終末期医療はどこまで可能か

 人間いつ死ぬかというのは我々の判断出来る事ではない。最後を迎える時でも、昏睡状態が何日も続くことがあるかと思えば、数日とか、1日ということもある。とにかく、命の事は最後まで我々人間の領域ではない。危篤状態ということは医師も判断できるが、何日とか、何ヶ月先ということも無理だろう。医療の立場からは、経験上予想はできても、患者や家族には何時亡くなっても不思議は無いという表現しか出来ない。延命措置をするか、しないかの決断を迫ることくらいで、患者の方も、辛い決断であろう。しかし、今日、癌など、病気で回復不可能という場合は、人工呼吸器や心臓マッサージなどの延命措置は行なわないのが通常の措置になってきた。

 今日、在宅でかなり病院に近い設備が設置出来る。しかし、それらの機器の性能は終末期に対応した内容ではない。酸素吸入器は在宅用で5L/分が最高である。だから、肺癌なの呼吸困難を終末期に伴う病気では対応出来ない。病院の機器は10L/分が可能である。終末期に必要となる痰の吸引も家庭でも可能だが、例えば、ALSなどの患者なら家庭で行ない、長期の療養である為、家族も慣れて来る。

 しかし、病変は時を選ばないし、全く予測不能な時が多い。しかも、癌の末期には疼痛とか、肺癌などは呼吸困難を伴い、患者は苦痛を訴えるだろう。そうした場合はやはり、病院に救急搬送し、病院での治療となるだろう。患者に経済的余裕があれば、病院の差額ベッドで2.5万円〜3万円/日くらいで広くて設備の良い部屋を提供してくれるから、家族や親族が看取りや看病に訪れるためには病院の方が都合がよいと思う。ただ、病院でも可能な治療というのは終末期には限界がある。では、家庭でどうかであるが、昔のような大家族なら人手もあるが、今のような核家族で、しかも家族が仕事を持っているような場合はやはり家庭では難しい。在宅の看取りには時間も人手もかかるのである。

 癌の末期では、疼痛とか呼吸困難が始まると、あとは緩和治療だけである。抗がん剤などで癌を叩く治療そのものが死を早めることになるからだ。人間最後は、脳が停止するか心臓停止、または呼吸が停止すれば人は死ぬという厳しい現実があることだ。ただ、何時、何日後、あるいは何週後かも医師といえども予測出来ない。経験上、何時天に召されてもおかしくないと言うしか無い。死というのは医療の領域というよりやはり、神様や仏の世界なのである。医師は法律上確認する事しか出来ない。


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by katoujun2549 | 2012-03-17 12:56 | 国際政治 | Comments(0)