人気ブログランキング | 話題のタグを見る

イスラエルと日本

イスラエルと日本はアメリカ合衆国の子分となり、身の安全を図ってきた。日本がアメリカの言うことを聞いてさえいれば、上手く行くと思い、へんてこな、トランプ政権とも仲良くしてる。それに対して、イスラエルはアメリカにおけるユダヤ人勢力やロビー活動を通じて、大きな影響を与え、支援を受けている点が大きな違い。日本は停滞の20年間ですっかり先進国の発展から取り残された。一方イスラエルはしたたかで、賢い。医療、製薬、軍事、セキュリティ、AI、ベンチャー企業など人間が生存に必要な分野に特化し、イノベーションを続け、アメリカの企業は彼らを取り込もうと躍起である。日本はユダヤ人に習い、戦略的に国際社会で生きる道を整えるべきだ。日本は中東の石油の輸入に依存しているため、どうしても アラブに同情的。確かに、ドイツのユダヤ人イジメは物凄く、600万人が殺された。また、イスラエル建国や中東戦争は彼らの犠牲に立ったものである。NHKのニュースではトランプのイスラエルの首都をエルサレムとする宣言にパレスチナ人の反発のデモが大騒ぎのように報道されている。彼らの怒りはごもっともかもしれ無い。しかし、現実はそうだろうか。ネタニアフ政権は相変わらずヨルダン川西岸の住宅開発とユダヤ人移住を進めている。オバマが批判してもどこ吹く風。NHKやニュース解説の達人、池上彰氏も言わないが、日本ではパレスチナに同情的な報道が受ける。その理由はいくつかある。まず、現実を認識しようとしない。同情の的であるヨーロッパから移ってきたユダヤ人は既に高齢者である。戦後70年も経つから、当時20歳の若者さえ90歳、ホロコースト経験者は希少なのである。彼らの二世ですら高齢者である。イスラエルの政党は労働党とリクード、共産党など10以上の多数政党だが、日本人がイメージするユダヤ人は労働党で、当時の首相はアラファトとオスロ合意を成し遂げ、対アラブに寛容な姿勢であった。ラビンは暗殺された。


彼らはリクードに政権の座を譲って今はネタニアフが首相だ。リクードの支持母体は戦後、アフリカやロシア、中東から移ってきたユダヤ人で彼らは中東戦争を支え、上昇志向も強い。イスラエルの医療はユダヤ人が握っている。パレスチナ人は彼らの医療を受ける事ができる。ヨルダン川西岸の入植者はこうした新手のユダヤ人であり、パレスチナ人に囲まれても平気で暮らしている現実に目を向けなければならない。彼らが入植すると住宅を建てるが、その住宅を建てる労働者はパレスチナ人なのだ。彼らはお陰で失業者にならない。入植者のお陰で生活が成り立つ何とも皮肉な結果なのである。

アラブの大義としての反イスラエルはイラクのフセインが言い出した事で既に死語だ。反イスラエルはイランイラク戦争の失敗をアラブの大義で覆い隠すのが狙いだった。そもそも、アラブは一枚岩ではない。仲が悪い。ヨルダンは第一次中東戦争の仕掛け人だが、本来ならアラブの盟主のフセイン家だが、サウジアラビアにメッカがあるため、スンニー派の原理主義者のサウド家にお株を取られ、かつ、フセイン家の奥方はイギリス人である。イスラエルの仇敵はシリアだが、第2、第3次中東戦争でイスラエルに完敗。今や内乱でアサド大統領は身動き出来ない。イランはイスラエルを敵とみなし、テロ集団ハマスの本家だが、これはイスラエルをアメリカの傀儡とみなし、反米のとばっちりなのである。イランとサウジアラビアはシーア派とスンニー派の千年来の敵同士。イランは隣のレバノンの混乱に乗じ、ヒズポラをイスラエルがレバノンに攻め込まないように送り込む。ガザ地区はハマス支配だが、イスラエルに封鎖された。ガザ地区から2000年から2006年にかけて4000発のロケット弾と迫撃砲弾の攻撃を受け、また、2012年には400発のロケット攻撃を受けた。イスラエルの迎撃はこのロケットを当初40%、後には80%迎撃している。イスラエルのロケット技術はすごい。このことの報道は少なく、ガザ地区に対するイスラエルの黄リン弾使用などが非難された。2017年イスラエル空軍機にシリア軍がS200地対空ミサイルが発射されたが、これをアロー2という対ロケットミサイルが撃墜した。戦闘機を狙ったロケットを撃ち落とす技術を持つに至ったのだ。ガザ地区ではイスラエルにハマスが封鎖され、今やイスラエルは軍事的には最も安定した時代なのである。この簡単な事を何故報道しないのだろうか。イスラエルはこうしたアラブの不協和音を敏感にかぎとり、ここぞと親ユダヤのトランプを招いたのである。


by katoujun2549 | 2018-01-14 13:30 | 国際政治 | Comments(0)