誤解 その4 イスラムとキリスト教;一神教は怖い


 9・11はイスラム原理主義者のテロである。一方、アメリカは大統領をはじめキリスト教徒が多く、イスラムに対して十字軍の再現のような形でイラクやアフガニスタンに侵攻した。いずれも、宗教的には旧約聖書を共通のテキストとする一神教である。一神教は相手の立場を認めない偏狭さをもっており、世界に果した混乱や犠牲ははかりしれない。また、世界に悲惨しかもたらしていない。特に、日本は八百万の神々に親しみ、生命尊重の伝統があり、これは仏教も同じである。日本にはキリスト教はなじまないだろう。・・・といったもの。日本にはこうした考えの方が多い。これは宗教を概念的にとらえるからである。

 世界にはキリスト教、ユダヤ教、イスラム教併せて30億人以上の信者が存在する。これをどう考えるかである。そんなに危険な宗教を信じているから世界は平和にならないのだろうか。イスラム教についてその歴史を振返ると確かに抗争に満ちあふれている。しかし、多くの人々に受け入れられたことを考えたい。それまでの多神教のいい加減さ、偶像崇拝の残虐さなどから嫌気をさした人々が帰依した事を考えてもらいたい。仏教徒はそんなに平和だったのだろうか。戦国時代の日本、最近ではオウム真理教事件をどう考えるのだろうか。というより、歴史の中の侵略行為や多くの抗争は、宗教に名を借りた、人間の愚かな行為だったように思う。宗教で政治や経済を説明することは無理なのだ。今日もシーア派とスンニー派の対立は続いている。その起源を以下に書いたのでご参照頂きたい。

旧約聖書をキリスト教と共有するイスラム教はやはり、聖戦、さらには教祖ムハンマッドの死後の後継者争いなど、戦いの出来事が多い。

ムハンマッドの死後
正統カリフを誰にするかを争った。預言者の後継者(ハリーファ(カリフ))を誰にするかという問題において、ムハンマドの従兄弟かつ娘婿であるアリーとその子孫のみがイマームとして後継者の権利を持つと主張したシーア・アリーに対し、アブー=バクル・ウマル・ウスマーンのアリーに先立つ三人のカリフをも正統カリフとして認めた大多数のムスリム(イスラーム教徒)がスンナ派の起源である。(「アリーの党派」後に略されて「シーア」、すなわちシーア派となる)

656年に同じウマイヤ家の長老であった第三代カリフ・ウスマーンがメディナでの暴動で殺害され、これの責任と血族としての報復の権利を求めてクーファで第四代カリフに即位したアリーと対立し、スィッフィーンの戦いなど軍事衝突にまで発展した。

661年、ムアーウィヤはアリーがハワーリジュ派によって暗殺されたことによってイスラーム世界唯一のカリフとなり、ダマスクスにて忠誠の誓い(バイア)を受け正式にカリフとして承認され、ウマイヤ朝を創始した。

ムアーウィヤは、正統カリフ時代より続いていた大征服活動を展開していった。攻撃対象はサーサーン朝との抗争で衰弱していた東ローマ帝国であった。ムアーウィヤ死後、ヤズィードの時代にカルバラーの悲劇という事件がおこる。アリーの次男のフサインはシーア派のクーファ市民と反ウマイヤ家を掲げ行動を起こそうとするが行動は事前に気づかれ、クーファ市民はフサインと共に行動を起こすことができず、メッカからクーファのシーア派と共に決起するためにやって来ていたフサイン軍70余名はユーフラテス川の手前で待ちかまえていたウマイヤ朝軍4000に圧倒的な数の差の前に敗れた。このフサインの殉教はシーア派にとって大きな意味を持つ。

今日、シーア派の国はイランとイラクの一部であり、圧倒的にスンニ派が多い。
・ユダヤ教         0.15億人 (計0.15億人)
・キリスト教  
      カトリック 10  億人
      プロテスタント 3.6 億人
      ギリシャ正教  3.6 億人
      英国国教会   0.55億人(計19億人)
・イスラム教  
      スンニー派   9.5 億人
       シーア派   2 億人(計11.5億人)

 イスラムとはコーランの中に書かれているが「神への帰依」を意味する。

イスラム教の勢力図 スンニー派;黄緑 シーア派;濃い緑
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by katoujun2549 | 2011-06-24 08:37 | 国際政治 | Comments(0)