ならず者の帝国

ならず者にはかなわない

 ISILの蛮行に先進諸国は呆然とするのみ。やっとイラク軍がスンナイ派の中心ティクリートを制圧したとの報道があるが、結局はモグラたたきのようになってしまうかもしれない。捕虜の首を刎ねたり、焼き殺したり、さらし者にして処刑するなど、こんな蛮行が現代に許されるのか、国際的な憤りをわざとネタにして宣伝する連中に、欧米、日本などの先進国は唖然とするばかり。そうこうしているうちに、ウクライナではヒトラー並の手口でプーチンがクリミア半島を奪い、ウクライナを窮地に陥れ、ロシアは全く反省の色が無い。これは、ナチスの台頭以来の世界史の転換(後退?)かもしれない。文明は常に発展し、よい方に向かうという楽観主義の限界が見える。ボコハラム、エボラ出血熱、中国のチベットやウイグル迫害、ロシアの横暴、ギリシャの無茶苦茶な政治経済など、20世紀に生まれた、民族自決、民主主義、科学技術の進歩、さらに国民国家の成立といった多くの人類の財産が破壊されて行く時代に来たのかもしれない。ロシアとアメリカ、中国の3極が新帝国主義を形成し、力の支配を頼りに世界中に混乱と悲惨をまき散らす時代が来るのだろうか。
 自分は必ずしもそうは思わない。逆に世界は今、内向化している。パックスアメリカーナの終焉、ユニバーサリズム、グローバリズムも先が無い。その結果がわが国で言えば、象徴的に円安、海外留学生の減少、海外からの観光客増であり、軍事体制の強化である。TPPが難航するのもその反映であろう。ロシアもルーブル安、日本も円安、ドルは対外戦争を避ける限り、基軸通貨としての安定性を維持出来る。アメリカも、ロシア、中国も、いざ自国の課題解決、特に、中国は汚職と富の格差解消に向けて注力する。中国は海洋は制覇できない。尖閣問題は日本の海上武装強化、潜水艦とヘリ空母増強で対応できる。1000億円の上乗せで戦意を喪失させ、戦火にならなけば安いもの。隙を見せてはいけないし、それ以上もいけない。ロシアも、ウクライナで制裁を受けて、自国内に閉じこもり、国内産業を育成する方向に向かう。ユーロもギリシャの破滅的経済からユーロの価値が不安定になり、経済に関しては崩壊寸前で国内の問題に追われる。そんな状態から次の段階ー外向に移った時の行動が怖い。かつて、ナチス不況を克服したかのように見せかけ、戦争にまっしぐらに突き進んだ歴史がある。
 こうした悪の帝国が出来上がった場合、周辺の紳士的な文明国は手がつけられない。ならず者には弱いのである。しかし、悪人に逆らって、彼らと同じ手に乗ってしまうのは良く無い。悪はいつか内部崩壊する。それを待つしか無い。聖書の中にも、悪人に逆らうなということばがある。必ず、いつかは神の審判が下ると言う楽観論である。

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by katoujun2549 | 2015-03-18 00:43 | 国際政治 | Comments(0)