カテゴリ:国際政治( 204 )

 トランプ大統領がアメリカに誕生した。1年前には想像もつかなかった現実にマスコミは右往左往している。テレビの評論家が居並び、アメリカのメディアのお追唱をのたまう醜い日本のマスコミの姿にはがっかりだ。今の日本にとってトランプはマイナスの作用ばかりが目につくが、同盟国であるアメリカの再生は結果的には日本にも良いことではないか。だから、日本にとってのトランプではなく、もう少しアメリカにおけるトランプの役割をマスコミは指摘してもらいたい。
最近はアメリカの真の改革者はトランプに思える。黒人のオバマが大統領になって8年間も全うできたのは大したことだが、国内の多数派を実は満足させることは出来ない。女性大統領も良かったかもしれないが、ヒラリーだったことが失敗のもと。ヒラリーは超優秀だが、アメリカの市民感覚とかけ離れてしまった。民主党にはまともな女性がいないのだろう。トランプの周りにはイワンカもそうだが、優秀な女がゾロゾロいる。アメリカで本当に優れた人は、軍人や金融業にいる。ハーバードやエールといった学歴時代は終わった。彼らは発言はご立派だが、実は無能かもしれない。ロシアもKGBが頭脳集団だ。しかし、未知数なのは、議会運営だろう。トランプの真価が分かるのはこれからで、安倍さんがアメリカに対しては結構覚めた見方をしているのは心強い。メルケルも難民対応でミソをつけている。これからの世界は中国とロシアが軸だろう。そこに安部さんが上手く立ち回ることができるかだ。トランプはあまりにもドメスティックなオッさんだからなあ!国内がゴタついているのだから、世界政治の御社交は他人に任せて当面は自国の再生に専念すべし。トランプが外交に疎いのはあたりまえ。何といっても不動産屋だったんだから。自覚もしている。民主党を代表とするアメリカの「リベラル」勢力はマイノリティ層を取り込み、今回の選挙では過半数の得票を得ていた。アメリカは人種、民族のサラダボールと言われている。しかし、政治となると、それらの選挙公約を実現しなければならない。外交問題においては自国民の票がからんでくるから、常に判断を誤るリスクがある。アメリカの移民たちは出身国から離れた人たちであり、本国に対する批判的な目を持っている。彼らの外交政策は常に出身国から反発を受けやすいのである。アメリカが世界に影響を行使する際の欠点である。今回トランプが内向きになることはアメリカにとってノーマルなことである。評論家たちがアメリカの民主主義や価値観をどう評価しているのかわからないが、そのためにアメリカ国民がどれだけ犠牲を払ってきたのだろうか。これまでのアメリカンドリームはもっぱら白人系、欧米系のアメリカ人が先住民として実現し、それを夢見たラテン系や黒人にその果実を与えることには消極的になる。公平な分配は政府の仕事だろうか。社会主義はかれらにとって敵である。彼らが何代もかけ築いてきたものから分配しなければならない。オバマケアに反発するのは自然なことだ。黒人や後発の移民に機会均等であるべきである。しかし、今日大学に進学する経費など最初から莫大な借金をしなければならず、ハンディがある。オバマケアは彼らエスタブリッシュメントに負担こそあれメリットは無いのだから。アメリカはそもそも人種民族、所得で分断された国家だ。トランプがこうした既得権者の代表なのである。レーガンはトリクルダウン政策で高所得者の税負担を軽減し、彼らが全体を引き上げるという策をとったが成功しなかった。しかし、ベンチャーの育成や規制の撤廃が功を奏し、アマゾンやグーグル、マイクロソフトなどが成功をおさめた。彼らの成功は全世界に影響をもたらした。

