日米関係を無視するTPP批判者やマスコミ

 野田総理が日米関係はアジア・大平洋の資産であると言った事は確かに大切な視点だ。これまでの同盟関係で我国が得た利益、さらには沖縄普天間基地や海兵隊の重要性を語るべきである。我が国は道義に篤い国ではないのか。自分の事しか考えない国を守ってくれる世界は無い。あのボンクラ鳩山ですら、最後は「沖縄米軍の価値を分っていなかった」と吐いたではないか。だからといって何でもアメリカの言いなりになれといっているのではない。虚勢を張っても意味は無いということである。

 かつて、あまりにも、アメリカの支配的な影響が強かった時代、東西冷戦のこともあり、多くの知識人は、共産主義の未来を受け入れ、親ソ、反米が先鋭的であるかの言動がマスコミを中心に支配的だったことを思い起こすと良い。彼等は何か自分達の信念があった訳でもない。ただ、怖かっただけなのだ。この傾向は韓国の言論ではもっと極端だ。あの全く異質な体制である金一家に支配された国家を同胞といって擁護し、自分の存在感をアピールする連中がいる。万一、北朝鮮に支配されれば、言論や政治の場での彼等の発言は、命を危うくする。だから、どこかで逃げを打っておかなければ危険である。現政権への批判は、驚いた事に、北への容認姿勢を強めることである。以前の盧 武鉉(ノ・ムヒョン)や金大中などはそうしたことで、政府を批判し、政権を取ったのである。同じ民主国家として、何かとアメリカを批判することで、全く反対の社会体制である中国やロシアを容認する危険な連中には注意を怠ってはならない。これまでの同盟関係や、経済体勢の同質性を無視して、安易に危険な世界にすり寄る事は問題。TPPに関しては、そうした反米感情とか、国内だけを見た片チンバな発言が多く、要注意だ。
 
 今でも、朝日新聞やテレビの報道は、アメリカ批判と国内では大企業、官僚、医師に対する威丈高な批判で溜飲を下げ、自らの正義感を盾に、視聴者、読者のご機嫌を取っている。ところが、彼等の幹部は、実は会社としても、情報源であり、広告主である企業には平身低頭、かつ、非難すればする程公平という信頼感を民衆に与えるから、広告が取れるのだ。これを企業は泳がせているだけ。
 例えば、医療の事をあげてみよう。朝日新聞などは医療はお得意記事なのだろうが、実際は医療の専門家などは誰もいない。記事も間違いが多く、医師に記事を書いてもらわなければ何も出来ない程だ。彼等が自分で書く記事は医療事故の記事も含め、殆ど間違っている。ただ、売らんがために、家庭の主婦や学生などの権力や知識の無い弱者におもねり、ウソを書いてお得意さまに迎合しているのである。庶民に対して、アメリカや大企業、医師を叩けば溜飲を下げてもらえるということだ。ところが、彼等は自分達の子供をアメリカに留学させたり、駐在させる事を夢見ているし、大企業に就職させたり、医師にすることを見れば分る。彼等は学歴大好きで、毎年東大入試や合格発表を記事にしたがる。教育の公平をうたいながら実は、特定の有名校に偏った、トップ高校の礼賛者なのである。流石に最近は新聞では出さなくなったが、毎年、同じ出版元の週刊誌の全面を使って、入学ランクを特集している。新聞で書かなくなったのは後ろめたいのだろう。

 
 アメリカは大平洋という大海を挟んでいるから、遠い国だと思うと大間違いで、日本の領海の隣はアメリカだと思った方がいい。海というのは、陸地よりも交通は便利で、アメリカに取っても、水運を考えると、西海岸からは東海岸よりも日本の方が便利なのである。陸路に匹敵する大量輸送が可能である。限られた道路鉄道しかない山岳地域などはむしろ障害である。特に軍事的には空母群を展開すればあっという間に、日本の沿岸で米軍基地が出来てしまう。アメリカには健康保険に入っていない人が6,000万人もいて、あたかも巨大な無医村があるかのような印象を与えているが、これも間違い。医療社会保障はそれなりにキチンとしていて、高級な病院に入れないだけだ。テレビ番組でERという救急病院のドラマがあり、庶民は医療を受けていたことが、これを見れば分る。これは我が国の社会保障が優れていることを示す為の政策的な情報操作である。救急医療の現場が舞台になっていたが、貧乏人もみな医療サービスを受けていた。

