中国は忘れないー安倍政権では中国との関係改善は無理

 参議院選挙で圧勝、ねじれ解消で安倍政権はわが世の春を迎える。そこで、さっそく、中国との関係改善が進むかのような報道が期待も込め、なされるが、現実は甘くない。中国政府は現政権においてはガンとして動かない。勿論企業レベルでは中国側もジリジリしているだろう。もう一度歴史認識を整理しなければならないのは日本側である。安倍晋三のアキレス腱は実は中国との関係である。安倍首相が誕生したとき、中国も、韓国も、右翼政権という今の日本人には違和感のある安倍批判が出ました。我々は、また、尖閣諸島の事だろうと嫌な気分になる。しかし、彼らが思う所はまた別の事なのです。歴史認識を繰り返して日本に求める彼らの思いは日本のマスコミの迷惑顔が見当はずれであることに注目すべきです。日中国交回復は佐藤政権では全く進展しなかったことを思い起こしてもらいたい。その理由は何か。それはあの岸伸介と並ぶ佐藤栄作、さらにその親族である安倍家に対する拒否反応である。彼らは中国にとって不倶戴天の敵ではなかったか、なのである。中国が家系を考慮する民族であることを忘れてはいけない。今でも孔子の子孫が中国にはいるのである。これを抜きに中国の関係を語るわけにはいかないことをなぜかマスコミは報道しない。
 
 先般、憲法改正ナチス真似ウッカリ発言で物議を醸している麻生太郎も福岡の麻生炭坑の経営者の親族で、この炭坑も徴用工で戦争中大儲けをした会社。太平洋戦争中に日本に徴用された韓国人労働者や遺族が日本企業を訴えた韓国の裁判では、韓国の最高裁判所が去年、「個人の請求権は消滅していない」とする初めての判断を示し、ソウルなどの高等裁判所で行われたやり直しの裁判では、新日鉄住金と三菱重工業に損害賠償を命じる判決を出している。日本にしてみれば、当時は日本人も動員されていた。内国人と同様、朝鮮人も動員されたが、これも彼らにしてみれば今は「強制」というのだろう。国際条約(日韓条約)無視の出鱈目だが、これがまかり通るかどうかは日本の態度にも関係する。

 故岸信介元首相は、父親が婿養子で、次男の岸信介元首相が父親の実家の跡を継ぐため岸家に養子に入ったのです。(佐藤栄作元首相は三男)ちなみに、岸信介元首相の娘は、安部晋太郎元衆議院議員と結婚し安倍普三首相の母、岸信介元首相の長男の岸信和氏に子供がなかったため、安部首相の弟が岸家に養子になった。安倍首相は大変なお坊ちゃまなのです。お坊ちゃまの特徴は人の痛みに鈍感ということである。彼が中国や朝鮮が何で自分を敵視するのか未だに理解できていないかもしれない。何を今更、血筋が何だとか関係ねーだろと言いたいと思うが、どっこいそうはいかない。中国人はしつこい,というより、3000年の歴史を持つ彼らにとって70年前は昨日と同じなのである。

