彼等を回して雇用を確保し、民間事業の活性化を図るべきではないのだろうか。ギリシャでは90年代以降、政治家が支援者に公務員ポストを与え続け、一時雇用も含めると公務員が全労働者の2割を占める。年金は58歳から支給され、定年時の96%が確保される。しかも、死亡しても届けず、不正受給している人が4500人もいると推定されている。IMFは昨年来、ギリシャの公務員人件費の多さを問題視し、公務員数の削減を求めてきたが、組合の抵抗などからギリシャ政府は拒否してきた。公務員を減らすということがいかに大変なことかが分る。ギリシャは財政赤字を粉飾し、税金の徴収も穴だらけで、脱税天国である。買い物をしても領収書を出さない商店。プール付きの家は実際の20倍もあるのに公務員は調査を怠って来た。最も責任ある財務省の職員が自分達の庁舎を占拠し、今回の暴動の中心なのだから全くあきれる。組織の責任と個人の責任が全く分裂している。自分の責任ですら他人のせいにする国民性なのだろう。そもそも、自分達が築いたわけでもない、遺跡観光が資源として産業の70%、他はオリーブしか無い国。3時間もの昼休みと昼寝、世界一のセックス好きの国民性。1000万人ほどの人口だから、GDPから神奈川県程度の国が潰れても大した影響が無いかと思いきや、積もり積もった借金踏み倒しでEU諸国の財政支援にも限度がある。穴の空いた桶に水を入れろと言う訳だ。でも漏れる器はポルトガルやスペインといったナマケモノ国家も抱えており前途は多難だ。連鎖が防げるという保証は無い。アメリカ国債という「優良国家」を中心に債権大国の日本は円高になるのは当然だ。日本は大債権国家だが、その債権は皆ドル建てじゃあないか。ドルが減ればその価値は下がる。海外投資もドルに替えなきゃ回収不能で、一緒に沈没なのだ。3年間のドル安で日本の債権は100兆円減少したと産経新聞(田村秀男編集委員記事)と伝えている。民主党政権がボヤボヤしている間にである。

 そうした、問題を抱えるEU諸国を前に、税負担に耐えられる国、日本はさぞ輝かしいことだろう。大震災の復興ももろともせず、税負担に耐える国民を担保にできる。しかし、予想外という事は政治の世界にもある。霞が関の官僚は、彼等が国家であり、国民は納税マシーンでしかない。消費税さえ作れば自分達には火の粉が降り掛からなかからないと思っている。確かに消費税率は先進国でももっと高い国は沢山ある。しかし、産業の発展についてのビジョンも方策も無ければ、残るのは税金である。デフレで消費が落ち込んでいるときに消費税とは全く世の中を見ていない。震災復興には長期の復興債、産業の振興には成長期待の産業への減税、高い兵器を買わないためにも、兵器輸出三原則の撤廃だろう。公務員の天下りと、株式や土地などの資産売却も必要だが、大震災の復興を逆手に、地域開発のきっかけとして、農林漁業の再編成を図ることではないか。その為に都市計画と公共事業を集中的に行ない、税金の民間への還流を可能にする。医療福祉が崩壊しつつある。この分野はそれ自体は再生産するような経済効果は薄い。しかし、周辺事業として医療機器、製薬、介護関連サービスには大きな市場がある。円高を利用して海外の優秀な人材を集め、教育や研究開発に活用するチャンスではないか。特に資源再生エネルギーの開発には集中して英知を集めればいい。かつて強いドルと国家の安全を餌に、世界から優秀な科学者を集めて原子爆弾を作ったアメリカに習うのだ。ドイツも日本も不可能と諦めた原爆の製造、マンハッタン計画は4年程で完成した。消費税を言うなら、行政改革と、産業構造改革を同時にすすめるという固い決意を野田首相は宣言すべきだ。
 TPPが無ければ絶対に農業は産業として成立しない。かつて、バナナを自由化しようとした時、当時庶民の果物の王者だったのがリンゴで、一番反対したのが青森のリンゴ農家だった。でも、彼等は懸命に品種改良し、今や、日本のリンゴは世界一だ。

