アメリカ合衆国を知らない日本人

アメリカ合衆国という国について、意外と我々は知らない。もちろんニューヨークやロサンジェルス、アメリカ大リーグはテレビで中継もする。音楽や映画などMade in USAが巷には多量に出回っている。しかし、アメリカ人と出会う機会は普通は少ないし、東京でも、外国人といっても最近は中国人、韓国人、カナダ人や東欧等からの人もいて、外人といえばアメリカ人という時代はむしろ50年程前の事だ。自分の子供時代の記憶ではベトナム戦争時まで街にいたのはアメリカ人だったのだが。今自分が通っている剣道の道場には外国人が10人程来るが、アメリカ人は一人もいない。イギリス、チェコ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ドイツなど。アメリカ人がたまに来てもアジア系だったりする。まあ、ハワイなど気楽に行けるし、旅行代理店に頼まなくても、若者は格安航空券でどんどん渡米し、レンタカー借りてアメリカ大陸横断などもこなしてしまう。語学留学する方も多い。CNNニュースなどでラリーキングライブも見る事が出来る。しかし、いざアメリカの企業、文化や歴史という面からは、マスコミで流された一面的な報道ばかりだ。

日本に入るアメリカ合衆国の情報は相当に偏っている。ハリウッドから見るアメリカは実際はユダヤ人的な観点だったりする。アメリカのオバマ政権の対外政策、アフガンやイラクの戦争もアメリカだが、毎週教会に行ったり、福音派の信徒の生活などは伝わってこない。黒人やヒスパニック系、アジア系のアメリカ人など非白人は既に全体のなかでマジョリティになっている。本当のアメリカは何かというと50州毎に違う国と文化があるし、民族毎にも違う。メルテイングポットとかサラダボウルともいわれているアメリカだが、彼らの最大公約数になているものがニューヨークであり、アメリカ軍であり、ベースボールやバスケットボール、フットボール、オリンピックのアメリカだ。最小公倍数で考えると、民族であり、地域であり、個人ということだ。これらを併せれば我々には計り知れない大きな世界。途方もない金持ちからホームレスまで、多額の寄付をする善意から、獣のような犯罪人までいる。ノーベル賞受賞者がごろごろいるハーバード大学から、日本と中国の区別もつかないアホまで。とにかく幅が広い。楽しそうな自由な小学生、青春を謳歌してダンスパーティを楽しめる高校生もいるが、そうした中で苛めや、銃による殺人、麻薬、妊娠など日本では驚かされる事件も普通にある。とにかくタフな国だ。彼らは日本にはあまり関心がない。むしろ方向は中国を向いているだろう。カナダやオーストラリアは日本が好きな国だ。日本人は実はアメリカという国を知らないのだ。普天間の問題でアメリカが日本に何をしようとしていたか。外交においても軍事においても、アメリカに留学体験のある鳩山元首相ですらあの程度なのだ。彼らの方向から日本がどう見えるのか、何を求めているのかを読みながらお付き合いしないから、アメリカ人にとって日本というのは分けの分からない、つまらん勝手な国なのだ。

我々は世界史でアメリカの南北戦争のことは知っている。黒人奴隷解放が争点となった事も知っている。しかし、当時の奴隷制度の事は殆ど高校ですら教えない。アフリカから連れてこられた黒人は捕まってから長い航海の末、半分しか生き残らなかったこと。彼らを捕捉し、奴隷にしたのはアフリカでの内戦や勢力争いに明け暮れ、武器欲しさに奴隷を商売にした黒人国王達だ。だからといってそれを商売にしたヨーロッパ人の罪は消えないが。南部諸州でたしかに黒人は沢山奴隷として使役されたいたが、これは19世紀後半からで、その需要は20倍にもなった。綿花の栽培が盛んになったからだ。20人以上黒人のいた農園は3%ほど。殆どが10人以下で、奴隷を雇わない農場の方が多かった。彼らの生活は北部の都市にいた自由な黒人より、生活は豊かで、それなりに生活は確保されていたこと。風と共に去りぬという映画でも家事をする奴隷から、農場奴隷までいたが、それほどの人数はいない。北部諸州でも黒人奴隷を認めていた州もあった。リンカーンも最初は解放宣言までは考えていなかったが、戦争の進展とともに黒人を味方につけた方が有利だと判断したからこれを行なって戦争を有利に進めた。南北戦争が北部の工業中心の諸州と単一作物である綿花を中心にし、農業とイギリスとの関係を重視した南部が、独立戦争、ナポレオン戦争、英米戦争(1812年)以来の連続性がある。北部と対立せざるを得なかった事情等教師は教えてくれたが、°奴隷解放が便宜的である事くらいだった。これでは歴史を学んだことにはならない。

日本で2009年に発生した殺人事件(未遂を含む)は、前年比で15.4%減の1097件。戦後最少。アメリカのニューヨークも殺人が減少しているが、それでもこの街だけで、600件を越える。10万人あたりではアメリカ 6.8人で2.1万人だ。これは日本の 0.62人の10倍だ。しかし、自殺者数は日本の3万人が突出している。日本では自分を殺している。アメリカの場合大体日本と同じ3万人ほどだから自殺者と併せればアメリカの方が少ないのだ。アメリカの人口は3億900万人日本の1億2790人で2.4倍だから日本の方が異常な数字だ。不慮の死というのは人間に不幸をもたらすが、その場合は日本の方が事情は悪いということだ。
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by katoujun2549 | 2010-08-23 10:50 | 国際政治 | Comments(0)