 デトロイトなどの五大湖周辺の都市の衰退はアメリカの頭痛の種である。民主党はこれにどう対応してきたのだろうか。製造業の衰退は都市を荒廃させる。都市の衰退は国家の衰退である。カルフォルニアのシリコンバレーやハリウッドは情報産業であり製造業ではない。アップルの発展やグーグルは世界に展開するが、アメリカの雇用に貢献しなくなった。カリオルニア州は全米でホームレスの数は第2位である。ロバートデ・ニーロやメリル・ストリープは独り勝ちで雇用には貢献しない。
  アメリカが世界の問題に介入し、世界の市場に影響を与えることができたのは、第一次、第二次世界大戦において圧倒的な軍事力で戦勝に貢献したからだ。ヨーロッパやソ連は何千万人もの犠牲者で立ち直るのに20年を要した。マーシャルプランで欧州経済を建て直し、冷戦を戦い抜いた。朝鮮戦争、ベトナム戦争、キューバ、イラン、イラクと大きな国際問題において失敗を続けてきた。ドルの基軸通貨としての利を得てきたことは唯一成功かもしれない。これはアメリカのユダヤ人資本と情報力による。武器や航空機の製造、軍事技術はアメリカの誇る製造業だが、それ以外の民生品産業は自動車、電機製品、繊維、コンピュータなど、創業者利潤は得たが、今日ほとんどが国際競争力を失いつつある。今後は日本を飼い犬として活用し、イスラエルを尖兵にイスラム国家を牽制することだろう。民主党政権が失敗したことを建て直せば良い

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安部総理の昨年のアメリカ議会演説といい、TPP交渉、G20でのオバマ支援、今回のハワイ訪問と、実はアメリカにこびているだけなのだが、これは政権の安定には必須であり、我が国の国益にも叶っている。悔しいが、全くそうなのだ。それに対して、韓国の朴大統領の中国接近も慰安婦問題へのこだわり、中国の領土問題や元の固定相場制など、アメリカには頭痛の種でしかない。それに引き換え、安部総理は全くもって上手くやっている。韓国も中国も悔しくて仕方がないだろう。沖縄の辺野古移転や演習地変換 などは政府間で話が着いたことでこれも安部政権の成果である。民進党ではできなかった。沖縄の人には悪いが、誰も困らない範囲の交渉。TPPは潰れそうだが自由貿易の旗手を演じることもできた。これも最低現状維持。TPPが経済を再生させる保証ははじめから無いのだから。アベノミクスは成果なし。そもそも期待していない。

過去も、岸、佐藤、中曽根、小泉と全ての対米ごますりで成功し、日米安保、沖縄返還、貿易摩擦などを解決した。何ももたらさず、禍根を残したのは小泉だが、安部はそれよりはかなりましだ。プーチン大統領とは、横綱と三下の相撲で、弄ばれてしまったが、アメリカとは上手くやった。トランプにはIRのお土産で、今後トランプ経営のホテルとカジノが日本にできるのである。何とも分かりやすい図式だ。トランプはこれからどう出るか、難題として、軍事費と自動車輸出でなりふり構わない攻勢に出るだろう。民主党政権時代の相互理解をふみにじってくるかもしれない。その時こそ安部政権の外交力が評価されるのである。安部総理はこれまでの成果に得意満面である。お殿様外交から後世に汚点を残さない成果を祈る。来年がよい年でありますよう。

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東南アジア美術に囲まれ、東洋趣味の極地のようなインテリアのジムトンプソン邸
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上段;キャメロンハイランドの茶畑 下段;ジムトンプソンが失踪した月光荘
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ジムトンプソン失踪を推理する