 国民不在の行政を続ければ、従順な国民だってどうなるか分らない。というより、暴動を起こす気力のある人間すらいないだろう。この国は年寄りばかりになって、やる気のある若者は海外に、意欲の欠けた人間は国内に留まり、海外競争力の無くなった企業は赤字に悩むことになりそうだ。要するに、シャッター通りになった地方都市が残り、大規模ショッピングセンターのような活力ある企業、ユニクロのような会社が海外で国際化されて生き残る。そんなことは5年すれば実現してしまう。福祉が税金でまかなわれている以上は、この費用が増えれば税金を上げるのは当たり前だ。しかし、それを言っても何も解決しない。政治家は消費税という目標を掲げるのみならず、それを実施するために何が必要か、どんな対応があれば経済が減退しないかというロードマップを示すべきだと思う。



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by katoujun2549 | 2011-10-20 15:47 | Comments(0)
世界三大スープとは、ブイヤベース(フランス)、トムヤンクン(タイ)、フカヒレスープ(中国)という説、また、コンソメ(フランス)、トムヤンクン、ボルシチ(ロシア)という人もいるが、決着のつく話ではない。でもトムヤンクンは常に入っている。だが、一番作り易いのはボルシチである。キャベツ、牛肉、ジャガイモ、タマネギさえあれば何とか作れる。ところが、ロシア人のものとなると、途端に難しい。それはビーツという野菜が最近なかなか手に入らないからだ。缶詰も売っているところが減った。実は、ビーツを使わずに、トマトケチャップを使っても美味しい。あまり失敗が無いというのも良い。今回は2日にわたって作ったことになる。最初はポトフでこれをベースに翌日作った。

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しかし、ビーツが手に入った時には必ず作る事にしている。時々近所のスーパーで思い出したように売られることがある。一個500円くらいで野菜としては高い。缶詰なら230円で味はそれほど変わらない。日本橋の三越野菜売り場にはビーツが無かった。中野駅前のピーコックには缶詰が売られていたので、早速購入。今日はボルシチにしよう。ボルシチはロシアの典型的家庭料理だから、バリエーションも様々である。ソーセージやベーコン、キノコを入れても構わない。今回は冷蔵庫に残っているものを使う事にした。
 ボルシチにはいろいろなパターンがある。具がそのままになった野趣のある雰囲気のもの、具をミキサーに入れてポタージュ状になったもの。あるいおはその中間のものなど。

下は完成したボルシチ
 
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様々なボルシチ
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 持て余し気味だったキャベツを半分程ざく切りにし、人参1本、ジャガイモ2個は大きめに切る。しばらく水にさらしておく。肉は牛肉のスネ肉が500gほど。ニンニクを細かく刻み、タマネギも一個スライスして先はオリーブオイルできつね色になるまで炒める。そこにスネ肉5つの塊を炒め、色が変わったところで水を800cc注いでぐつぐつと煮る。冷蔵庫にあった熟れ気味のトマトを鍋にいれ、さっと取り出して皮を剥き、これも刻んで入れた。しばらくしてスープの味見をすると、すでに美味しいスープがじっくり出ている。適当に塩、胡椒、月桂樹の葉1枚、コンソメスープの素を2個入れてじっくり煮る。しばらく放っおいてテレビを見ていたが、気を取られて時間を忘れてしまった。しまった、と思い鍋を見ると、キャベツがトロリとして、ジャガイモも形が分らなくなっている。肉は柔らかく煮えている。うーん失敗かなと思ったが、目を離した隙に家内がこのままでも上手いと食べた。要するにこれはポトフなのだ。自分もつられてキャベツを食べてみると結構いける味だったので、これにケチャップを大さじ二杯くらい入れて、もう一度煮て完成とした。そのまま食べてしまいお腹が膨らんでしまった。それでも、8割くらいが鍋に残っていたが、これをボルシチにする食欲と意欲がなくなった。中途半端に作ったまま、翌日の夕方まで放置。
 ビーツが手に入ったので、俄然やる気が出て来た。そこで。もう一度、ジャガイモを2個皮を剥いて二等分し、水にさらした後、鍋にいれた。さらに 買って来たビーツの缶詰を開けて、中のビーツを昨日の鍋に入れる。赤い汁は別に取っておく。冷蔵庫に残っていたしめじも一つかみ入れて再度鍋を15分程煮た。すっかり柔らかくなった肉は取り出し、厚めにスライスして取っておく。鍋のジャガイモは今度は大きめなので形が残っていた。これも取り出す。フードカッターで鍋の中身を生クリームも大さじ二杯くらい入れてミキシングし、ペースト状にする。これにビーツの赤い汁を入れ、赤いポタージュのようになったスープにジャガイモ、スライスした肉、鍋に残しておいた柔らかいキャベツも加えて5分程煮ると出来上がり。スープ皿に注ぎ、生クリームも少し入れて出来上がり。実に上品な味のボルシチである。2日がかりであったが、味がすっかりなじんでいる。大きめのスープ皿だったが一気に飲んでしまった。美味かった。

