続々と乳がん新薬登場、アブラキサン使用開始

 
 抗がん剤は効かないという説があるが、これは癌によって事情は異なる。骨髄性白血病、乳癌などは種類によってよく効くし、転移すると抗がん剤しか療法が無くなるものもある。特に乳癌は選択肢が多い。この2年の間に、乳癌の新薬が次々と承認されている。癌が厄介なのは抗がん剤が最初効いても、長く使ううちに耐性ができてしまうことである。この種類が多ければ、何度も癌の攻撃をしのぐ事が出来、その分延命できる。

 アブラキサンは2010年7月乳癌適用となった。これまで、タキソールの溶剤になるアルコールへの副作用で使えなかった乳癌に対して、より強力になった形で使えるようになったのがアルブミン結合型パクリタキセル、アブラキサン(大鵬薬品)である。

 また、分子標的型抗がん剤ではタイケルブ(グラクソ・スミスクライン社)。これまで、HER2陽性の進行性乳癌患者の救いの道だった、ハーセプチンが効かなくなった後、さらに使える薬として選択肢が出来た。保険適用で72000円/月と随分高価な薬らしい。HER2陽性の患者において、プラセボ投与群では28.7%の患者で病勢安定(SD)がみとめられたのと比較し、タイケルブ投与群では48.7%であった。これは相当凄い薬ではないか。

 再発または手術不能な乳がんに対するエーザイの抗がん剤「ハラヴェン」(一般名エリブリンメシル酸塩)についても承認された。エーザイによると、臨床試験で既存の治療法より患者の生存期間を2・5カ月延長。2~5分で注射でき外来治療にも向いているという。物質「ハリコンドリンB」は1985年、故平田義正名古屋大名誉教授らがクロイソカイメンから抽出し構造を特定。92年に米ハーバード大の岸義人名誉教授が人工合成に成功した後、エーザイが有効性の核となる部分を突き止め、薬として生産するための複雑な工程を確立したもの。

 さらに、日本化薬で開発している新規イソクロマン化合物には、抗がん作用が認められ、同物質並びにその薬理上許容される仕様は、新規抗がん物質として医薬品、機能性食品等に利用することができる。とりわけ、浮遊系のがん細胞に対して強い増殖抑制活性を示し、癌細胞に選択的に効果があり、副作用も少ない。白血病(リンパ腫・血液性悪性腫瘍)などのがんに対する効果的な抗がん剤としての利用が期待できる。4種類のヒト癌細胞(NUGC−3(胃癌細胞)、HeLa(子宮癌細胞)、HL−60(白血球細胞)、A549(肺癌細胞))のうち、HL−60に対して最も強い増殖抑制活性を示し、NUGC−3、HeLaに対しても増殖抑制活性を示した。これらのがんに効く薬は乳癌にも効く事が多い。商品化までは時間がかかりそうだが、続々と新薬が出ている。


効奏率とは、
完全奏効(CR)すべての標的病変の消失
部分奏効(PR)標的病変の最長径の和が30%以上減少(ベースライン長径和と比較して)
安定(SD)30%未満の減少または20%未満の増加
進行(PD)標的病変の最長径の和が20%以上増加(治療開始以降に記録された最小の最長径の和と比較して)または新病変の出現従って、標的病変が治療前の70%まで小さくなったということは、30%減少ですから部分奏効(PR)と判定されます。
(注)
完全奏効(complete response; CR),部分奏効(par- tial response; PR),安定(stable disease; SD),進行(progressive disease; PD)という ...


