領土問題をこじらせる原因

ことの発端は、ボケたお坊ちゃま首相、鳩山のミスガイドで日米間の軍事関係が最悪の関係になったことだが、それにしても、尖閣諸島も竹島も、日本の対応のまずさが目立つ。竹島で韓国の手口がお粗末なのは、彼らはいまさら持ち出す必要もないのに国内向けに李明博は既に実効支配している島に出向いて事を複雑にしたことである。野田総理は、国有化に関して、あのような政治的キャンペーンにせず、黙って契約していればいいのに、自分の人気のないのを気にして大声で国民にアナウンスしてしまった。これでは中国も立場がない。尖閣列島問題は、かつての日中国交回復時にも課題となって先送りすべきと周恩来から提案のあったことで、中国は相当に昔から意識してきたことである。今回、国内むけに野田総理は中国をことさら刺激した。今度の安部晋三も気の弱さを強気に転化して、何をしでかすかわからない。彼は、中国人の敵、岸伸介の親類だから、中国政府からは相手にされないだろう。同様に、あの石原都知事というのは一体何を考えているのか。実際は小心なので、やたら虚勢を張るのだ。日本が戦争でも引き起こすことを期待しているのだろうか。今年は日中友好条約締結40周年なのに、こんな事態に陥った原因は何かだ。中国は今の野田政権に対しては全く関係回復の気がないだろう。彼らを見くびってはいけない。あの野蛮極まりないデモは中国政府が裏で旗を振っていた。国際社会でまともな国と思われたくないかのような蛮行が行われた。でも、それだからといって日本の立場がよくなるわけでもない。野田政権で最も欠けているのは洞察力である。想像力といってもよい。野田という人物は今や官僚の操り人形である。官僚を心服させたかつての田中角栄とは違う。民主党のまずいところは、結果的にはあの領土問題を政権維持の道具にしているということである。自分本位の中国はそこを指摘してきている。だから、彼らの暴行にじっと耐えるしかない。

 なぜ日本が戦後中国と関係を回復したかをもう一度思い起こすべきである。当時、日本では佐藤栄作は沖縄返還で歴史に残るが、必ずしもよい評判ばかりではない。派閥政治と中国との外交では全く相手にされなかった。それは佐藤の実兄の岸伸介元首相が中国からの評判があまりにも悪かったためである。彼らはアメリカべったりにならざるを得なかった。当時は東西冷戦で中国は東側にあり、最近もアメリカは人権問題、チベット問題では中国と対立する。今も、対中国との関係悪化の原因は鳩山元首相の外交のまずさで日米関係が冷え込んだことを挙げるが、実はそんな問題ではない。それはむしろ、あの佐藤が中国に全く相手にされなかったことを忘れている。中国という国を誤解している。竹島と北方領土、尖閣諸島とはそれぞれ問題点が違うから、ここでは主として尖閣を中心に述べよう。

 日本は中国で一体何をしたのか。それは日清戦争以来戦場は中国だったということである。戦争には大義名分が必要だ。日清戦争は、あの清が日本に対して傍若無人な振る舞いをし、日本は臥薪嘗胆、日本では正義の戦争とされ、国民はその勝利に拍手喝采した。日露戦争では旅順、奉天(瀋陽)などの北部が戦場になった。さらに、満州事変や日中戦争においては実際には地域紛争ではない、激しい戦闘がつづき、上海、南京などでは国民党軍と激戦が繰り広げられた。驚くことに、最近の日本の大学生はこうした歴史を知らない。そこに付け込んでいるのが石原とか、一部の右翼である。日本は戦場になった国に対する配慮を忘れてはいけない。日中交渉で田中角栄が常に行っていたことが、「guilty conscious」という言葉である。田中角栄は若いころ満州で従軍し、彼は関わらなかったが、日本軍の蛮行に対する知識を持っていた。当時の外務大臣であった大平正芳はクリスチャンでもあり、こうしたguiltyという言葉を使ったのだろうと思う。そうした姿勢が当時の周恩来などの中国側に誠意として伝わったに違いない。それに引き換え、野田政権の言動は全くそうした中国とのお付き合いの基本を忘れている。口では当たり前のこととぶつくさ言うが、民主党政権がやっていることはこれまでの政府の努力を踏みにじる暴言、的外れな行動なのである。

 日本は敗戦後、東京裁判、サンフランシスコ講和条約を通じ、国際社会に復帰した。ところが、東京裁判において、また、講和条約でも、日本は国民党が相手であった。さらに、東京裁判は英米主導で行われ、戦火になったアジア諸国は独立も果たしていない時期にアメリカ主導ですべて決まってしまった。だから、民主主義国家になった韓国、フィリピン、シンガポール、インドネシア、マレーシアなどの諸国とはどうしても戦後処理において後味の悪い結果が残っているのである。従軍慰安婦問題も確かに、証拠はないだろうが、心を痛めている人々に向かって「証拠無いから無かった」では全く誠意を感じさせない。

 今の政権幹部でそうしたことへのきめ細かな配慮のできる人はいないのである。戦後高度成長を達成させ、立ち直った日本をアジア諸国は羨望のまなざしで見ていたと思う。常に気をつけるべきはフィリピン、韓国や台湾、インドネシア、タイなどのかつて日本が支配した国の国民感情に対する配慮である。中国との領土問題も、同じ問題を抱える彼らの国際社会での支援支持が必要である。確かに、日本は戦後、苦しい財源を絞り出すように、賠償を行い、借款やODAで誠意を尽くしてきたではないかという向きもあろう。それは経済ベースの話で、彼らているのは、そうではない。戦後の歴史教育や自衛隊の位置づけ、日本の右翼の反省のなさである。かつて自民党議員から日本は神国とか、戦前の価値観が飛び出して一部の老人の喝さいを浴びたが、その結果は散々だったではないか。

ドイツでは、ナチズムは犯罪と位置付けられる。最近まで国家がナチ党員の犯罪行為を裁いていた。これはニュールンベルグ裁判の後に行われ、さらにネオナチなどの勃興を抑え込むことも視野において行われた。ドイツと日本は全くしでかしたことの大きさは違うが、同じような全体国家思想が蔓延し、他民族を蔑視した過去は忘れてはならない。ドイツは国家が、徹底的にそうした過去の清算を国民に対しても行っている。今の民主党はかつて自民党政権が懸命に国交回復の努力を行って、今日の経済関係にまで発展してきたことを忘れてしまい 、あの野田政権は尖閣諸島国有化の一言でリセットしてしまったということなのである。


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by katoujun2549 | 2012-09-25 14:57 | 国際政治 | Comments(0)