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経済古典は役に立つ 光文社新書 竹中平蔵

 アダム・スミス、マルクス、マルサス、リカード、マーシャル、ケインズ、シュンペーター、ハイエク、フリードマンといった代表的な経済学者を取り上げ、彼等の生い立ち、エピソード、時代背景、そこから生まれた考え方・理論などを分かり易く解説してくれる。これだけの経済学者の理論を新書にまとめあげた竹中平蔵氏の力量を感じさせる。また、彼は功罪あるにせよ、財政担当大臣として、小泉政権を見事に支えた。経済古典を彼は役立てた政策を行なったのだろうか。小渕内閣時代経済再生会議における政策立案の中心として活躍し、理論派として政策を実行した希有な人物である。シュンペーターによると、資本主義は絶頂に向い、その後、内部崩壊して社会主義に落ち着くんだそうです。資本主義が成功して、所得が向上し、ゆとりができると、批評家ばかりが多くなって、折角のイノベーションを潰しにかかる。何だか、竹中氏が大臣をやっていた時の恨みつらみのような感じもあるのだが。少子化、高齢社会なども予測されている。竹中氏はケインズを尊敬しているみたいだが、シュンペーターに親近感がある印象である。とはいえ、もし、政治家がi現代に当てはまるからと言ってシュンペータのような台詞を吐いたら、散々叩かれるだろう。彼が政治家としてはあまり成功しなかった理由がその辺にありそうだ。

 小泉改革は政策目標として見事な内容だったと思うが、政府の実行レベルにおいては多くの無理があり、竹中氏は政治家やマスコミからアメリカ化を図る米国の手先とか言われた。改革の痛みについて無神経なところを突かれた。市場経済の原理や経済自由の原則によって政策を立てること自体は間違ってはいなかった。ただ、政府の介入と規制緩和の実施機会を誤った部分はあるだろう。功罪あわせた結果は彼の合理的精神の所産であったと思う。我が国では合理的な目標を実行する為には機の遠くなるような多くの利害関係人を説得し、調整しなければならない。それが出来ないと散々な目に遭うのである。学者にはそこが苦手で出来ない。彼はCool head だがWarm Heart ではなかった。結果的に不況の脱出はならず、郵政改革も中途半端、それも無作為で抵抗したに違いない官僚の責任だろう。部外者のリーダーシップに抵抗する彼等のやり口で自分達の業績にならない事は骨抜きにしようとする。毎年3万人の自殺者がでていることは小泉改革以降顕著なのであるが、これは官僚がきちんとセーフティネットを用意しなかったからだ。

