国がやれば安全か?原発事故のモデル

 
 東海村の旧動燃事故というのをご記憶だろうか。1999年に茨城県那珂郡東海村に所在する住友金属鉱山の子会社の核燃料加工施設、株式会社ジェー・シー・オー(以下「JCO」)が起こした原子力事故(臨界事故)。死者2名と667名の被曝者を出した。原因は、旧動燃が発注した高速増殖炉の研究炉「常陽」用核燃料を加工(UF6をUO2粉末に再転換)する中間工程を担うJCOのずさんな作業工程管理にあった。これは民間企業のずさんな仕事と受け止めるのは間違いだ。国の仕事であり、国がいいかげんな管理をしていたために起きた事故なのである。

 JCOは「常陽」用の燃料を加工するにあたり、国の管理規定に沿った正規マニュアルではなく「裏マニュアル」を運用しており、例えば、原料であるウラン化合物の粉末を溶解する工程では、正規マニュアルでは「溶解塔」という装置を使用した手順だったが、裏マニュアルではステンレス製バケツを用いた手順に改変されていた。事故当日はこの裏マニュアルをも改悪した手順で作業がなされていた。具体的には、最終工程である製品の均質化作業で、臨界状態に至らないよう形状制限がなされた容器(貯塔)を使用するところを、作業の効率化を図るため、別の、背丈が低く内径の広い、冷却水のジャケットに包まれた容器(沈殿槽)に変更していた。その結果、濃縮度18.8%の硝酸ウラニル水溶液を不当に大量に貯蔵した容器の周りにある冷却水が中性子の反射材となって溶液が臨界状態となり、中性子線等の放射線が大量に放射された。これは制御不能の原子炉が出現したようなものである。ステンレスバケツで溶液を扱っていた作業員の一人は、「約16kgのウラン溶液を溶解槽に移している時に青い光が出た」と語った。JCO職員は事故当初、誰も止める作業をしなかったが、国からの代理人が「あなた達でやらなければ強制作業命令を出した後に、結果的にする事になる」と促された結果、「うちが起こした事故はうちで処理しなければならない」と同社職員らが数回に分けて内部に突入して冷却水を抜く、ホウ酸を投入するなどの作業を行い、連鎖反応を止めることに成功して事故は終息した。中性子線量が検出限界以下になったのが確認されたのは、臨界状態の開始から20時間経った翌10月1日の午前6時半だった(Wikipediaより)。

 東電とJOC、菅直人と国の代理人の言動を照らし合わせるとそっくりではないか。菅直人は地震直後、原発に乗り込み、全力で被害拡大を防がないと東電はないぞと恫喝した。彼の役割は、米軍の支援やフランスの技術をどういれるかだったのではないか。あらゆる手を打つから頑張れという立場なではないのか。この辺りが、菅直人の人気の出ない所以だ。彼や民主党のイマジネーションの貧弱さを物語っている。民間より国家管理の方が安心と言うことはない。むしろ、その逆で国には現場を管理する能力は無いのだ。結局、屋上屋を重ねる事になるだけなのだ。民間の原子力事業には国は他人事であるかのように、二重三重の厳しい規制をかけており、これを真面目に遵守しているのは民間である。国がやれば安心と言う神話をどうして日本人は性懲りも無く持ち続けるのだろうか。


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by katoujun2549 | 2011-04-07 15:29 | 国際政治 | Comments(0)