1968年タイのシルク王と言われたジムトンプソンはマレーシアのキャメロンハイランド、タナラタの丘にある月光荘という別荘から忽然と姿を消した。日本ではニュースにならなかったが。彼はタイシルクのブランド化に成功し、西欧ではジムトンプソンブランドとして、ヴォーグ誌に取り上げられ、また、映画「王様と私」の衣装やデザインにも使われた。プリンストン大学を卒業後、第二次大戦中は諜報機関OSSに所属したが、この組織は戦後CIAになった。東南アジアの美術に造詣が深く、シルクビジネスの成功により大富豪になったことで有名だった。戦後もアメリカの東南アジアの情報通として諜報員との役割も続いていたと言われる。彼の失踪にはあらゆる事件を想定した大捜索が行われ、米軍も支援し、一民間人に対するものとしては異例で話題になった。それだけ彼はアメリカの重要人物であった。
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今なおジムトンプソンのビジネスはタイ経済に貢献している。彼の屋敷は美術館として観光名所になっている。
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失踪当時はアメリカのベトナム戦争が泥沼化しつつあり、マレーシアの山岳地帯、特に北部からタイ国境、ラオス、カンボジャのあたりは共産ゲリラが跋扈していた。だから、CIAとも関係のある彼は共産主義勢力のターゲットになったかもしれない。また、今日も混乱を繰り返すタイの政治家にも人脈があり、アメリカに繋がった彼の存在を邪魔と思うグループもいた。今確かなことは、ジムトンプソンは生きていないということだ。ベトナム戦争が激化する中、タイの国境では麻薬の生産が行われ、タイシルクの生産に必要な桑の栽培を農民に勧めたジム・トンプソンに麻薬組織が危機感を抱いたことも噂になっていた。彼の美術品発掘には遺跡の盗掘も絡み、裏社会の敵もいただろ。彼の失踪の推理上はアメリカのベトナム戦争も捨てがたい関係であるが、これまでに上げた誘拐動機のすべてが絡み合っていたかもしれない。謀略は幾つもの顔をもつことが多い。彼はタイの農村に出掛け桑や蚕の増産や絹糸の製造に力を注ぎ、情報通の彼がケシの栽培を知らなかったはずは無い。諜報機関にとって麻薬は資金源である。中国戦線でも児玉機関などの闇社会が仕切り、岸信介も背後にいた。その甥、安倍晋三を中国は絶対に許さない。今でも多くの人が麻薬の密売に絡んで消されているではないか。オーム真理教のナンバー2村井秀夫も消された。これはイニシエーションに覚醒剤を使ったからで、逮捕されることが明らかになった時点で口封じされた。
戦争の影には諜報やゲリラの資金源として麻薬が結びつくことは歴史の常なのである。黄金の三角地帯は今尚健在である。現代も中東の紛争の裏で、アフガニスタンは大きな麻薬拠点であり、ルートである。貧しさと戦争、人の不幸と麻薬は結びついている。ネットワークには大抵、軍の輸送ルートが絡みやすい。大量の物資が輸送されるし、横流しされるものは軍需物資や武器にまで及ぶ。そんな中で、麻薬は普通の税関や港湾の検疫などの目を逃れやすいと思われる。ジムトンプソンは散歩中に虎に食われたという説もあるが、捜索範囲からはそうした痕跡は無かった。しかし、当時は軍事と共産勢力、麻薬は必ず繋がっており、彼がそうした落とし穴に嵌ったかもしれないことは想像できる。松本清張の熱い絹という推理小説もその線で書かれており、なかなかの着眼点である。彼を始末したのは意外にも、身内かもしれない。何故なら、その後、5ヶ月後にマサチュウセッツ州にいた彼の姉も誰かに殺害され、迷宮入りになっているからである。日本の下山総裁事件もそうだが、アメリカという国の裏側には暴力が潜んでいる。ケネディの暗殺もロバートケネディの暗殺も記憶に新しいころである。タイの政敵がわざわざアメリカ在住の姉を殺害しに行くとは考えにくいからだ。CIAのルートを活用してタイシルクの大産業を築いた彼がベトナム戦争の背後にいた産軍複合体や麻薬を資金源とする別のCIA協力者の邪魔者になったことは推定できる。彼はCIAの中で成功し、結局CIAの謀略の中で人生を終えたのではないだろうか。謀略に育てられ謀略の中で死んだ。人生は連続し、栄枯の中に死の理由も存在しているのである。
『ジム・トンプソン――失踪の謎』
   1998年 ウィリアム・ウォレン著という書物も機会があれば、探して読んで見たい。

