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イーゴリ公 ボロディンの歌劇 韃靼の踊りが素晴らしい

 ボロディンの歌劇 イーゴリ公 Prince Igori Polovitsion Dance をyou-tube で見た。幾つかの演出を並べてみる事が出来て面白かった。中でも2014年の収録版のボリショイ劇場の公演のものがすばらしい。Alexander Borodin - Prince Igor - by Yury Lyubimov - music edit by Pavel Karmanov 版で映像も美しい。特に、韃靼の踊りの群舞は圧巻である。http://www.youtube.com/watch?v=CzmIu-VjRCMで見ることが出来る。新しいものがhttp://www.dailymotion.com/video/x1yt0fm_で、これはダンスの振り付けが見事だが、全体の群衆シーンの構成が今回のボリショイ劇場のものにはかなわない。これは全曲を見ることが出来る。ボロディンのイゴーリ公は4幕もあるが、これは2幕目にあり、山場である。このシーンはかなり前のロシアのものもあるし、中国の製作したものもなかなか見事である。もう一つ、サンクトペテルブルクのマリンスキー劇場2013年公演のものも素晴らしいが、ダンスのスケールがやや小さい。2014年のメトロポリタン劇場のものは、斬新な演出で、評論家ごのみだが、自分は突飛すぎて馴染めなかった。あの韃靼の踊りの勇壮な感じが消えてしまい、心象風景が全面に出てしまった。ロシア版はhttp://www.youtube.com/watch?v=gVURal-QYsA で見ることが出来る。
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振り付けはやや古いが、
ボリショイ劇場公演でキーロフバレーと思われ、踊りもすばらしい。バレエの独立した演目としても上演される機会がある 「だったん人の娘たちの踊り」と「だったん人の踊り」にはいくつかの振付のバージョンがある
。韃靼というのはタタール(韃靼)ということだが、ヨーロッパ人にはモンゴルとトルコ方面の騎馬民族との区別ができない。この物語はPolovtianという部族のことだが、これはモンゴルではない。ロシアがモンゴルに支配された時代は彼らの暗黒時代であった。舞台は今ロシアと問題になっているウクライナ、東スラブ人であるイーゴリ・スブャトスラヴィチ公の物語である。実際はウクライナがモンゴルに蹂躙されたときの話と思われる。
 フォーキン版、ゴレイゾフスキイ版が定番化している一方で、最近の公演では各劇場ごとに独自の振りつけをみることも多い。2012年のパウントニー演出、フェドセーエフ指揮で上演のハンブルク歌劇場の公演ではレナート・ツァネラが振付、メトロポリタン歌劇場2013〜14シーズンで上演されたドミトリー・チェルニャーコフ演出のものは全くユニークで草原の中からダンサーが出て来る。今発売されているDVDは1981年収録のボリショイ劇場のもので古典的なボリショイ劇場の舞台デザインで写実的な共産主義政権の好みである。彼らの習性だろうか、解釈を嫌うのである。踊りはゴレイゾフスキー振り付け方。Karmanov 版と似ている。
(ゴレイゾフスキイ版)
ボリショイ劇場の振付である。腰をかがめた動作が多く、女性には膝立ちの動作があるのが特徴的。 「だったん人の踊り」の最後で男性ダンサーがリフトした女性ダンサーをそのままコンチャーク役の歌手が横抱きにしたらこのヴァージョンである。

by katoujun2549 | 2014-09-17 15:09 | Music 音楽 | Comments(0)