米韓大演習の背景


 米韓合同軍事演習「不屈の意志」が始まった。約8千人の陸海空、海兵隊で構成され、イージス艦、潜水艦などの艦艇20隻以上、航空機200機が参加する大演習だ。ステルス最新鋭機F22ラプターが初参加。今回の演習は天安事件をふまえての大掛かりなもの。しかし、天安撃沈事件でも実は黄海で演習中だったという。キーリゾルブ/フォールイーグルという演習名で行っていたことは確かだ。そこで、米潜水艦が誤って撃沈したとか、逆に原潜が沈没したというデマが流れたのだ。この演習中に北朝鮮は1年前の軍事衝突事件のおとしまえを付け、米軍と韓国軍の威力偵察を行った。天安艦攻撃前、北側の黄海南道各部隊は全軍非常時態勢をしいていた。天安はこの作戦には参加せず、通常のパトロールであった。そこに一発かましたのだから、北としては「やったー」というようなもので、潜水艦乗組員は英雄称号を受けているらしい。一方、アメリカと韓国は面子をつぶされ、しかも、その時大将は大酒を飲んでいたことが発覚、辞任に追い込まれただけでなく、韓国内部の報告や連絡の遅れ(幹部まで連絡に2時間も遅れている)、アメリカの対潜水艦探知の杜撰さが明らかになって、北朝鮮軍は多くの収穫を得た。だから、今回の大演習は米韓の面子がかかっている。
 北朝鮮はこれを利用して核開発を推進する口実になったという意味において、北側の勝ちと見る向きもある。とにかく、北朝鮮という国は馬鹿なんだか、賢いのか、確かに近視眼的な意味においては上手くやっている。そもそも、昔から民主主義なんぞ知らない国民だから、我が国の基準では計りしれない。韓国は今回の事件で、李政権が強硬に出て戦争になるのを恐れた韓国民は野党に票を入れてしまった。韓国というのは昔から、個人主義的で戦争には向かない。また、ソウルに人口が集中し過ぎて北の攻撃には脆弱だ。国民性から自分が都合悪くなれば平気で嘘をついて防御する。現実主義的で主義や理念にもとづく行動ができない。戦争というのは自分の命を犠牲にして戦える人間がどれだけいるかで、必ずしも武器の優位ではない。アフガニスタンで近代兵器を持つ西側連合軍がどれだけ苦戦しているかで分る。一方、中国はこの演習に警戒感が強い。まるで北朝鮮の片を持つかのような言動だ。北朝鮮と中国軍はかつての盟友であり、命をかけて米軍と戦った歴史がある。軍というのはそうした仁義に生きる集団である。中国政府の行動と軍人のビヘイビアは必ずしも一致しないのだ。
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by katoujun2549 | 2010-07-26 21:26 | 国際政治 | Comments(0)