中国海軍の実力

 一世紀も昔の帝国主義時代は領土が軍事行動で移動していた。そんな時代と今とは違うと思いたい。しかし、尖閣諸島や南海諸島に対する中国の軍事行動を見ると、軍隊という最古の官僚組織のやり方は今も変わらない。ロシアのオセチアやチェチェンに対する圧力のかけ方も帝政時代と同じようにも見える。暴力装置としての軍は存在するし、利用する政治勢力もあるから困る。社民党の言うように話し合って解決するためには丸腰でいいのか。そんなに甘い世界ではない。軍事的バックアップなければ相手から言いようにされる。また、平和憲法を奉じる日本がそれでいいのか?しかし、何やら中国海軍が接近すると、その実力が誇張されて報道されている感じもある。検証した方がよい。海上自衛艦を増強したい防衛庁の片棒を担ぐ事は無い。中国という国家は、第二次大戦後、領土不可侵という原則が、国際条約として制定されているのを知らないのだろうか。

 近年、尖閣列島問題や、海上自衛隊艦艇に対する中国海軍ヘリの異常接近、空母の建造等から中国海軍の軍備拡大が警戒されている。そもそも、中国海軍はこれまで、中国沿岸の警備や中国への侵攻を抑える役割しかなく、かつては台湾侵攻も金門馬祖島で阻止されていたし、1958年台湾海峡危機においては米国海軍に手も足もっ出なかった。中国海軍がソ連の払い下げやソ連艦艇のコピーから脱し、独自の原潜とか、ミサイル巡洋艦を作り始めたのは1990年代からである。中国海軍の艦艇は外観はイージス艦のようだが、欧米観船のコピーである。中国海軍は艦対艦ミサイルSSMやSAMを搭載したミサイル駆逐艦を2000年以降作り始め、この数量は我が国を上回る規模となっている。中国は青写真と原材料さえあれば先進国並みの同じ高度製品が作れると錯覚し、形はコピーできても中身がどの程度整っているかである。兵器製造はシステム設計から品質管理、品質管理、工程管理など近代工業に必用な要素を独自に持っていなければならない。中国はSLBM搭載原子力潜水艦を保有している。射程は8000キロの巨浪2型を12発を搭載し、これを主力に展開するという。基本的に中国の原潜はプロペラ音が大きく、水中音を把握されてしまう。ところが、最近は高性能なディーゼル電気推進式潜水艦が音が少なく探知されないタイプでこれを多く持っており、水中兵器の長魚雷と空中兵器の超音速対艦巡航ミサイルを搭載している。このことは米海軍の空母には最大の脅威である。

 しかし、軍事を考えるとき兵器だけに目を向けるのは片手落ちである。中国海軍が外洋艦隊を持つには、兵器としての軍艦を整備するだけでは足りない。艦隊の兵站を備えていなければならない。艦隊に長期随伴して燃料、弾薬、食料を補給する機能、兵器の管理メンテ、船の修理や救難船といった一連の装備と訓練ができなければならず、中国のソマリア沖展開はその準備でもあり、未だこれは整っていない証拠。今の時点ではそうした体制にはなっていない。外洋艦隊では大きな天候の変異にも備え、荒れた海にいる乗員がへばってしまってはどうにもならないのである。だから、補給艦、病院船、船員の娯楽施設も必用になる。

 この事を忘れてはならない。海軍力が実際に威力を発揮するには、航空戦の能力差が最終的には決定的である。かつて、太平洋戦争で、日本海軍が米軍の航空戦力に壊滅させられ、また、どれだけ多くの、輸送船が潜水艦に撃沈され、輸送力を削がれて陸軍が壊滅したかである。このことを痛い程学んでいる筈である。艦船を航空機で攻撃する手法を編み出しておきながら、全く活用できなかった帝国海軍。日本の海上自衛隊が過去に学んで世界有数の対潜能力を持っている理由がここにある。東シナ海や南シナ海を自国の内海にしようとする野望を中国は常に持ち続けてきた。空母も建造し始めた中国海軍であるが、それに対する米海軍の存在感は大きい。中国の軍事的な動きがあるとすぐに、かつてのワシントン条約後の日本のように不要な戦艦、今は核でしょうか。そんなものを持ちたがる馬鹿野郎日本にもいる。無用の長物、武蔵、大和の轍を踏まないようにしてもらいたいが、宇宙戦艦ヤマトは欲しい。

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by katoujun2549 | 2010-12-20 23:44 | 国際政治 | Comments(0)