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アベノミックスを成功させるのは人財だ!新潟はこれから楽しみ。

アベノミクスの大胆な金融政策、機動的な財政政策は効を奏し、株高と円安をもたらした。消費税の増税の結果があまり良くないとはいえ、この程度で収まったなら成功であろう。ところが、民間投資を喚起する成長戦略がついてこない。地方の給与水準はあがらず、大手企業のうち、国際企業の業績は良い。しかし、
一部の大企業を除き、イマイチの景況である。その原因は地方の産業に活気が無いということである。これを打開するために、石破大臣先頭指揮に地方創生の掛け声が高い。これが、かつての公共事業ばら撒き型にならないことを祈る次第である。確かに、地方を活性化させることこそ日本経済活性化の条件であることは正しい。しかし、そこは最終到達点でもある。地方の隅々まで行き渡るということは最高の結果であって、ここまでどう到達できるかである。そこに至る道とそれを阻むものをどう乗り越えるかのロードマップができるかどうかである。今年中にとか、予算編成でなどというのは掛け声だけであって、これが出来れば世界をうならせる話である。
自分は新潟に来て2年半。新潟という土地の風土に親しみ、とても気に入っている。雪は多いし、東京までは結構遠い。しかし、新潟には東京には無い人情も、和の精神も健在である。東京には無い、本当の日本がある。そう考えれば之も財産ではないだろうか。新潟はスイスのように風光明媚である。ものづくりでは時計などの精密機械、金融、そして観光はスイスの売りであるが、新潟は食の多様性にも満ちている。スイスは所得も高く、物価も世界一だが国民は満足している。その理由は何と言っても「平和」という財産である。映画、第三の男で、犯罪者、ハリーライムが新聞記者の主人公に、スイスの平和が生んだのは鳩時計ではないかとあざ笑うが、実際はそうではない。戦争終結直後のことだが、ヒトラーもいない、戦場にはならず、世界中から有能な人材が集まり、国際機関もジュネーブに集まっている。うらやましい限りである。日本もそんな国になって欲しいというのが終戦直後の日本人の願いだった。国の大きさ、人口、国際関係の違い、中国との関係など、そえはスイスとは同じではない。しかし、日本人が夢見る分には只ではないか。
新潟県は豊かな自然、美味しいお米、酒、妙高や長野の山岳地帯にも近く、佐渡をはじめ観光資源も多い。しかし、不足しているのは「人」である。人材がいないというのは悪口のようだが、何も、基準を東京においている訳ではない。新潟の良さを生かす人材のことである。自分の生活の周辺より、東京や大阪の方がよく見える。地元の人間は劣って見えるものである。しかし、自分はそんなことよりも、これからの日本が必要とされる人間は世の中に奉仕する心を持った若者である。特に「おもてなし」の心を持って仕事ができるかどうか。誠実とか、正直、誠心誠意という徳性を新潟の人は他県より多く持っているように見える。これはサービス業や第三次産業には必要な能力である。こうした特性は他国のモラルの乱れた、殺人や泥棒、さらに人をだましたり、うそをついても平気な国々の実態をみても大きな違いではないだろうか。アベノミクスは消費税を増税したから、消費が上がらない、給与が増えないから物を買わないという理屈は間違ってはいない。しかし、それだけであろうか。人に満足を与える商品がどれだけあるだろうか。ユニクロは何故売れたか。トヨタの車はどうか。それは何も売れるものを作っているだけではない。それを生み出す人の力があるかどうかなのである。物を作っても、アフターが悪ければ売れない。サービス精神や、顧客を引き付ける商品は、人と人の関係から生まれる。自分のいる大学は、リベラルアーツというコンセプトである。そんなもの役に立つかという問いをしばしば聞く。大いに役に立つと言いたい。これまでの重厚長大、生産性の向上だけでは日本は生きていけない。これらは世の中の動きに敏感な若者、そしてそれは顧客との丁寧な交流の中からまれるのではないか。その為には偏らない、幅広い教養が求められる。国際的にはさらに必要である。人種、宗教、民族の差を越えて交流するには語学力が必要であるが、そこで何を語るのか、人間関係を持てるのかが課題である。資格も専門知識も、もちろん必要だが、先は人なのである。重厚長大、富国強兵からどんな人材が生まれただろうか。わが国が必要なことはこの国が生み出したものをいかに有意義で、魅力のある商品として訴えるかである
 製造業でも課題は一緒である。サービス業の生産性も大切である。基準は難しいが、分かりやすく言えば、日本の偏差値の高い学校には傲慢な学生も多い。学生時代、よく勉強した人、競争を乗り越えてきた人は自分中心になり対話が出来ない人が多い。そんなことでは何も気がつかずに自慢話でおわってしまうだろう。その点、新潟の人はもって生まれた謙虚な人柄が必ずや貢献するはずである。優れた商品を魅力的にするのは介在する人間の力である。使わなければ分からない。使わせるためには人が進めなければなりません。景色が良いかどうかは行って見なければわかりません。酒を味わうにはよき交わりが無ければ美味しくない。新潟はそれが出来る。販売や営業、サービス業はこれからの日本がさらに充実させるべき産業である。そして、これは何と言っても人を幸せにすることができる。そこに有能な人材を育てることが出来る大学であるかどうかである。そうした人間教育が出来るかどうかが大学の未来を決める。新潟の財産は人であるといえるようになろうではないか。

by katoujun2549 | 2015-01-26 16:01 | 教育 | Comments(0)