小説熱い絹に登場するスモークハウス
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1、マラッカ
26日はバスターミナルから長距離バスに乗りマラッカに向かった。11時のバスで約2時間の旅である。
到着後、ホテルプリに向かった。このホテルはマラッカの商人プラナカンの家を改造したもの。お昼はやや遅くなったが、2年前に行ったチキンボールの店に行った。広場にはベンガラ色の教会がある。マラッカのシンボルとなっているオランダ人の作った教会に入った。プロテスタントだから内部はシンプルである。今回は自転車タクシーに乗って市内を30分遊覧した。オランダ船の複製が停泊していた。
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マラッカ名物チキンボール
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暑い日だったのでこの輪タクは助かった。30分20リンギット(500円くらい)
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中国人商人のプラナカンと呼ばれる富豪の家を改装したホテル「プリ」。
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オランダ教会
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17世紀の帆船。ポルトガルの大航海時代の船
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2.ペトロツィンタワー
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クアラルンプールのシンボル的な世界で3番目に高い建物。452mある。このツインタワーは展望台に上るには登録が必要で簡単に登れない。荷物のチェックも厳しい。この所有者は石油公社のもので政府の建物。テロ対策もありエレベータも警官が運転する。気軽に行くならKLタワーだろう。しかし、景観はこちらの方が良かった。

3.キャメロンンハイランド
  築後60年のイングランド風ホテル スモークハウス
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茶畑である。イギリス人が開発したが、戦後、静岡出身の日本人の指導で飛躍的に質が向上した。その歴史はほとんど残っていない。涼しいせいかワッハブ派の黒ずくめのアラブ人の女性が多い。携帯で記念撮影しているが、誰が誰だかわかるのだろうか。奇異な感じ。
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スモークハウスは小説「熱い絹」にもしばしば登場し、小説に登場する捜査員の休憩や食事の場となった。
トランペットフラワーが咲き誇っていた。
Bohtea
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  8月31日のクアラルンプールは独立記念日で道路は規制され、渋滞がひどいということから、王さんが郊外に行こうということで、北に1時間ほどのクアラセレンゴールに出かけた。この町は海辺の港町で、イギリスの要塞があった。第二次大戦中は日本軍も駐屯した。高速を北に1時間、道は空いていた。車中、王さんが「目のマッサージ機」を貸してくれた。日本にはない機械でゴーグルをつけると目玉を圧迫して気持ちが良い。思わず寝てしまった。海辺の町には海鮮料理屋が並んでいた。まだお腹が空いていなかったので、中国風の仏教寺院を見学した。孫悟空からきているようだが、猿が祀られていた。町の中心にも猿が多い。バツーケーブの猿と違い、バッグをひったくったりはしない大人しい猿だ。ニンニクの茎のようなものをあげると美味しそうに食べる。砦の上には砲台と白く輝く灯台がある。丘の上にはトラクターに牽引されたトラムで行く。切符を買って待っている間、猿がたくさんいて寄ってくる。暑い日なのでこのトラムは助かる。砦の上には大きな大砲が海と海岸を睨んでいるが、この大砲で海岸を通る船を狙ったのだろうか。昼食はカニ料理が美味という海鮮料理屋「新海濱海鮮楼」に行く。空芯菜の炒め物と、海老の蒸し物、カニのお粥、焼きそば、サメ肉の揚げ物をいただいた。いずれも美味。この国の料理はあまり器にはこだわらない。洗面器のようなプラスチックの入れ物に。やはりプラスチックのお皿である。しかし、カニの味の沁みたお粥と焼きそばは実にうまく、体裁を超えている。
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ムラワティの丘の上にある灯台。 この丘は、かつてスルタンの王宮があったり、オランダ〜イギリス軍の砦があったところ。トラムで登っていくと楽
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町と丘をめぐるトラム
こんな大砲で一体何発撃てば当るんだろうか。
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猿が放し飼いだが、ここの猿は大人しい
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海辺の町クアラセレンゴールは夜の蛍ツアーで有名
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孫悟空を祀った中国風の寺院
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8月29日KLのミッドバレーを9時30分に出発し、セントラルバスセンター10時45分のバスで、キャメロンハイランドに向かう。高速から一般道に入ると山道となりぐんぐん高度が上がっていく。2時頃標高1600m程の高原町タナラタのバスステーションに着く。現地で生活している「剣士」大手さんご夫妻が迎えに来てくれた。商店街がメインストリートから1段高いところに歩道と土産物店、飲食店が連なり、その前にアーケードのように屋根付きの歩道がある。歩行通路沿いに椅子やテーブルが並んでいる。

