TPPに日本が参加するのは容易ではない

  今回TPPでは恐らく日本の農業での除外は認められないだろう。カナダなどは失うものが大きすぎるからこれまで入っていなかったが、ついに参加の方向となった。我が国は食糧に関して何らかの条件、例えば履行までの期間を伸ばし、時間差で稼ぐとか条件をつけることにならざるを得ないのである。すると、TPPに入る意味が薄れて来る。そんな日本に各国が入って来ることを承認するだろうか。恐らく、アメリカは牛肉を認めなければ日本が加盟することを認めない。米はアメリカの主要農産物ではないが、近い将来、品種改良したコシヒカリ並みの安い米が大量に入るということは予想される。当面、米は恩着せがましく実施開始時期で譲歩し、肉とか別の工業製品で攻撃してくるだろう。

 農業で敗北すると米には止まらず、畜産を含む農家の損失は戸別補償制度で支えることになる。その為には米だけで幅があるが、6,500億〜1兆7,000億円になり、現行の8,000億円に上積みである。それでは能がない。そこで、現行の補助を止めて、新しい制度で切り替えられるかだ。これまでの仕組みは残念ながら効果がなかったといわれている。損失補償は先は牛肉で行なった方が出費は少ないだろう。米より量が少ない。仮に1頭40万円を全て補償したとしても、屠殺数127万頭(04年)で5,080億円である。今でも、国産牛の肉屋で安い方の乳牛は1頭5万円もしないというから、そもそも、今でも赤字だ。ミルクで元を取るのだろう。だから、松坂牛のような輸出できる牛は一頭何百万円もして赤字にならないだろうから補償の必要は無い。安い牛肉はアメリカやオーストラリアを庶民は沢山食べればいい。世界中で食べているものを拒否する理由はないし、補償額もそうなれば減少する。

 ウルグァイラウンド(多角的貿易交渉)での農業対策、平成6年から13年までの7年間、補正予算では公共事業(農村整備事業)で3兆1750億円、地域の農業生産高度化に1兆2,050億円、農地の流動化新規農対策8,000億円、融資8,300億円などがなされたが、その効果は不明。政府のこうした対策費はきちんと評価をして公表すべきだが、聞いた事がない。

 農協は丸儲けと圧力団体。補助金があることをいいことに、売れない作物を作ったり、赤字事業を拡大するというようなモラルハザードを行政がコントロール出来ないのではないか。それでは又、赤字の垂れ流しで、高齢者農家にバラマキとなる。経済産業省は趣旨ごもっともでTPPがなければ日本は先が無いとわめく。だから言ったじゃないかと言わんばかりに、開き直りの農水省は赤字垂れ流しの農業で、対策事業と称して公共工事や支援プロジジェクトを行なう外郭団体に又天下り。政府の悪のりが目に浮かぶ。強力な野党がいた時代が懐かしい。彼等の追究を恐れて、目に余る事は出来なかった自民党時代。今の自民党はそうはいかない。それを良い事に民主党は、官僚天国を見て見ぬ振りになる。樹木が大きくなると上部は青々しても、根本から腐って、ちっとした風に倒壊するのに似ている。

 TPPで失われる農家の所得を補償するための財源は税金、この税収が、TPPで上昇した輸出利益となると、見合うためにはTPPで収益増となる企業の純利益2兆円から法人税をどれだけ取れるかだ。100兆円くらいのGDP上昇がなければ追いつかないかもしれない。農産物の価格が下がれば,国民の消費も余力が出来、これが別の消費に向うから、所得税とか、輸出企業の収益だけではなく、他の税収があるだろう。とはいえ、TPPに日本が歓迎されるかどうかは、日本の対応次第である。条件を付けすぎると拒否されてしまう。野田政権、いや、民主党政権はこれで終わる。


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by katoujun2549 | 2011-11-14 11:32 | 国際政治 | Comments(0)