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シェークスピア実在したのか

 BS世界のドキュメンタリーという番組でシェークスピアは実在の人物かという番組を見た。このドキュメンタリーではシェークスピアは反ストラッドフォードアイボン派というのがあって、シェークスピアはペンネームで実在の人物は別にいるということであった。理由を聞くと、なるほどと思うふしがある。もちろん、今、主流の研究者では実在の人物ということが主流で、彼らは、一体何でそんなくだらない研究をするのか、彼の作品を読んで取り組むことこそ大切なのに無駄な作業だといっている。ところが、このドキュメンタリーは前半は両方の言い分を並行して述べていたが、突然、シェークスピアはオックスフォード伯爵であるという結論に描いているように見えた。これは公平性に欠くとは思ったが、その説明は映像も交えて説得力のあるものだった。、若いエリザベス1世の第一秘書(Chief Secretary)であったウィリアム・セシルを直属の上司として、その監督の下、フランス語・ラテン語・天文学・画・舞踊・乗馬などの修行に励んだ。大変な教養人で当代一流の文筆家であった。(Wikipediaから)
シェークスピアがフランシスベーコンだったという説もあり、このオックスフォード伯説はそれと同じくらい荒唐無稽だという評価が学会では主流。この説は1920年に高校教師が言い出したが、一蹴されたのだというが、このテレビではなかなか説得力のある説明であった。
BS世界のドキュメンタリーの解説では次の解説となっている。

『劇作家ウィリアム・シェークスピアの生涯は謎に包まれている。人気作家だったにもかかわらず、自筆の原稿は1つも見つかっていない。本人とされる「ストラトフォードのシェークスピア」は穀類を扱うケチで有名な商人で、彼が書いたという証拠もない。実際、多くの作品で教養がある高貴な身分の人間しか知り得ない世界が描かれているため、宮廷に近い全く別の人物が偽名を使って書いていたとする説を支持する作家や研究者は多い。
本当のシェークスピアは誰なのか-?さまざまな仮説が存在するなか、有力候補はエリザベス1世のお気に入りだった第17代オックスフォード伯エドワード・ド・ヴィア、通称「オックスフォードのシェークスピア」だ。王位継承を巡る政治的陰謀が渦巻いていたシェークスピアの時代、宮廷に身を置きながら演劇に没頭した人物だった。
番組は、エドワード・ド・ヴィア伯爵の人生をたどり、シェークスピア作品との関連性を明らかにしていく。“オックスフォード派”と“ストラトフォード派”、両方のインタビューを織り交ぜ、文学史上最大の謎「シェークスピア別人説」を検証する。
原題:Last Will. and Testament
制作:First Folio Pictures (アメリカ 2012年)』

オックスフォード伯爵
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シェークスピア
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 確かに、シェークスピアの戯曲はリチャードⅡ世とか、ハムレットなど王室のこと、社会の風刺的な作品があるから、必ずしも単純なドラマではない。あの、グローブ座も火事で消失したが、放火かもしれない。また、エリザベスⅠ世とかが、ずいぶんシェークスピアにご執心だったことも異例なのだそうだ。エリザベス女王は何も、処女ではなかった。自分の夫は英国であるといわざるを得なかった。オックスフォード伯がエリザベスの子供で、当時の重臣の娘を政略結婚させられ、あまり幸せな夫婦生活ではなかったらしい。その恨みを晴らすかのように様々な戯曲を書いていた。あの、ハムレットについては自分のこと、ハムレットに刺し殺されるオフェリアの父はエリザベス女王の重臣で義父になぞらえ、当時の民衆にはすぐに何のことか分かるものであったという。確かに妻に不倫された復讐心を満足させるために、オフェリアという悲劇の女性を、出来るだけ惨めに描いて溜飲を下げているふしもある。エリザベス女王はそうした風刺を楽しみ、民衆の反応を見て政治感覚を研いでいたのではないか。テレビや新聞のない時代、演劇はそのような最大のマスメディアであり、今も昔も政治家はそうしたメディアを利用していたということもあろう。実にリアルに迫ってきた内容であった。
 当時は警察国家のような厳しい言論統制が行われ、また、スペインとの戦争中で、多くの芝居小屋が政府の命令で政府批判の門で閉鎖になったり、作者、劇場主が拷問されたりした。ところが、シェークスピアはあれだけいろいろ書いたのに全くお咎めなしということは、政府内の高官との関係があったに違いないと思われても仕方がない。オックスフォード伯はエリザベス女王に寵愛された、大変な教養人で文筆家だった。シェークスピアの戯曲はイギリスの歴史や貴族の生活を知った人でなければ書けない部分が多いそうだ。また、ロメオとジュリエット、オセロなどイタリア方面に旅行しなければ書けない内容もある。オックスフォード伯爵は結婚直後イタリアに旅行し、その間に妻の不倫に悩まされたようだ。そうした葛藤が彼の女性の見方になり、また、恋愛の心情をリアルに描くことも出来た。
 ではシェークスピアという人物は架空かというとそうでもなく、商人で借金の督促とか、取引でがめつかった記録があり、実在だったらしい。そこで、オックスフォード伯は彼の名前をペンネームにして書きたい放題で、エリザベス女王もそのことを知っていたから、大いにその芝居やソネットを楽しんだのだというのである。なるほど。そうなればシェークスピアの作品の読み方も変わってくる。背景を考えながら、エリザベス女王が喜びそうな重臣の皮肉とか、政治批判、庶民の受け止め方などを実際の政治に当てはめ、市井の動きを観察していたものかもしれない。昔も、今も、マスコミ操作は政治化の常套手段ということなら説得力がある。

by katoujun2549 | 2014-11-07 13:59 | 映画 | Comments(0)