タナラタの街並み
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大手さんはこの地に静岡からやってきて8年にもなるという。昼食後、横手さんのお宅を訪問した。ヘリテージホテルのあるエリアの一角でタナラタの中心から徒歩10分の好立地。グリーンハウスというコンドミニアムである。途中でドリアンを買って家で食べることになった。小高い丘の上にホテルと賃貸住宅が並んでおり、その一角にお住まいであった。緑に囲まれ景色もよい。当地にはキャメロン会という日本人会があって日本人のロングスティをサポートしてくれるが、大手さんは会員になっていないという。多分、この会は高齢者の集団で、まるで老人ホームにいるようなもので、当初60代のご夫婦だと入るのには躊躇されたろう。
 ドリアンを食べたが、とにかく臭いがすごい。都市ガスについた匂いを思い出す。しかし、硬く棘のある殻の中にはねっとりと、甘い果肉が種を包んでいる。これを食べたあとは絶対に酒を飲まないでくださいと大手さんは助言してくださった。相性が悪い人がいてお腹の中が大変なことになるらしい。
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大手さんはご自分で木刀を製作され、素振りの稽古をされるそうである。ロングスティ8年目になるご夫妻から、キャメロンハイランドでの生活の気に入った部分やご苦労など、お話を伺うことができた。マレーシア生活の様々な側面を率直に話され、とても参考になった。テレビなどで見る良いことづくめの話とは若干違う。何事も生活の拠点を変えるのは大変なことだというのが実感である。
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ホテルのスモークハウスまではバスターミナルから車で5分ほどだが、山道を登るので歩けば40分はかかるだろう。スモークハウスは英国のカントリーハウス風の西洋館で、美しいイングリッシュガーデンがある。トロピカルな花と観葉植物が珍しい。夕方大手さんご夫妻が車で迎えに来てくれた。
夕食はご夫妻と共にした。ご夫妻の住まいのお隣さんが経営している鍋料理スチームボートのレストラン、鍋料理で、スープが絶品。前日も夕食は鍋だったが、中味は違う。体調も良くなったせいか、こちらの方が美味い。茶畑が見える。この茶畑は年中刈り取ることができる。
BOCH teaというお茶で有名。
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翌日に行ったのが月光荘、管理人が立ち入禁止といってきたが、写真は撮らせてくれた。
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翌日シルク王ジムトンプソンが失踪した現場。月光荘はタクシーで10分ほどだが山の上にある。松本清張がその失踪事件にヒントを得て「熱い絹」という長編推理小説を書いている。CIAのスタッフでもあった彼が失踪した事件は日本ではあまり知られていないが、現地とアメリカでは大騒動になった事件だそうである。あらゆるケースを想定し、捜索したが結局不明に終わった。散歩中虎に喰われたという説もある。この地にはマレー虎が生息している。最近も女性が行方不明になったそうである。トレッキングで人気の場所、自然の宝庫だが、危険もあるのだ。特に危ないのが道路に散見される野犬である。狂犬病のウイルスを持っているものがあり、日本人の長期滞在者が噛まれたそうで、急いでワクチンのある日本に帰国してしまった。狂犬病は潜伏期間が長い。半年後に発病することもあるらしい。発症したら最後、死亡率は100%とのこと。
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さらに、ここにはキングコブラやグリーンスネークのような毒蛇も多い。アマガサヘビ、サンゴ蛇などマレーシアは毒蛇の楽園か。コブラは基本的には蛇を捕食するようで、人間には威嚇することにとどまるようだ。結局皆びっくりして逃げてしまうのでコブラよりはグリーンスネークの小さなやつが家に入ってくる時が危ないそうだ。連中は夜行性で滅多にお目にかかれないが、ジャングルは別とのこと。熱帯には危険が満ち溢れている。泥棒も金持ちと思われている日本人を狙ってくる。タクシーも日本人とみれば吹っかけてくるから油断は禁物。国内生活には無い苦労がある。
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キャメロンハイランドのジャングル。ジムトンプソンもこの森に消えた。熱帯の巨木の上に美しい赤い花が咲き、霧がわく光景は素晴らしい。この森にはオランアスリーという原住民が保護されて暮らしている。彼らは土産物の籠とか、吹き矢、山の果物、タケノコを露店で売っている。特にジャックフルーツが多い。巨大なえんどう豆のようなものも売っているが匂いが強烈だそうだ。彼らは精霊信仰で木彫の仮面が面白いが、非常にシンプルなデザインで珍しとみえ、10万円以上するので出が出なかった。収集家がいるらしい。高原なので雨が多い。傘は突然の雨と野犬対策で必須とのこと。
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渓谷にはところどころ陽が当たっている。それは熱帯森林特有の高い樹の先についた天蓋のような葉の繁茂がきれるところからだった。多少の伐採が樹と樹の天蓋の接続を断ち切れらせているのだ。高度が上がるにつれて、樹林の様相も変わってきた。全てが棒のように高く直立した樹林と、その幹を部分的にしか露出させていない大波のような葉のうねりであった。椰子のような掌状葉から広潤葉にいたるまで、およそ何千何百種もの植物が精力的に自生しているように思われる。林の根方も下草の縺れた繁茂に深く埋められていた。その昏い奥にも、樹上にも、どんな動物がひそんでいるか分からなかった。シダも、日本で見るような地を這うような矮小なものではなく、並木のように亭々と高くそびえていて、その先に葉を傘状に四方へ広げていた。すでにシダの感じはしなかった。
(松本清張 熱い絹262pから)

