日本の国防

 民主党は社民党と連携、数合わせで、国会を乗り切ろうという算段だ。そもそも、TPPも普天間も、自民党政権が難問としていつも積み残して来たことである。それが、民主党になったとたんに解決できるとは思えないが、それを数の論理で強行するつもりなのだろうか。日本の政治改革も仕分けショーで中途半端、官僚には馬鹿にされ、国防もぶっ飛んでしまった。普天間問題は当面進まないだろう。県外移設を吹き込まれた沖縄のしこりを解くには何年もかかる。鳩山が時々テレビに出るのが憂っとおしい。県外移設を主張している仲井真知事が4年間は変わらないから、知事の権限である辺野古埋め立て認可は早くとも4年後である。まあ、埋め立てを開始するまでに環境アセスとか、県の手続きで3年くらいはかかるから1年遅れかもしれない。彼は次期に立候補しないだろう。それまでに、沖縄は本土から取れるものを取って行ければいいということである。武器輸出三原則の緩和は先送りとなった。日本の兵器は、日本独自のものが多く、部品も量産できない。輸出する事が出来ないから多品種少量生産なので高コスト体質である。三原則とは次のとおり。(1)共産圏諸国向けの場合(2)国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合(3)国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合であり、「武器」の輸出については、平和国家としての我が国の立場から、それによって国際紛争等を助長することを回避するため、政府としては、従来から慎重に対処しており、今後とも、次の方針により処理するものとし、その輸出を促進することはしない。
(1)三原則対象地域については「武器」の輸出を認めない。(2)三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする。
(3)武器製造関連設備の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。
ということである。これらの緩和に関しては、社民党は絶対に認めない。
 社民党は国防問題や日米の軍事的な連携に関しては抵抗するだろう。社民党は常に沖縄や国防に関する政府のブレーキとなってきた。しかし、このブレーキが無くなったらどうなるかということも考えたい。自分は民主党批判者だが、自民党も信頼できない。実はジリ貧の社民党の役割が重要だと思っている。社民党には国防に関する知識があるとは思えないし、そのユートピアのような平和論は今の国際情勢においては何も考えが無いのと同じだが、平和を維持しようと言う熱意は感じる。日本は絶対に戦争をしてはならない国という事が大切である。

 しかし、我が国の地政的な角度からみて、極めて厳しい軍事情勢下にあるkとは認識している。民主党批判者の国防論というのはどの程度のものであろうか。自民党の高市早苗などは、有事の法制化を主張、先制攻撃まで主張しているが、彼女にどれだけ軍事、国際関係の知識と外交経験があるのだろうか。北朝鮮の核の不安を利用した単なる人気取りとしか思えない。こうしたたちの悪い連中が、国を危険な方向に導くのだ。憲法改正論者がかつての大日本帝国における国防、対中国、ロシア観とさほど違わない用にも見える。としたら、懲りない人々ではないか。戦前の日本は、明治維新以来ロシアを仮想的として、軍備を増強し、満州に進出して、朝鮮を併合、中国とロシアの緩衝地帯としてきた。その結果が第二次世界大戦であり、選りに選ってナチスとの連携であった。国防と列強との力の均衡を目指して、途方も無い軍備を備え、戦略も無いまま戦争へと突入して行った。かつての枢軸国と連合国、東西冷戦という対立構造は、健在だ。今や市場経済と独裁国家(中国共産党、北朝鮮金一族)という形に変化しているにすぎない。
 確かに、今の憲法にしても、専守防衛の限界にしても、軍事的には不合理なものである。しかし、これを安易に合理化しようという勢力が、自民党の一部、また、我が国の民族派などに存在する。身の程知らずの国会議員が、愛国的言動によって我が国をさらに滅亡へと導く。日本という国は優秀な指導者に恵まれない。先の読めない政治家が多すぎる。彼らに言わせれば、本音から言えば、尖閣列島の領海侵犯には毅然たる態度ということは海軍力の増強であり、北朝鮮の核武装には日本の核保有を主張し始めるに違いない。

 連中の好きな自主防衛とは一体何を言うのか。我が国が地政的に中国とロシアを脅威とし、マラッカ海峡などの国際航路の防衛を海軍力によって維持しようとするならば莫大な軍事力を備えなければ独自の防衛など出来るわけがない。日本の戦前の軍事費は社会福祉と貧困層を犠牲にして構築された。今の北朝鮮である。そもそも国の安全保障を自国だけで達成しようとするのは我が国のような経済実態の国では無理である。日露戦争も米英の支援があってはじめてなし得た。集団防衛、さらに軍事同盟というのは国防の基本である。ナチスがポーランドに侵攻した時に、米仏は集団自衛権を行使して参戦した。これは近代国家の基本である。もちろん戦争に巻き込まれる危険性もあるから、同盟を結ぶ時の条件や、同盟相手の国情を精査しなければならない。日本が日独伊三国同盟を結んだ時、ナチスの本性を見破ることができなかった。さらにソ連と不可侵条約を結んだ時も、スターリンの危険性を知らなかった。果してアメリカが優良な選択肢であるかは分らないが、少なくとも、中国やソ連という選択は無い。アメリカの核の傘は有効だと言う前提である。

 核兵器の競争も、攻撃も、核を持った国だけでやってもらいたいが日本に核兵器が持ち込まれない補償は無いから当然標的になる危険性は拭えないのだ。かつて広島、長崎に原爆を使ったアメリカを非難する権利は日本にあると思うが、国際的には当時の軍閥の悪辣さを自己批判しなければならない。彼らは本土決戦を叫んでいた。もし本土決戦が始まれば、日本人は1,000万人単位、アメリカ軍は100万人死亡しただろう。これは沖縄戦での結果から来るシュミレーションでアメリカが予測した事だ。原爆使用を正当化しようとする為でもあった。しかし、我々は、沖縄戦の悲惨さを知らない。ひめゆり部隊の話で終わっているが、実際はそんなものではなかったのだ。とはいえ、核兵器というのは地域紛争でも使われていない。兵器としては政治的な、使わずに効果を狙うものである。一旦使えば自己も破滅するのである。

 我が国が米国との連携を、お調子に乗って進めればアメリカの都合のよい形で、アメリカ防衛の一翼を担う形で財政難をさらに加速する防衛費の膨張を招く。社民党の訳分らない、反対の為の反対のような論理が、実はこうした傾向に歯止めをかけるのかもしれない。我が国の新聞は、民主党を批判し、日米の連携や領土問題に対する毅然とした対応を求め、さらには普天間の辺野古移設、武器輸出三原則の緩和を後押しするように、この停滞を批判する。まるで、戦前の満州事変当時の朝日や毎日そのものではないか。こうした傾向へのハードルが無くなれば節操の無い菅政権は一気に辺野古移設や武器輸出三原則緩和を進めるであろう。お馬鹿な民主党と旧態依然とした、反省の無い自民党が寄り集まってもろくな政治にならない。そうした中で、民主党が無謀な意思決定をするかもしれない。そんな前提に立つと、社民党のブレーキとしての役割は日本の将来に取って大切なのかもしれない。

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by katoujun2549 | 2010-12-12 21:28 | 国際政治 | Comments(0)