 岸信介はなぜ戦犯となったのか。それは彼は商工官僚として中国で行ったファシスト的な行為の結果である。彼は、大戦末期、非人道的な労働力駆り出しを中国や朝鮮で行い、多くの中国人を死に至らしめた。勿論要請したのは戦争中労働力不足に悩んだ満州の企業(鹿島組:鹿島建設や日本産業:日産)である。しかし、これを軍や警察まで動員して画策したのが当時の岸である。直接やった訳ではないとうそぶくあの出っ歯顔がふてぶてしい。被害にあった人々はこれを忘れない。満州で彼が行なった悪行、ナチス並みの強制労働を満州で行なっていた。韓国での慰安婦問題も確かに、軍が慰安婦を駆り集めたという証拠もなかったし、実際には行わなかったかもしれない。韓国はこの際関係ないだろうと思うのは日本人がわの論理。大戦末期、岸はウサギ狩りと称して、片っ端から中国人の家庭から軍の力も使って若い労働力を駆り集め、撫順炭鉱や鞍山鉱山、土木労働に送り、多くの死者を過酷な労働環境で出した。岸は商工大臣として辣腕をふるい、満州で特殊工人を奴隷のように使った手口をその地位を利用しておこなった。1944年、「華人労務者内地移入ノ促進二関スル件」という閣議決定を行い、日本への中国人強制連行を開始、総計4万人の中国人が日本各地でタコ部屋に押し込められ、そのうち、7000人が殺された。このことはILOからも指摘され、一時はニュースになったが今は忘れられている。なぜかマスコミは今の時点では報じない。この強制連行は既に満州で岸が主導しておこなったことの延長である。岸は、直接ではないが、731部隊の生体実験も容認し、八路軍兵士、抗日戦の闘志やゲリラを死のタコ部屋で働かせた。このデータなどをアメリカに渡し、岸は死刑を免れたという説もある。満州の強制労働の主役は鹿島建設である。今の鹿島建設はこれを行ったため、この犯罪行為を認め、謝罪している。鹿島建設など、一部の勢力はこれが無かったかのごとくやりすごそうとする。満州ではもっと多くの中国人が死んでいる。いくら頭隠しても、尻隠せずなのである。その張本人が岸であるから、その一族である安倍晋三は許しがたい存在なのである。いわば、ドイツのゲッペルスか、アルベルトシュペアの子孫という感じで見ていることを誰も言わない。これで彼らは慰安婦の問題も、安倍という右翼一家のおかげでいっしょくたにしてしまう。中国も日本が右翼的な人物をリーダーに選んだと思うはずである。朝鮮の従軍慰安婦問題は、賠償責任を逃れた日本政府に対する強制労働も含む屈辱を晴らしたいという事なのである。
 岸信介の手によって行なわれた奴隷労働の結果、花岡事件という悲惨な出来事があった。
 44年8月以降、鹿島組花岡出張所に強制連行された986人の中国人は、主に花岡川の付替工事に従事させられた。彼らは「中山寮」という名の強制収容所に入れられ、粗悪で少量の食料と過酷な労働、補導員と呼ばれた鹿島組職員の虐待の中で次々と殺されていった。
 45年6月30日、耿諄大隊長を中心とする彼らは、民族と人間の尊厳を守るためについに死を賭して蜂起し、日本人監督4名と日本人の手先となった中国人1名を殺害して中山寮から逃亡した。しかし直ちに鎮圧されて再び捕らえられ、共楽館に集められて凄まじい拷問にさらされ、蜂起の後の3日間で実に100名を超える人々が虐殺された。敗戦後の45年9月にまで及ぶ強制労働によって、最終的に鹿島組花岡出張所に強制連行された986名のうち418名が殺された。
花岡への連行者986名の年齢構成と死亡者の年齢構成をみると、
 15歳以上20歳未満 連行者数 50人 内死亡者数 5人
 20歳以上40歳未満 連行者数596人 内死亡者数209人
 40歳以上67歳   連行者数340人 内死亡者数209人
 (閣議決定によれば、年齢は「概ね40歳以下」となっているが、41歳以上が307名、全体の約30%を占めている。手当たり次第の連行であることがわかる。41歳以上の62%が死亡している。)
 (なお、135事業所総計では、連行者数38,935人 内死亡者数6,830人 死亡者比率17.5%)
 この事件で鹿島建設からBC級戦犯が逮捕され、一人が絞首刑、2人が終身刑となった。
 かつて、日米安保改訂のときなぜあれほどの騒動になったかというと、岸がアメリカの傀儡であることと、戦中派が社会の中核だった当時、戦前の荒っぽい満州での活動と右翼思想に対する岸の事は国民が知っていた。岸が満州で行なった国家犯罪は、手下だった児玉とか、笹川、小佐野といった闇の世界の黒幕として岸が冷徹なリーダーシップを発揮し、人身売買、麻薬、戦時貴金属徴収などの裏ビジネスで戦費を稼ごうとした。岸に言わせればお国のため。自分は手を汚していない。中国の一連の行動はこうした過去に対する拒否反応である。岸が総理大臣になったとき、警職法を改正しようとして大騒動になった。彼はうかつにも、ファシストの牙をむいた。国民は彼がA級戦犯だったことを思い出した。彼が北一輝を崇拝していた骨の髄まで右翼だったことは10年やそこらでそう変わるものではない。岸は一族の思想的中核である。彼に比べれば安倍総理は赤ちゃんみたいなもの。でも、血はあらそえません。岸がかつての野蛮な行為を指摘されても、知らぬ存ぜぬで通したやり口は、今の安倍首相の従軍慰安婦や靖国参拝への態度とそっくりです。安倍政権になって憲法改正に関して、95条を改正することから手を付けようとしています。これは岸のやった手口そっくりである。