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2年ぶりのクアラルンプールだが、久しぶりに御目にかかったものがある。この国で1日何度かお世話になるトイレである。ホテルのトイレは清潔だし、洋式なのだが、駅や飲食店となるとそうはいかない。郷に入れば郷に従わざるを得ない。先ずは日本式のウオッシュレットは日本人クラブにしかないだろう。御当地では、すべて水洗であるが、柄杓かホース状のもので手を使って洗うのが原則なのである。
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もう一つ奇異なのが、しゃがみこみ方式でドアに向かって用を足す。逆だと微妙に位置が変わり、水流の関係か、全く流れないことがあるから要注意。そして、紙がないことも多い。救いは、流し損なった山盛りとか、飛び散って便器が汚いようなものは少ない。日本の昔のボッチャン式とか、山小屋のトイレよりはましである。ホテルでも、紙のロールは付いているが、背中側の壁につている。だから、最初に紙を取って用を足す。紙は最初に用意するものである。頭にくるのが、駅などの公衆トイレが有料で、大抵インド人の爺さんなどが2~30セン:日本円で7~10円ほどの金を取る。ところが、そのトイレが汚いのだ。茶色の水があふれて、ケツ洗い用のホースが中に放り込まれている。何でこれが有料なのか全く理解できない。一方ホテルの水洗も、水の勢いがコントロールできないのがあって、猛烈な勢いで出てくるから、痛いのだ。うっかりすると、はみ出した水がパンツを水浸しにすることがあるのも要注意。水量の調節ができるものもある。ただのホースでシャワーになっていないものもある。一般のトイレは基本的には昔の日本式のかがみこみ型である。感心するのが、イスラム寺院のトイレで、ホース洗浄型と、柄杓型と2通りあって、清潔感があった。次が中国寺院のトイレ、最悪がインド人の多いところの有料トイレだった。ドア側に向かって用をたすのに慣れた頃帰国となり、我が家のトイレでホッとした次第。

