大メディアの報道では絶対にわからない どアホノミクスの正体 (講談社+α新書) 新書 –

どアホノミクスの正体 (講談社+α新書) 新書  浜矩子 佐高信

大メディアの報道では絶対にわからないどアホノミクスの正体

(講談社+α新書) 新書


 テロ対策法案(共謀罪)で自民党が暴走している。一党独裁と国会の議論を民進党も一緒になって破壊している。法案の本質的なところは隠されたまま成立してしまった。金田法相のおとぼけた答弁に惑わされ、本質がそれてしまった。安倍政権が目指す一党支配、国会の無力化、安倍独裁の構造が固定化しつつある。安倍政権は新自由主義とか、アベノミクスとか、言葉によって問題の本質をぼかし、国民の目から官邸の目をそらす。そこを逃さず、浜氏はかねてよりアベノミクスには痛切な批判を展開している。浜・佐高という屁理屈、頑固、反骨が会して話すとこんな感じになるのだろう。彼女の舌鋒は鋭いというより、多少えげつないような表現もあり、これだけ徹底的にけなすことができるのもすごい。例えば住友銀行のバブル時の平和相互銀行抱え込みについて寄生虫に寄生虫がついたような状態とか、表現がすごい。こんな調子ではさすがにマスコミも出しにくいのか、当然大メディアは警戒するだろう。彼女は円高も株価も予想は外れているが、もともと、相場のことに経済学者を当てにすることが間違いであるから問題はない。「アベノミクス」が実際には「アホノミクス」どころか、「どアホノミクス」であると喝破している。経済成長2%も、GDP600兆円も目くらましであり、裏があるという。体制迎合的経済学者が多い今日、貴重である。「アベノミクス」の正体は安倍政権は、「どアホノミクス」で国民を騙しつつ、集団的自衛権、安保法制、そして共謀罪法案で、国民を監視しつつ、「戦争国家」作りを進めているというのだ。600兆GDPもその手段に過ぎない。この論法を二人で盛り上げ、マルクスやアダム・スミスを動員し、論陣を張っているが、そもまで持ち出す必要はない。安部は根底は国粋主義であり、そのバックにはさらに過激な連中がいて煽っている。彼らは人権とか民主主義が嫌いだ。天皇親政政治が好きなのだ。人脈、金権、情実が大好きである。面倒な経済は日銀の黒田にさせて、国会は官僚に事務方として対応させれば良いのだ。今日の森友学園、加計学園問題はそうした構造から生まれてボロが出てしまう。憲法問題にしても専門家の議論や党内の意見調整なぞ安倍の頭では無理。岸信介と父親の安部晋太郎の遺産で食っている。だから、民進党の理屈なんぞは聞く耳も頭もない。問題はそれを悪いとも思っていないことである

 安倍政権をアメリカのトランプ政権とも比較しながら議論している。新自由主義と称して「統制」する。働き方改革と称した「働かせ方改革」、貧者が抵抗に向かわず「独裁を支える」。政府の御用銀行ー日銀など、欺瞞的な言葉の使い方だ。この本では安倍政権の資金源ー森友学園、加計学園などの裏に資金源の流れがあることには触れていない。このあたりが教養人の限界か。

 日本銀行を完全に政権の下請機関に取り込み、大企業と富裕層だけが儲かり、99%の国民が困窮化する仕組みを作り上げた。これはドイツでかつてヒトラーがシャハトを利用し、さらにゲーリングを使ってドイツ銀行を乗っ取り、軍事費をメフォ債によって調達し、軍事国家を作り上げた手口に似ている。安倍や麻生にナチスの手口をアドバイスしている連中がいるのだ。「最も毒性の高いブレンドになってしまっている。安倍みたいな人が出現すると、そこに悪知が利く有象無象がそれぞれの思惑を持って集まってくる。」日銀は政府の借金つけ回し窓口となり、政権べったりの黒田総裁、強者の論理しか無い竹中平蔵などを強く批判している。

 安倍政権は今日の加計学園問題や森友学園など怪しい権力の行使がある。日本会議との関係も取りざたされる中、彼の思想やどこに日本を持っていこうとするのか、様々な疑惑がわいてくる。憲法改正や外交のパフォーマンスなど、彼が岸信介の考えを体現しようとしているようにも見える。随分、アナクロニズムである。彼の人柄のよさそうな風貌の裏にはいったい何があるのか、注意深く観察する必要がある。彼を誰が操っているのだろうか。彼はマスコミを取り込んでいることは衆知のことである。官僚の支配を官邸がどのように行っているのか。加計学園問題は官邸と文部官僚の抗争のようにも見える。マスコミも民進党など野党も、さらに追求すべきである。このあたりで安倍政治はストップさせねばならない。


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by katoujun2549 | 2017-06-08 12:04 | 書評 | Comments(0)