 官僚にせよ、経済界のリーダーにせよ日本は理念とか目標に対する仕組みづくりは下手くそである。経済学の古典を理解して政策に関与したその結果が現在の経済状況である事は残念である。これは彼の責任ばかりではない。例えば労働者派遣法の規制緩和が経営の合理化には役立つが、労働者の権利を損ね、低賃金や雇用の不安定化、若者のフリーター化を招いた。デフレの一因だが、これは合成の誤謬を管理出来なかった経済界、行政指導の間違いである。
 経済学の古典は、現実の問題を読み解くことから生まれた理論として高い評価を得る事になる。マルクスの弁証法的唯物論と労働価値説は19世紀の劣悪な労働条件と、資本家の専横に対する憤りが背景にある。ハイエクもフリードマンもその時代を説明する理論を展開している。だから、それらは過去の現象を説明している。しかし、現実の問題については18世紀も今も似たことが時折起きる。アダムスミスもマルクスも部分的に今なお現代を見事に説明してくれる。

 小泉内閣の経済政策の功罪の話になってしまったが、本書は、アダムスミス、ケインズ、シュンペーター、そして現代のフリードマンとハイエクが中心である。高校生でもある程度理解出来るから、経済学部を目指そうという学生は必読だと思う。しばしば市場主義者がアダムスミスの「見えざる手」を自分達の強欲な経済活動を正当化しようとするが、アダムスミスの意図はそのようなものではない。この見えざる手という言葉は、国富論ではたった1箇所にしか見られない。なりふり構わぬ重商主義を批判した。彼は労働が富の源泉であり、生産性を重視し、それを分業が可能にする。消費を促進する事で市場が機能し、競争が働く事で過剰な生産や雇用は均衡する。理神論者であった彼が神の摂理を期待する前提には「道徳情操論」で述べた節度ある経済行動がある。自己の利益を追求する推進力と競争という抑制力が働く事で見えざる手が働く。竹中氏の古典の説明は簡潔明瞭である。これでは古典を読まずにすむというもの。
 ケインズとシュンペーターを対比させながら、近代経済学の要点を見事に要約してくれる。経済学の教科書で学んだ限界効用学派、ワルラスの均衡理論を思い出す。経済学は何もやがてとか、長期的にはという言葉で現象を整理したがる。「失業者が多いことについては賃金が下がればやがて雇用が回復する」といった説明では現実の問題は見過ごされてしまう。ケインズは現実の問題を説明出来ない経済理論は無意味だというリアリストである。貯蓄と投資が何処でバランスするか、資本の限界効率、有効需要の理論を簡潔に説明してくれる。ケインズの「雇用、利子および貨幣の一般理論」という著作は知っていたが、難解で小生の手には負えなかった。これが見事に要約される。
シュンペーターについては小生社会学部ではあったが、「資本主義・社会主義・民主主義」という著書を良いから読むようにと言われて買った。が、結局書棚の飾りになったことを思い出した。竹中氏のお陰で、なるほど、そんな事が書かれていたんだと分った。
 シュンペーターはワルラスの静態的経済原理に対して創造的破壊、イノベーションが発展させる動態的な経済発展をその理論とした。彼は「経済発展の理論」において「新統合」という概念で経済発展の原理を説明する。企業家、金融業の役割など、経済の構成要素を重視し、ケインズとは異なる理論を展開する。ケインズが大恐慌の解決を考えたのに対して、シュンペーターは不況はいずれ解決する、不況無くして経済発展無しといった、ニヒリスティックな考え方である。不況になると倒産が増える。それは非効率が排除されるメカニズムであるとして景気循環を説明した。竹中氏はシュンペーターの理論がいかに現在の我が国の経済停滞に当てはまるか、その実例も示してくれる。民主党のバラマキ政策は部分的には経済を活性化させる。政府支出による有効需要創出も然りであるが、政治がこれらをコントロール出来ずに、前例主義となり、無用な公共投資を続けた我が国の自民党政権が良い例である。竹中氏は古典理論を実例として、現在の我が国の実情を見事に解説してくれるのである。
 


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