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 8月21日から、9月1日まで、マレーシアに剣道の指導と観光を兼ねた旅行に行きました。原油価格下落と世界経済の低迷から、2年前とは変わったかと思いきや、全く相変わらずの活気に溢れた街の様子に驚きました。町にはヨーロッパと中国の製品が溢れ、日本は自動車と回転寿司、うどん屋、100円ショップ、イオンなどの量販店で何とか存在感を保つ程度です。若者と人種の坩堝で沸き立つように見えます。ガソリンが40円/Lというのは日本の3分の1であり、LNGと石油資源に恵まれたこの国は経済活性化のため、石油輸入国でもある。原油安が必ずしも経済発展にそのままつながらない日本とは違い、消費国として経済循環している。かつて、マハティール大統領がルックイーストとして日本に学んだ結果、経済発展したが、その陰には産油国のメリットもあった。クアラルンプールは今もなお、猛烈な建設ラッシュである。そして、開発地には巨大なショッピングモールがあり、日本のイオンや伊勢丹なども進出し、多くの人々でにぎわっている。KLからジョホールバルまで、シンガポールまで2時間半で行ける高速鉄道を計画中で、新幹線の売り込みに日本政府は力を入れている。
 
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 この国は、プミプトラ政策で人種差別的な制度をあえて行い、多数派のマレーシア人を優遇し、多民族政策で中国人やインド人をコントロールし、彼らの権利を抑えることで、逆にエネルギーを増大している。強いもの、多数派を生かして弱者や底辺を底上げしている感じなのである。日本では、平等が良いことであるが、この国では不平等をてこに底あげしようというのだ。途方もない金持ちと底辺の移民労働者が、それなりに幸せに暮らせる社会、都市というのはこの国を盛り立てている。もちろん、国民に不満や、テロリストを生むような要素もあるだろう。しかし、治安警察によって押さえ込まれ、今はインドネシアやフィリピン、タイより社会の安定には成功しているように思えた。はっきり言って、プミプトラ政策で満足しているのはマレーシア人だけかもしれないが、その壁を乗り越える活力がこの国にはある。移民にしても、弱者保護に関しても規制緩和が必要である。我が国ほど平等社会にむけて社会制度が行き届いている国は先進国でも少ない。ルックイーストに成功したマレーシアに今度は学ぶ時期に来ているのではないか。消費と人種のるつぼが生み出すパワーに日本が構造改革に向けて学ばねばならない時かもしれない。
キャメロンハイランドのタナラタにあるヘリテージホテルの一角にある日本人ロングスティの多く住むコンドミニアム
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対日感情が良く、物価が安いし、食べ物も豊富、英語が通じるといった住みやすさから、ロングステイや永住権をMM2Hという制度を利用し、3000人以上の日本人がKL、ペナン、キャメロンハイランド、イポーなどに暮らしている。皆60歳以上のリタイヤしたご夫婦が中心である。しかし、旅行に来るのと居住するのでは大きな違いがある。英語力も必要だが、結局日本人同士で付き合うことになる。高齢者が多く、結局老人ホームにいるのと変わらない。かなりの日本食が揃うが、日本の米や酒は高い。治安は良い方だが、ひったくりやこそ泥は多く、日本人は狙われやすい。タクシーは乗る前に交渉しないとふっかけられる。シートベルトをしていないなど、警官に罰金をぼったくられるといった日本では考えられないことが起きる。ゴルフやトレッキングは楽しいが、山岳地帯に近ければ、虎やキングコブラ、ニシキヘビ、グリーンスネークなどの毒蛇、サソリ、巨大な蚊やそれが媒介するデング熱にも警戒が必要だ。特に危険なのが野良犬。狂犬病を持っているものがいる。日本では絶滅したが、世界では毎年5万人が犠牲になっている。海はランカウイなど綺麗なところもあるが、ペナンなどはたいしたことがない。マラッカとか、キャメロンハイランドも良いところだが、1週間もいたら飽きそうだ。日本の方が綺麗なところは沢山ある。問題は日本に残した資産を維持しながらだと、使わない住居の維持や税金など、トータルコストはかえって高くつくことだ。金持ちで日本に味わえない贅沢がしたければ良いところだが、ただ、安く生活するだけなら結局メリットは無い。ロングスティ派も、年に数回は日本に帰っているから、ご夫婦だと結構費用がかかる。昆虫採集や熱帯へのこだわりとか、余程の決心と、現地のマレーシア人と友達が多いという前向きな条件がなかったら、日本の田舎に住む方が気楽で良いような気がする。