 特に、沖縄の軍事的価値はオバマ大統領のアジア重視の政策、さらには中国やソ連の軍備増強を視野に入れると、これからも増加する一方である。沖縄を経済発展させる事は軍事基地とのバランス上重要である。基軸通貨ドルの価値が下落しても、強大な国家である事は今も同じだ。それに対して、アジア重視と中国に我が国の未来を委ねるような意見は実に危険である。我が国の同盟すべき相手は絶えず中華の脅威にさらされる、台湾、フィリピン、ベトナム、インドネシア、さらにミャンマーとインドである。アメリカが狙っているのはこれらの地域であり、日本が今後開拓すべき部分だ。知識人やマスコミが自分の権威づけの為に、強力な権威に批判的な態度を示そうとうすることはよくある。大企業のチンピラ社員が社長の悪口を言って怪気炎を上げるようなものだ。身の程を知らないおボッチャマ総理の鳩山元総理が、アメリカと対等の関係、さらにはアメリカの立場を無視した対中政策、対ロ政策を口にしたとたんアメリカの拒否反応に会って、ニッチモサッチも行かなくなったことを思い出すべきだ。

 日米関係でいえば、日本は敗戦経験もあり、あくまでも弱者でしかない。弱者が強者に対抗するのは面従腹背しかない。情けない話だが、日本の現実的な姿なのである。こうした苦しい立場を無念に思う素直な国民感情を利用して、反米とか、自主的な外交力の発揮などの正論を使って、社会にアピールして金儲けしている言論に信頼感は、全くないのだ。ここは隠忍自重と主張すべきなのである。
 
 TPPでアメリカは日本の市場を席巻してやろうと企んでいるというが、それは当たり前の話だ。日本だって、アメリカの市場を狙って一生懸命だから向こうも同じだ。お互い様なのだ。iPadとか、アメリカ産の牛肉を待っている消費者のいることを知らないのだろうか。日本という国が、アメリカに取って最も大切な同盟国であることをアピールすることがどれだけ大切かだ。我が国を守る姿勢を防衛的に発言すれば受けがよいと思って、国士のごとく宣う、中野剛志氏とか、鈴木宣弘氏はそうした国内の事だけを考えて、反米的にふるまいたいのだろうが、かつての進歩的知識人の変形でその手は食わない。彼等は我が国は既に、国境を越えて産業が成り立っていることを無視している。アメリカと交渉する時に始めから負けると言っては交渉にならない。誰だって、石が飛んでくれば避けるだろう。黙って避けるだけの話だ。もし、TPPで農業に対する破滅的な無条件降伏をすれば、それこそ国賊的外交交渉であることは分っている。FXなどでは、さっさと単なる贅沢品であるF35は断って、ユーロファイターを買うことにすれば、アメリカ国民は日本がいかに重要な市場かが分るだろう。これを取引材料にすることはない。民主主義を標榜している米国はやはり、国民が怖い。そこにアピールする方法を常にとるべきなのだ。

 アメリカが日本に魅力を感じていると思ったら大間違い。日本は飽和市場だし、農業は多分懸命に防衛して来る。美味しくはないのである。彼等は東南アジア、特にインドネシアや東チモール、タイ、ミャンマーさらにはインドに大きな市場の可能性を求めている。その戦略を見損なってはならない。そちらの市場が、今は小さければ、その大きな人口も含めて開拓すべき資源が豊富であると見るのがふつうであろう。これらが、日本の重要な輸出国であるが、日本がぐずぐずしている間にこれを奪おうという彼等の意図を見抜かねばならない。日本はアジアの市場を土俵に正々堂々とアメリカと勝負することこそ、日本の未来として正しい選択だと思う。

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by katoujun2549 | 2011-11-28 11:12 | 国際政治 | Comments(0)