特攻は悲劇以外の何者でもない:永遠のゼロは空想

今、中東では特攻自爆がさかんに行われている。これは元祖が日本の特攻である。鹿児島旅行で知覧に行って学ぶことは大事だと思うが、どのような展示が行われているのか心配だ。
特に最近、百田尚樹の永遠のゼロが特攻と愛を表現して喝采を受けている。小説も映画もよい出来だった。しかし、これと歴史認識は別だ。そこでどんな真実が語られるのだろうか。あんなスーパーパイロットは存在しなかったし、戦争後期は全くアメリカには歯が立たなかった。
知覧に行き特攻の悲劇を学ぶというのは大切なことである。しかし、自分が研究した範囲では、とにかく嘘が多く、ドラマ仕立ての話が多い。特に知覧は宣伝がうまいですね。その理由は、海軍が特攻では最も効果を上げ、犠牲も出している。しかし、海軍の鹿屋はあまり話題にならない。その理由は何かである。

陸軍は洋上航法の訓練が出来ていないために、半分は戻ってこざるを得なかった。片道燃料は嘘です。目的地にたどり着くことが出来ない無謀な作戦だったということで、それだけ陸軍は悲惨だった。戻った隊員は、福岡の振武寮という宿舎(福岡女学院)に隠蔽され、つらい生活を強いられ、そこから再度出撃した隊員も多かった。自分の父は三井で赤とんぼという複葉練習機を戦中作っていたが、それが特攻機に使われたことを絶句していた。あんなヨタヨタの飛行機では沖縄には到達できないし、発見されれば即撃墜で死にに行くようなものであった。特攻が志願であったというのは、当時の幹部の責任逃れで、実際は拒否できなかったし、指名もあった。学徒兵は優秀な順に指名されていた。当時の日本人の心情から拒否はできなかった。
海軍はゼロ戦で初期は成功率が高かった。海軍の基地は米軍の爆撃を避け、朝鮮の元山に基地をおき出撃の数日前に鹿屋に着いた。もちろん立ち寄り基地は一箇所ではない。だから鹿屋にはドラマがない。知覧はその意味で脚光を浴びている。航空戦では海軍は合理的だった。陸軍は海軍に負けじと、そんなことも張り合い、失敗ばかり。特攻はとにかく悲劇です。尊い若い命が喪われ、損失ははかりしれない。しかし、実際に礼賛する人もいて、右翼に利用されている。現実は、特攻隊員、特にベテランは怒りをもって出撃した。搭乗時に泣いたり、食事を捨てる人もいたそうである。殆どの隊員が学徒兵で、44年の学徒動員は最初から特攻要員をかき集めることが計画されていた。しかも、立案責任者は戦後、議員になったり、裁かれた形跡が無い。回天も含め、4000人を超える犠牲が出ている無謀な作戦だった。

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by katoujun2549 | 2015-03-25 15:46 | 国際政治 | Comments(0)