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朝10時にYapさんがホテルに迎えに来てくれた。これから、バトゥーcaveのブラックケーブに行くという。ミッドバレーから30分ほどのところにある。ヒンドゥの聖地で二年前に行ったが、大きな階段の上に寺院がある。その中腹に横に抜ける道があり、鍾乳洞につながっている。国立公園になっている。
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海鮮中華が並んでいる郊外の商店街で
繁盛しているお店だった。何だか種類は分からないが大きなベラの
ような魚のカレー煮を食べた。美味であった。
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松川先生がみつけたKLでは珍しい温泉。
中にいた人に聞くと後三ヶ所あるらしい。
裸になって入ろうとすると、先客から、パンツを履いて
入ってくれと言われた。日本とは勝手が違う。
女性も入ってくるからスッポンポンはまずいのだそうだ。
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KL郊外にある温泉
温度が熱く、透き通った
質の良い心地よいお湯であった。



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 OECDによると、人口の上位10%の富裕層の所得が、下位10%の貧困層の所得の9・5倍に達した。企業経営者ら「スーパーリッチ」の所得が増えたためだ。1980年代には約7倍だったが、「貧富の差」は広がっている。
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 格差を表す指標とされるジニ係数で80年代と直近のデータを比較すると、過去分を入手できる21カ国のうち16カ国で格差が拡大している。係数が1なら格差は大きく、0に近いほど平等なことを示す指標で、格差が小さくなったのはギリシャとトルコだけだった。
 日本のジニ係数は0.3を超え、OECD諸国の中でも高く、高度成長期のような中間層の拡大は過去のものになっている。格差拡大の原因は地方の賃金が上がらず、大企業のベアも出し渋り、そして派遣社員の拡大だ。自由な生き方を尊重するというお題目の中、低所得が固定化されるのである。安倍政権は昨年、派遣業法を改正し、若者の自由な生き方を尊重し、派遣社員の流動化を図ったとされるが、これは派遣社員の固定化と、給与格差を広げるだろう。同じ企業なら人事異動は活性化につながるが、誰でも慣れ親しんだ職場を変えることは苦痛だ。派遣社員を3年で打ち切る職場は経営が悪くなる時以外は少ない。3年で職場を変えるとなると、派遣社員はいつまでもベテランにはなれない。経営側に雇用の継続を制限し、派遣社員は3年を過ぎると派遣会社が派遣先を変えねばならない。自由な生き方といっても雇用は不安定化し、派遣社員の所得は上がらないだろう。同一労働同一賃金といっても、経営側は安い賃金の固定化に流れる。同一労働を誰が判定するのか。言葉だけのかけ声ではないか。終身雇用の労働者が減少し、労働組合の賃上げ交渉によって恩恵を受ける層が減少し、やせ細っている。
 OECDはこうした格差が「経済成長率を押しさげる」と指摘する。親の所得が低くて教育の機会に恵まれない子どもが増え、労働の生産性などが上がりにくいためだという。誰でも知っていることだが、東大や慶応などの難関校には富裕層の師弟が溢れ、低位校には学費をローンで調達する中間層ぎりぎりの家庭の子弟が多い。もちろん底辺は専門学校か高卒就職で、こき使われ、数年で派遣社員で職を点々とする。こんな形が常態になっていることに政治家は目を向けない。経済が活性化しない理由はこうした格差社会に国民が気がついて、意気が上がらないことも大きい。金融操作だけではどうにもならず、黒田バズーカは体力の弱った病人である国民に劇薬を調合したのである。

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