野党にも問題あり。集団的自衛権、安倍首相の説明不足

 
 今回、安保法案の委員会通過は日本の民主主義の危機である。それは、憲法違反だけではない。採決時のプラカードを持った反対行動は誰の発案かわからないが、組織的に行なわれており、何が狙いなのか。マスコミを意識し、国民運動に持ち込もうというのだろう。あれには広告代理店とか、マスコミの知恵が見え隠れする。彼らのプラカードは皆テレビカメラの方に向いていた。かつて、80年前、日本のマスコミは戦争報道に好戦的記事を作り続けた。これによって、大いに利益を上げた。彼らは混乱こそネタなのである。昨日の党首インタビューは首相の話の5倍くらい反対意見が揃い、論調も反対ムードをあおる口調だった。世論に火をつけて大騒動にすれば新聞も、視聴率も上がるという見えみえの手口である。違憲の議論は今始まったことではない。昨年から議論していたことではないか。戦争法案反対という言葉を外国人、特に、中国が見たら、中国人は日本は自分たちを攻める準備をしているだろうと思う。
 衆議院での論点は「朝鮮半島有事」「ホルムズ海峡での機雷掃海」「シーレーンでの後方支援」「離党防衛」である。スプラタリー諸島の中国による領海侵犯、離島防衛と個別の議論もあったのだが、野党の追及も首相の答弁もかみ合っていなかった。報道では首相のあいまいな説明しか印象に残っていない。

2.中国は戦争一歩手前までいっていた。

  尖閣諸島問題がピークになったときは中国は本気で武力衝突も辞さない構えだったのだ。自分のいる大学には中国人留学生が50人ほどいるが、当時、故郷では戦争の懸念が高まり、心配の声が出て、彼らは日本が全くその状態ではないことを説明したら、とても驚いたくらいだ。恐ろしい事態があったのに安部首相は軍事情勢の厳しさを訴えることが何故「厳しい」としか言えないのか。北朝鮮の核開発は進み、拉致問題は解決の兆しが無い。首相の答弁を中継で聞くような閑人は少ない。国会の答弁も断片的にしかマスコミは報道しない。マスコミのコントロールで安部首相の都合の良いところが強調される風潮なのだが。中国は国民をでたらめな情報によって煽り、戦争に向かっていた。彼らは簡単に戦争が出来る国なのだ。周辺にこれだけ危険な状況があって、これにどう対処するのか。もっと根幹のところで議論が無ければ保守層からも不信感は増すだろう。実際、あの石破氏も批判派である。野党の扇動的、揚げ足取り的な議論で終始されては日本の将来はもたない。しかも、反対の論調がばらばらではどうしようもない。
 問題は、中国と北朝鮮の核なのだ。日本が核武装できない以上、アメリカの核に頼らざるを得ない。アメリカの安保タダ乗り批判に対して、日本が核武装することはアメリカが最も恐れていることだ。そうなれば、アジアはアメリカの手には負えない。パワーバランスをいかに維持するかである。この議論が全く欠けている。安部首相は中国の習近平と仲良くしたい。だから思い切ったことがいえない。拉致問題も解決したい。だから、北朝鮮の経済制裁を徹底できない。そこを野党は突かない。いくら沖縄があっても、アメリカは自分たちが直接攻撃されない限りは日本の為には海兵隊を派遣したりはしない。中東のISILに対しても空爆以外手を出せないのだ。アメリカ兵は死者を出せない。若者の死は日本に代わってもらいたい。あの好戦国アメリカですら、第一次大戦ではルシタニア号撃沈、第二次大戦ではパールハーバーが無ければ戦争できなかった。ベトナム戦争はトンキン湾事件、イラク戦争は大量破壊兵器のでっち上げが必要だった。中国や北朝鮮は簡単にゴーサインが出る国だ。野党の国際情勢感覚を聞きたいものだ。

3.憲法違反

 集団的自衛権の憲法問題にせよ、武力攻撃事態法、有事法制関連法等に関して、安倍首相の説明のまずさ、法律論を語る力量など、失敗だったと言える。もともと、安倍首相の姿勢には昔から疑念があったのだから、よほど説明に説得力が無ければ内外の理解は得られなかった。また、これから、戦後70年談話に関しても、謝罪の言葉が無いとすると、中国や韓国との関係改善も危うい。特に、先月、憲法学者の反対がクローズアップされ、国会に招聘された憲法学者
>長谷部恭男さんは衆議院憲法審査会に自民党の参考人として招かれた際、質問に答える形で、「集団的自衛権は違憲」と発言。集団的自衛権の行使
が違憲である旨訴えたことは打撃だった。彼は、憲法第九条を改正して、戦争の出来る国家にしたいという立場で、何も平和を守ろうと言う人ではない。全くの人選ミスであった。彼が何故あのような意見を出したのか。改憲論者にとっては、解釈による憲法骨抜き論によって、憲法改正の機を失ったことに対する憤懣があったに違いない。

4.三頭政治の力量

 安倍政権は麻生、谷垣との三頭政治である。国会答弁は安倍、財務や経済問題は麻生、選挙や党内の調整は谷垣という組み合わせである。国会運営の安倍首相の一角に穴があいた格好なのである。自民党若手(当選1〜2回)議員の勉強会での講師選定ミス、暴言などが結局安倍首相の謝罪も含め、自民党の危うさを露呈した。安倍氏の答弁はかなり官僚が原稿を書いているから足を掬われ難い。しかし、自民党のHPでの談話などになると、突然、思考の甘さが見えてしまう。そんな彼が、微妙な有事法案等11法案を一気に国民に理解させ、国会を通そうという事自体無理なのである。今日、日本の置かれている国際的緊張は対応を誤る事が出来ないし、安保条約の実効性が問われている中で、議論が出来る首相でなければ、国家の方向を誤ることになるだろう。弁護士や官僚など法律論に長けた野党質問者に対してきちんと答弁出来ない。その無能ぶりが露になっている。アメリカにとってみれば、中国との領土紛争は、日本を助けるどころか、漁夫の利を狙えることなのである。日本はF31やオスプレイを買ってくれるし、対中封じ込めに日本を活用できるのだから。そんな大国の思惑を日本は読み取って、野党も議論をしてもらいたい。安部総理ははぐらかす様な答弁が多い。それでは国民の信頼は得られない。法案そのものは結構複雑で、これを国民に正しく理解せよと言っても無理だ。
「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(武力攻撃事態対処法) ・同法施行令・指定公共機関を指定する公示
「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律
(国民保護法) 同法施行令
・国民の保護に関する基本指針
「武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律 」
といった内容、これらが11もある法律を子供に分からせるように説明するのは相当な学識が必要だ。詭弁のようなたとえ話では国民は納得しない。参議院での議論がこれまでの繰り返しにならないことを願う。> 

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by katoujun2549 | 2015-07-13 15:54 | 国際政治 | Comments(0)