英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄 祥伝社新書 ヘンリー・s・ストークス


 フィナンシャルタイムス 日本支社長を務めていたヘンリーストークス氏の驚きの歴史観である。氏は三島由紀夫、サイデンステッカー、ドナルドキーン氏などの親日文学者と親交を結び、日本人の名誉や誇りが、第二次大戦敗戦の結果地に落ちた事を憂う数少ない西洋人である。興味深かったのは、記者であることから、実際に多くの著名人と会った印象を率直に書いていることである。白洲次郎、安倍晋太郎、金大中、シアヌーク、麻生太郎氏の母、麻生和子氏(吉田茂の三女)、三島由紀夫など。しかし、彼はジャーナリストであって、かなり文学的な素養はあるが、外交や歴史家ではない。ところがこの本では歴史認識や外交問題の難しい部分に触れており、中途半端な知識から大胆な発言になっている。ということは、彼の様な外国人並みの歴史観、知識を持った日本人が、真に受け、喜ぶ内容である。彼は三島のような日本の著名人と親交を結んだ時にかなり視点がぶれてしまい、影響を受けすぎている感じがするし、日本で今右翼的な言動をしている人達の歴史的認識は、この程度と言える。彼は、海外のジャーナリストよりは遥かに日本通だが、敢て敗戦国の立場に立っている。ダワーの「敗北を見つめて」より独断的な解釈が多い。
 この本で書かれている事は、日本人なら誰もが思う通説の数々である。今頃何を言ってるのだろうか、30年前に言ってたら大したものだ。従軍慰安婦、南京事件、東京裁判、いすれも日本人に取って誠に切歯扼腕してきたテーマだから、特に右翼陣営には有り難い外国人である。残念な事に彼がフィナンシャルタイムズに在籍していた時にはこのような主張を海外において展開してはくれなかった。今は、引退して、言いたい事を言える立場なのだろう。日本は、こうした中国や韓国の国際情報戦争に負けていることもご指摘の通り。何故かという事をもっと掘り下げてもらいたい。海外では敵対する相手に対して、悪態をつくのは常識であるが、これを世論作りという手法にもとり込んだり、歴史教育として国民向けにも活発なプロパガンダを行なう。特に、中国や、韓国の歴史認識は日本、いや世界とも違い、学問の裏付けは無い。悪辣なねつ造や、誹謗中傷に満ちた内容を平気で載せてくる。これにどう対処したら良いのだろうか。戦前も日本は鬼畜米英などといって欧米人の人格否定を行なって来た。中国人や韓国人も、チャンコロとか、朝鮮人をチョン公とかいって馬鹿にしていた。その結果が今も尾を引いていて、中国や韓国の現在の優位にある産業などを過小評価する傾向がある。
 そうした行動は全く未来に益がなく、歴史が立証している。中国や韓国の歴史認識を正そうにも連中には聞く耳が無いだろう。それではどうしたら良いのか。それは中国や韓国が日本を非難するほど、公明正大に自国の歴史の暗部を公にしていない事を指摘するしか無いだろう。中国が南京で日本軍が不注意にも犯した犯罪や、便衣兵の射殺、さらには国民党軍が行った督戦部隊の自国兵の射殺を南京事件に転嫁したこと。慰安婦問題が事実とはかけ離れた日本人を卑しめる卑劣な外交戦術であることに対抗するには同じ方法で彼らの行為を拡大攻撃するしかない。韓国軍がベトナム戦争で何をやっていたのか、中国人が文化大革命で何をやっていたのか、光州事件、天安門広場事件、さらには文化大革命で1000万人以上の自国民を闇に葬り、チベットや、ウイグルで何をしているのか、反証する事が大切である。これを海外のメディアを使って発信する事である。政府や自国のマスコミがやっては何の効果もない。他国のマスコミを取り込んだ広報の工夫である。かつて中国国民党が南京事件をねつ造したのと同じ手口である。

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by katoujun2549 | 2014-02-13 10:56 | 書評 | Comments(0)