 岸はある談話で次のように言っています。彼に取って議会何ぞは関係ない。これもナチスと同じ。
例えば、右すれば法律に違反し、左すれば法律に適うが結果がうまくいかんという場合、純粋な官僚である以上は左をとって几帳面にやっていかなければならんのです。
満州から帰ってきたときには、どうもそれを逸脱して右の方に行きかねない状態であったと思うんです。満州では、こういう場合には結果のいいほうを選んでいたからね。よい結果を得るためには法律を改正しようではないか。つまりこれは勝手にできたわけだ。事実上国会なんていうのはないからね。
しかし法律改正をするまでは、悪い結果の道をとるかといえばそれはとらない。法律が悪ければ法律を変えようではないか。
(*岸はここで、「いい」「悪い」という価値基準をすでに含んだ言葉を使っている。この場合の価値基準は「満州国」であり、従って「満州国」にとって「いい」「悪い」という文脈になる。)
こういうやり方を満州ではとってきたんです。』
参照:www.inaco.co.jp/isaac/back/023-9/023-9-3.htm‎ 田母神論文に見る岸信介の亡霊より
 いみじくも、先般麻生副総理が、ナチスを例に取った不適切発言も関係があるかもしれない。麻生もかつて、中国人労働者を麻生炭坑に送り込み、戦時にも利益を上げた一族である。
  アメリカとって、A級戦犯から解放した恩義のために、岸は御しやすいとみた。アメリカが総理になる道を後押ししたことを国民は感じていた。そんな岸と佐藤栄作が主導した日本と国交を回復するわけがない。日本と国交回復を願っていたのはソ連との対立に困っていた中国。それでも、中国はじっと我慢をして、佐藤政権が交代するのを待っていた。中国と台湾の扱いで国内がもめていることで待っててくれていた訳ではない。田中角栄など当初はどうでもよかったのであるが、池田勇人以来の外交努力の中心であった大平正芳の功績で見事に成果を残した。田中角栄は満州での兵役を経験し、いかに酷い事を当時の日本軍が行なっていたかを実際に見て知っていた。国交回復の時に彼らは中国との交渉をguilty conscious というコンセプトをもってのぞんだ。交渉相手の周恩来はそのことをしっかり見ていた。それで、素晴らしい功績を残すことができた。民主党政権も、安倍も全く過去のことをノーテンキにもういいじゃないかと勝手に思い込んで交渉するから上手く行かない。

 安倍の叔父である、岸は、満州を支配したが、その手法は、ナチスドイツの物まねなのである。ナチスの強制労働政策は、シュペアーなどが首謀し、ドイツが占領した国から、ユダヤ人のみならず、オランダやフランスの占領地からも労働力をかき集め、多くを死に至らしめた。こうしたナチのやり方に心酔し、満州を支配し、名をあげたのが岸信介である。これを中国は忘れるわけがない。ユダヤ人がアウシュビッツを忘れないのと同じである。東京裁判では日本の人道に対する罪が問われた。何も日本はナチスと同じではなかったのに同列に扱われた。とんでもない誤解と戦勝国の身勝手を東京裁判批判をする人々は口にする。しかし、この岸のやり口に限っては、ナチスと同列であった。甘粕はゲッペルスを真似、岸はシュペアーに相当する。安倍は岸の一族、その流れを汲む者と警戒している。安倍が憲法改正とか、国防軍といった構想を口にすると、彼らの感情は逆なでされる。一体何で、かれらが反発するのか、マスコミはきちんと解説してもらいたい。今の時点では尖閣列島は口実だということ。中国も、血統を理由に外交することが世界の常識ではないことを知っている。しかし、そのままでは耐えられないのである。理由をマスコミはなぜか語らない。安倍自身が、自分には身の覚えのないことだとおめでたいご性格から、平気で強気の発言をしたがるが、どっこい彼らは別の見方をしている。この課題をどうクリアーするのか。今後の動向を中国、韓国と両にらみで観察したい。

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by katoujun2549 | 2013-07-29 17:14 | 国際政治 | Comments(0)