朴槿恵の奇妙な歴史認識の根源

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 韓国の朴槿恵大統領の日韓の歴史認識は独善的で、日本にとっては迷惑だが、彼女にはそれなりの理由があるのだろう。慰安婦問題では国民を煽り、日本を貶めることによって政権の失敗を国民の目からそらそうとしている。これは、あの李 明博(イ・ミョンバク)前大統領が使った手だ。確かに、1965年に戦前の日本の国としての債務は無くなった。そこで、個人請求権はどうかということになった。この部分は国際法上の議論点である。
 当時、日本が尖閣諸島の領有権問題で中国と関係が悪化し、さらに2011年の東日本大震災で苦境にあった時、その弱みに付け込んで竹島に上陸、韓国の実行支配を正当化し、日本攻撃を始めた。これは彼の経済政策の行き詰まりを打開するための人気取り政策とも言われるが、当時、韓国経済はサムソンなどの好調に支えられ、反面、経済の長期低迷と政権の交代で日本は弱りきっていたことに乗じたものであった。政権を受け継いだ朴槿恵大統領は、前大統領の政策とは違う形での日本叩きで韓国人の共感を得なければならなかった。初めての女性大統領であるという重圧もある。そして問題は、彼女が、日韓基本条約を締結した朴大統領の長女であるということである。朴 正煕(パク・チョンヒ)は日本と韓国の国交回復の立役者であり、このときの賠償金を元手に韓国経済は活性化し、今日の姿がある。朴 正煕は1979年10月、暗殺された。彼は、何度も暗殺の難に遭遇したが、彼の夫人をその際誤射によって亡くした。朴槿恵にとっては両親をそうした政治的な事件で失うという悲劇を味わった人である。今でも父親の朴は歴代の大統領で最も人気の高い人物である。
 韓国では、歴代大統領は政権交代後、告訴されたり、全斗煥のように死刑判決まで受けたり、悲惨な結果を迎えた例が多い。日韓基本条約は独裁政権下で、日本の賠償義務は国家間では存在しないことになった。朴槿恵は両親の悲惨な結末や、歴代大統領の退任後の不名誉を考えると、どうしても、日本批判のターゲットが欲しい。父親の締結した条約の韓国人にとっては不備であった個人補償に目をつけた。そこで登場したのが、慰安婦問題であり、また、徴用工の賠償裁判である。朴の方針は一貫しており、この点は彼女の生命の危険も合わせ、守らなければならない点ー建前なのである。親日の父親の背負った「負の遺産」を彼女がかかえているという現政権の宿命を頭に入れて、今後の日韓関係も考えねばならないのである。
 慰安婦問題は日本をターゲットにした国内問題であることは以前からいわれてきたが、その中身を見るべきだ。最近、竹島(独島)問題は殆ど話題にならなくなったことに注目したい。
 日韓条約はクーデターで政権をとった朴の強権的政策の中で行なわれ、民意は無視された。統制的な軍事政権下では民主化などの運動は徹底して弾圧され、人権上問題のある拷問や政治犯の投獄なども行われた。日本との友好姿勢も国内の民族主義者から敵視される背景となった。後に大統領になった全斗煥、盧泰愚らも朴のクーデター支持者として大統領の地位を得たし、金鐘泌らも軍閥が首相などの地位を独占していた。

 日韓基本条約は1965年に締結された日本の韓国に対する莫大な経済協力、韓国の日本に対する一切の請求権の放棄、それらに基づく国交正常化が取り決められた条約であるが、今も、韓国の戦前の債権請求拒否に関する根拠となってきた。韓国人は外交に関しては当時の軍閥政権には反対できる時代ではなかった。最近、韓国高等裁判所が戦時徴用された韓国人の日本企業に対する賠償請求を認めた。戦時、日本が韓国民に多大な苦痛を与えたことは事実であり、そのことについては反省やお詫びをしてきた。しかしこのような話は、1965年の日韓基本条約や請求権協定で最終解決したはずだという日本の理屈は、韓国人にとってなかなか納得できることではないのだろう。しかし、日本は国際法上のルールに従って交渉もしており、その条約の結果韓国経済の今日の発展があるという歴史的事実も韓国側世論は認めようとしていない。
 
 何を言いたいかというと、今の韓国の朴槿恵大統領の頑なな態度は、父親の朴元大統領の偉業から脱して、自己の政策を構築するというより、過去の大統領の悲惨な末路から見ても自分の生存をかけた戦いであり、日本に妥協することは死を意味するのである。彼女にとって、妥協は許されない。1965年当時と比べると、セクハラや女性蔑視の韓国であるにもかかわらず、その反動、その現実を隠すかのごとく、慰安婦という幻影を登場させざるを得なかった。もともと、韓国は男尊女卑の国。1965年当時はもっとひどかったろう。アメリカの韓国人に慰安婦問題において過剰反応する人が多いのは時代の変化を物語っている。朝鮮においても女性の権利の高まりは徐々に訪れている。これは歴史認識の問題という彼らの手に乗ってはいけない。彼らはこれを解決するつもりなど無い。声高に叫ぶことが現政権の生存の道だということだ。だから、彼らの認識を正そうとか、歴史的事実を検証するといったことは全く無駄である。こうした姿勢を正すためには、韓国経済が崩壊して、彼らが日本の支援を欲しがるまで待つしかない。



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by katoujun2549 | 2015-06-25 11:27 | 国際政治 | Comments(0)