北方領土問題をどうみる

1.国際情勢

12月の安部総理・プーチン大統領会談は北方領土問題を経済協力にすり替えられ、主権の問題も双方が譲らず、島内における両国の活動原則となる新しい法制度とは一体なにか、訳のわからないまま終わった。外交だから先方が折れればこちらも折れなければ何も進まない。そもそも、ロシアの領土問題はクリミアとウクライナ紛争が最優先事項である。クリミア半島の編入をしているロシアがそれに比べれば世界から忘れられた北方領土を返還することなどはあり得ない。明らかなドイツの東プロイセン、ケーニヒスベルグ等は占領後戦利品としてヤルタ会談で戦後処理上併合してしまった。軍事的支配と領土とが一体の社会がロシアだ。人もいない尖閣や岩礁のような竹島の領土主張も心もとない我が国が交渉で可能かだが、彼らが軍事基地やミサイルも置く実行支配下の領土を手離すわけがない。右翼連中は日露戦争でもしたいのだろう。ただ、プーチン大統領は東シベリアの開発にはとても熱心だということが分かる。このままでは北方領土問題と経済が不可分とされ、ロシアへの日本の重要な経済問題が領土と絡み暗礁に乗ってしまう。今後10年は動かない。

2.経済価値は政治の下か

千島はロシアにとって将来の北極航路の基地となりうる重要な領土である。その点は日本も同じだ。東シベリアのガス田は日本のエネルギー源として大切である。シベリアは製造業にはロシアの消費地に遠すぎ、輸送コストの点で不利。しかし、石油や天然ガスは日本と韓国という顧客が期待できる資源であり、資源大国の未来を左右する。日本にとって、裏日本はロシアと北朝鮮の国交次第で発展を左右される。国後択捉ならまだしも、歯舞色丹ではあまりにも経済価値がない。東北北陸の活性化には、日ロ平和条約の締結が期待される。

3.歴史的な大転換

ロシアとの国交は幕末以来の大転換点てある。明治維新後の関係は日露戦争で急速に悪化し、ロシア革命から日本はシベリア出兵という関係を経て、ソビエト連邦という体制では我が国とは良好な関係を築くことが難しかった。ロシアも、東西冷戦を経て20世紀の大きな転換点から今は安定した国家体制になり、広大な国土を1億4千万人の人口で支えねばならない。返還要求は続けるべきだと思うが、日本は国後択捉のような些末な領土を主張して経済活動の機会を失うことは大局的ではない。領土問題を経済に優先させる外務省の面子や一部の右翼の資金稼ぎのためにロシアとの経済協力が犠牲になっているような気がしてならない。

4.ロードマップを

政治解決だけで領土問題が解決できるとは到底思えない。経済活動や文化交流、さらには平和条約を締結して初めて話し合いができるのではないか。プーチン自身も経済を領土問題の取引材料にはしないといっている。今のままではお互いの主張を言い張るだけで終わってしまう。経済を先に持ち出すと、政治解決を所管している外務省は面白くないのだろう。会談の成果は無いような報道情報を流しているに違いない。そもそも、国後択捉で経済活動って何か?道路舗装、土木工事とか鮭やカニの缶詰め工場ろうか。観光くらいだろうが、沖縄のようにはいかない。北海道の経済すら沈滞しているのに島で一体何ができるのだろうか。裏日本の諸都市、新潟や秋田とウラジオストックの航空路線やガス田開発を進めてもらいたいものだ。今回の安倍首相のプーチンに対する主張やアプローチはそもそも成果を求めることが難しいので悪くないと思っている。日露関係のロードマップを描く契機である。

<参考1:北海道の経済成長率>
道内の経済は、平成 21 年度の経済成長率(名目)が 9 年連続でマイナスとなるなど、長引く景気低迷
から脱することができない状態にある中、東日本大震災により、水産業被害や観光客の減少、道産食品等に対する海外での輸入規制の強化などの影響を受け、厳しい経済状況が続いている。

<参考2:北海道の生産額>
北海道の総生産額は平成17年度から4年連続で減少しており、平成15年度の 19 兆 8,000 億円
から平成 20 年度には 18 兆 4,000 億円にまで落ち込んでいる。北海道の総生産額にみる経済状況は
厳しいと言える。一方で、産業別の産出額を見ると、全国に占める北海道のシェアは一次産業の農業、林業及び漁業でいずれも10%を超え、他都道府県との比較でも農業と水産業は1位、林業も2位となっている。
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by katoujun2549 | 2017-02-04 19:14 | 国際政治 | Comments(0)