日韓関係改善はフィリピンとの絆を強めることから


1.天皇陛下のフィリピン訪問計画

 菅義偉官房長官は平成28年にフィリピンとの国交正常化60周年を迎えるため天皇、皇后両陛下が来年初めにもフィリピンを訪問する方向で調整していることを明らかにした。天皇、皇后両陛下のフィリピン訪問は戦後、初めてとなる。この意義は極めて大きい。この事は日中、日韓の関係改善にも通じることだからである。日本人はフィリピンを貧困、政情不安の二流国としてしか見ていない。特に、小泉政権以来この傾向が強く、フィリピン国民をフィリピンバーのダンサーの国とか、売春の盛んな国といった無礼な見方すらあるがとんでもないことである。

2.日韓関係を改善できるだろうか

 菅氏は記者会見で、「日本とフィリピンは長年にわたり、幅広い分野で協力関係を進展させている」と述べ、両国関係の緊密化に期待を示した。日韓関係が悪化したのは何も、今に始まったことではない。韓国人は李王朝の末期が悪政で危機的だったことを国民にひた隠しにし、日本の統治を植民地化と決めつけ、さらには、ナチスと同列に扱おうとする姿勢を崩そうとしない。日韓条約も国民には説明できていない。歴史認識を改めるべきは韓国だ。こんな相手とまともに交渉しても日本は失うものの方が多いだろう。相手が真に関係改善の意志を示すまではスポーツ、文化、科学など様々な共通分野で彼らに遅れを取らないよう頑張るしかない。何も関係改善を諦めるのではない。それには手順がある。東南アジア諸国や台湾とは良好な関係にあり、それらとのパイプを優先的に太くし、韓国人に自分達が遅れをとったことを見せつける手順が必要である。日韓関係だけで改善するには限界がみえるのである。フィリピンやミャンマー、インドネシア、マレーシアなどは戦場になった国々であるが、かつての怨恨を乗り越えて日本とは関係が良好である。台湾、韓国は戦場になっていない。にもかかわらず、日本に対して尊大な態度を取ろうとする。彼らは世界の中の韓国という観点が全く欠けた3流国である。そもそも格が違う。日本はアジア諸国に功利的な見方しかできなければ、彼らも日本には歴史認識の点での批判をするようになるであろう。

3.恩讐を越えることができた理由

フィリピンのレイテ、バターン、マニラでは対戦末期激戦地となり、マニラ市民は10万人もの犠牲となり、3000人が日本軍に処刑され、米軍の無差別砲撃は犠牲者の60%に上るという。フィリピン全体では110万人の民間人が犠牲となった。その責任は全て日本軍に押し付けられ、山下奉文大将、本間中将などが処刑され、多くの将兵がモンテンルパ刑務所で処刑された。戦後賠償は1900億円を支払った。キリノ大統領の計らいがあった。しかし、死刑宣告を受けたBC級戦犯は恩赦で解放され、当初の賠償額80億ドルは縮小された。彼は、戦争末期に市民10万人が犠牲になったと言われるマニラ市街戦で妻子4人を日本兵に殺された。彼の恩讐を超えた決断はアメリカの不評を買い、マグサイサイに政権をうばわれた。「永井均・広島市立大学准教授の近著『フィリピンBC級戦犯裁判』(講談社)によれば、キリノ大統領が議会での承認を必要としない特赦で日本人戦犯を釈放、減刑した背景には、冷戦の世界情勢や日本との賠償交渉の行き詰まり、53年11月の大統領選、助命嘆願運動の高まりや刑務当局の財政軽減などがあったとされる。」(Wikipediaより)

4.キリスト教との関係を誰も言わないが

そもそも、日本とフィリピンは宮崎滔天などを中心に、アメリカの支配からの独立運動を支援し、友好関係にあった。しかし、キリノの日本の戦争犯罪や賠償に関し、カトリック教徒として、恩讐を超えた許しの心をもって対応したことを日本は全く忘れくてしまった。この事を一番恥じ、フィリピンに対して感謝の気持ちを持ち続けているのは天皇陛下である。中国との関係でも、国民党の総統であった蒋介石がその妻宋美齢がクリスチャンであり、恩讐を超えて日本に賠償を求めなかった事を想起すべきである。その事を考えると、台湾の国民党政権との関係も無視できない。今日の日中、日韓の関係において日本が批判されることの根源は何かである。彼らにとって日本が経済力にものを言わせ、ご都合主義的に過去の清算を勝手にすることへの警戒感は強い。歴史認識への批判とはその意思表示であり、右翼が影響力を持つ安部政権への赤信号と捉えた方が良い。石原慎太郎や櫻井よしこなどの右派が、アジア諸国の大戦被害を忘れているかのような無神経な言動で改憲論議を進めている。日韓の問題は先づは、大戦で犠牲者を出した、フィリピン、中国というより台湾国民党との丁寧な対応を優先し、外交面で約束を守らず、慰安婦強制連行やデタラメな南京問題を押し付けるグループとは距離を置くことである。

5.友好や尊敬は国との関係の柱

天皇陛下がフィリピンを訪問されるが、その事を世界にアピールし、100万人の犠牲を出した国との友好関係を一層確かなものにすることは中国、韓国も注目している。 中華民国の蒋介石総統は、日中が戦っているさ中にあって、拉孟・騰越において全員が玉砕するまで戦った日本軍の勇戦を讃え、「東洋道徳の範とせよ」と二回にわたって全軍に布告した(昭和十九年六月)。また昭和二十年八月十五日には重慶から全国に向けて、いわゆる「以徳報怨」の演説を行なった。その中で彼は「旧悪を思わず、人に善をなせ」「敵をも愛せよ」と述べ、偉大な中国国民としての誇りを訴えた。この蒋介石の声明により中国にいた100万の日本軍将兵、民間人が無事に故国へ帰還することができた。ドイツはチェコやロシア、ポーランドから追放されたドイツ人が戦後200万人も殺害されたことと対象的である。(南山大学論文参照https://www.ic.nanzan-u.ac.jp/EUROPE/kanko/documents/2013_no.20/06_kondo_20.pdf。)精神的に愚劣な共産党政権である今の中国はこうした度量のない欲望の国。日本は戦場になった国の日本への好意を語り継ぐという意味において、歴史認識を新たにすべきであって、皇国史観や、東京裁判の否定を主張すべきではない。このフィリピンとの関係を向上させることに複雑な感情を抱くのは実は世界大戦でフィリピンを破壊し、ベトナム、イラク、アフガンをめちゃめちゃにして反省のない国アメリカ合衆国である。

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by katoujun2549 | 2015-12-19 19:36 | 国際政治 | Comments(0)