宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか(吉田直紀)宝島社新書


宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか(吉田直紀著)宝島社新書 

宇宙がどのように創造されたか。最初にビッグバンがあり、膨張が続いているということは、コンピューターのシュミレーションでも作られている。この本は、素粒子からはじまり、宇宙の形成、そして何処に向っているのかを分かり易く、分らないことは正直に分っていないと言っているところが、好感を持てる内容となっている。「素粒子宇宙論」という内容である。極小の素粒子世界と極大の宇宙の動向を結びつけようという野心的な試みである。素粒子の法則が宇宙進化を決め、宇宙の観測が素粒子の謎を解くと考えるのだ。暗黒物質、暗黒エネルギー、ブラックホールなどの存在理論がどのようにして生まれたか、天文学の歴史もひもときながら分かり易く語られている。

ビッグバン:何もなかったところから宇宙が誕生

宇宙の膨張:【宇宙誕生から10のマイナス36乗秒後~10のマイナス34乗秒後まで】ーー次から次へ とエネルギーが発生して宇宙が急膨張する。高温、高密度状態。インフレーション

素粒子:【宇宙誕生から10のマイナス27乗秒後まで】
     電子やクォーク、ダークマターなどの素粒子が誕生

物質:【宇宙誕生から10のマイナス10乗秒後】
    物質(粒子)と反物質(反粒子)が打ち消しあい、物質だけがわずかに残る

陽子と中性子:【宇宙誕生から10のマイナス5乗秒後】
    宇宙の温度が下がったことで、クォーク が結合し「陽子」と「中性子」が誕生

原子核:【宇宙誕生から3分後】
    さらに宇宙の温度が下がり、陽子と中性子が結合し、ヘリウムの原子核が誕生

原子:【宇宙誕生から38万年後】
  さらに宇宙の温度が下がり、原子核と電子が結合し、原子が誕生。「宇宙の晴れ上がり」

最初の星:【宇宙誕生から約3億年後】
    ファーストスターが誕生

太陽の誕生:【宇宙誕生から87億年後】
      太陽が誕生。その4億年後に地球も誕生

11月11日の日経新聞で次の記事が掲載されたが、この本はまさにその内容である。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E3E2E2E19B8DE3E3E3E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

宇宙誕生から数億年後に生まれた宇宙で最初の星は太陽の40倍程度の重さだったとする研究成果を京都大学などのチームがまとめた。星が生まれて成長していく様子をシミュレーション(模擬計算)して結論を導いた。天文学の理論では、太陽の数百倍はある巨大な星と考えられていた。初期の宇宙を知る手がかりになる。米科学誌サイエンス(電子版)に11日掲載された。

 東京大学、米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所との共同研究成果。これまでにも現在の宇宙に漂うガスの元素分析から最初の星の質量は太陽の数十倍とする試算があり、理論と観測結果が矛盾していた。

 研究チームは、約137億年前のビッグバンから数億年後の宇宙空間をコンピューター内で再現した。水素とヘリウムのガスが集まって原始の星が生まれ、さらに周囲のガスを取り込んで成長していく過程を、約10万年間にわたって計算した。


 その結果、星が太陽の約20倍の重さになる頃から成長が徐々に鈍くなった。星の中心で起こる核融合反応のエネルギーで周囲のガスが吹き飛んで、星の成長を妨げていた。最終的にできる星の質量は太陽の40倍程度にとどまるとわかり、理論と観測結果の矛盾が解消した。

135億光年前の宇宙をハップル望遠鏡が捉えた

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by katoujun2549 | 2011-11-18 23:14 | 書評 | Comments(0)