知りたいのは、自分の場合の率だ。ガンが消えてなくなる事より、現状維持か、多少の縮小で少しでも長生きできれば良いのだから。そんな場合だとどれくらい効くのだろうか。転移がんだから覚悟は出来ているが、少しでも長く生きたいという願いを持っている人は多いと思う。余命宣告されたからといって、治療放棄したり、何もしない人は少ない。努力で変わる。だから医者も無意味な事言うもんだ。ここまできたのだから、あと10年は頑張りたい。

アブラキサンは効奏率24%、転移性で34%といわれ、生存期間中央値もタキソール、タキソテールよりも10%高い。

しかし、効奏率より大事なのは生存期間である。いくら、縮小しても、治療が終わったら、急に肥大してしまうこともあるからだ。アブラキサンはタキソール、タキソテールに代わる抗がん剤として昨年、保険適用となった。自分のところは、転移ガンであったったため、本来もっと早く、最初にタキソールを検討したが、アルコール拒否反応が強く、溶剤にアルコールを使うタキソールが使えなかった。進行性乳癌のハーセプチンはよく効く薬だが、これはガンの酵素、HER2陽性にしか効かず、不適用だった。FEC療法に懲りて1年間無治療だった。ところが、肥大化した胸の癌が皮膚を破り出血、結局姑息的に手術。そこから、抗がん剤としてナベルビンを試み、最初は効いているといわれ、6ヶ月間頑張ったが、効かなくなり、胸水が溜り始めた。そこで、ぜローダに切り替えたら、胸水も止まり、転移した腫瘍が縮小しはじめた。

 最初のFEC療法はきつかった。脱毛、吐き気、倦怠感で全く生きた心地がしなかった。次のナベルビンが1年ほどで効かなくなり、胸水も溜ったので、ゼローダに切り替え、2年頑張った。これが結構効いていたようだ。今回、アブラキサンに切り替えたのは5年目に入り、流石に、ゼローダの効きが悪くなってきた感じなので、思い切って変えてみた。また、脱毛、吐き気の地獄が始まるのだろうか。2回目の投与だ。

3カ所も転移しているので、とにかく、縮小消滅は最初から期待していない。現状維持で、仲良く何年もお付き合いする覚悟である。現状維持ーSDの割合がどの位になるのだろうか、気になるところだが、実際、認可されたのが昨年の7月だから、まだデータが無いのだろう。アメリカでは6年程前から使われていた。ドラッグラグの好例である。現状維持なら半分くらいの人が効くのではないかと期待している。抗がん剤で50%くらい効くとすると大変よく効く薬である。

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日経メディカルより

 パクリタキセルは、植物由来で、タキサン系薬剤に分類される抗癌剤であり、細胞の正常機能の維持に重要な役割を果たしている微小管の蛋白重合を促進し、細胞分裂を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する。

 パクリタキセル注射剤は、既に1997年から「タキソール注射液」として発売されている。同薬は、乳癌の標準的治療薬として推奨されているほか、非小細胞肺癌等においても幅広く使用されている。またタキサン系薬剤としては、化学合成されたドセタキセル(商品名:タキソテール)も臨床使用されている。

 しかしパクリタキセルは水に極めて難溶であるため、既存製剤では溶媒としてポリオキシエチレンヒマシ油及び無水エタノールが使用されている。これらの溶媒に関連する過敏症の問題から、既存製剤では過敏症対策として、前処置(ステロイド投与)をすることが不可欠となっていた。

 今回、承認されたアブラキサンは、アルブミンに従来のパクリタキセルを結合させたナノ粒子製剤であり、生理食塩液での懸濁が可能となっている。これにより、溶媒による安全性の問題が改善されており、従来の製剤に対する非劣性及び優越性も確認されている。海外では、2005年米国で承認されてから、2010年6月現在、世界39カ国で承認されている。

 アブラキサンの承認により、過敏症予防を目的としたステロイド前投与が不要になったことで、薬剤投与時間が30分と短縮され、患者負担の軽減が期待できる。

 ただし本薬を投与すると、全例に何らかの副作用が発現するので十分な注意が必要である。主な副作用は、白血球減少・好中球減少・末梢神経障害・脱毛(各83.3%)、筋肉痛(75%)、リンパ球減少(66.7%)、関節痛(58.3%)、単球減少・発疹(各50.0%)などであり、重大な副作用としては、従来製剤と同様に、白血球減少などの骨髄抑制、しびれなど末梢神経障害、麻痺などが認められている。
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by katoujun2549 | 2011-06-28 11:53 | 医療介護福祉 | Comments(0)