普天間

 普天間問題は鳩山政権が誕生して、1年以内に決められるような問題ではないのに、鳩山首相が自信満々に期限を切った論議にしてしまうことが、一層民主党を追い込んでいる。本来、政局で片付く事じゃない。各党がきちんと政策と議論を戦わす事である。まさに参議院選挙で議論すべき事。普天間はその後に結論を出すべきだ。期限を聞かれるから、まともに答えたところが鳩さんンの甘ちゃんなところ。日米安保論を強化する必要があるのか無いのか。中国や北朝鮮の脅威にどう対処するのか。韓国との関係でも竹島問題や対馬への韓国からの主張がある。中国人が醜い領土主張している南鳥島はどうだ。そもそも、竹島問題は日本の敗戦後武力の無い日本に乗じて李承晩ラインが勝手に設定されたことから一方的に占拠された。当時、日本人は随分悔しい思いをしたことなど忘れてしまったみたいだ。沖縄に海兵隊がいることで、最も安心できる国は韓国だ。韓国にいる米軍はもっぱら後方支援部隊で、最前線は韓国軍である。米軍は北朝鮮からの一撃、砲撃射程外に駐留している。韓国が有事の際、最も危険なところは38度線周辺の他は朝鮮半島の南部である。この一画が不安定だと韓国は壊滅してしまう事を歴史が証明しているのだ。だから、光州とか済州島の治安が韓国防衛においては、柔かい腹部に相当する。海兵隊の存在を前提に韓国防衛は確立され、日本はその後方支援施設を有しているから、韓国は日本を軍事上協力者としてみている。もし、中国海軍が対馬海峡を平気で通行して来たらどうだろうか。韓国は対馬を狙ってくる。中国軍と北朝鮮軍は同盟軍で、朝鮮戦争の時も、今も連携は続いている。海兵隊の迷惑な部分だけを捉えてマスコミも、政府も国防論を避けて来たつけが溜りにたまっているのだ。

 アメリカの海兵隊というのはどんな軍事力で、何をしているのか。また、これが日本の防衛にどれだけ役に立っているのかを、中国に配慮する政府は言いにくいのだろうから、そこはマスコミがきちんと説明すべきだ。海兵隊というのはアメリカ軍にとっても特殊な軍事力ということ。海軍、空軍、陸軍という3軍の機能を全て持ち、有事には真っ先に派遣される。一方では、国際的な連携が要求される現代政治の中、海兵隊も空軍や海軍との交流無しには作戦が遂行できない。海兵隊の上層部は陸海空の参謀レベルとの交流も不可欠で、これが分離されると作戦を立てにくい。徳之島では遠いのだ。極めて勇猛果敢な使命と実戦能力をもっている割には平時は常に陸海空軍にはお荷物なのだ。また、兵隊のレベルも、平和時には訓練がキツい。実戦即応という使命のために、兵士は命令でいつでも発砲し、照準を外さない訓練の結果、分かり易く言えば殺人集団のような異常な精神状態に常に置かれており、基地周辺ではトラブルが絶えない厄介者になる。アメリカ本土では殆どアホか、ガンマン気違いみたいな連中という見方をされている。戦争というのは人をそのように変える。まともな奴は空軍か海軍に行く。陸軍は貧乏人が年金とか奨学金欲しさに行くところ。

 作戦行動においては、敵前上陸など、最も危険な作戦に従事するが、陸軍や海軍の後方支援が無ければ孤立して、上陸先の圧倒的な勢力に駆逐されるリスクもある。大平洋やアジアなどは皆海洋からの接近、上陸を要する作戦が多くなる。朝鮮戦争の仁川作戦等が典型だ。日米安保という観点からは海兵隊は日本の用心棒中の用心棒で、我が国にはこれに比する戦力は無い。

 そもそも、軍事基地というのは誰でも迷惑なもので、ヘリコプターの騒音、訓練による事故、地理や交通法規に疎い米兵の交通事故と犯罪など、問題は多い。彼らは殆ど基地から出てこないから周辺住民は全く利点がない。アメリカ人というのは日本人程他民族とか異文化には関心が無い。彼らは基地からアメリカ人向けのバーとか破廉恥なディスコでも無い限り、外には出てこない。基地の中はアメリカ合衆国なのだ。バーもあればゴルフ場もあり、学校とか映画館だってある。何もメリットが無い地元は反対するに決まっている。日本が中国や北朝鮮の軍事勢力に好き勝手にされることが無いとは言えない。軍というのはそもそも、平事は無意味な集団であるが、相手が弱いとなると居丈高になってトラブルがあると仕事になる困った集団だ。だから無い方がいいのだが、人類が文明を築いて以来、これが無くなった試しは無いのだ。日本が、南大平洋の全く他国から干渉の無い国ならば別だが、今やアフガニスタン、中国南沙諸島、台湾、北朝鮮と世界で最も危険な地域に接しているという現実を国民に知らせる努力をせずに、国民のコンセンサスを得るのは難しい。徳之島に対しては全国民の合意という形で、その結果恩恵をきちんと用意して、提案する事が無ければ、全く実現できない話である。米軍にしてみれば、日米安保が米国にとって不要かどうかを判断する時機に来ているのかもしれない。米軍が去れば一番喜ぶのは中国と北朝鮮である。米軍が担って来た軍事力を日本が再編するのは容易なことではない。日本の福祉も、民主党が掲げている民生上の予算はぶっ飛ぶ。

 日本は四方を海に囲まれた貿易立国。大陸にはロシアと中国という軍事大国が控えている。米国は大平洋を挟んで向かい合う海軍大国。そうした中では日本は集団防衛しなければ、昔のように軍事国家になってしまう地政学上の位置なのだ。これは何としてでも避けたい。その意味では社民党の平和論も一理ある。護憲論が無ければ、日本ようにの官僚に弱い体質の国家はブレーキが利かない。中国が共産党政権である以上、市場経済の日本は連携できない。ロシアとは未だに北方領土という未解決の問題を抱え、仮想敵でもある。核を持った北朝鮮も脅威である。そうした状況は日本の立場を少しでも考えれば分るはず。米軍との連携は不可欠という方向をもし変えるなら、きちんとした防衛論が必要である。そもそも、谷にかかった一本橋のような日本の平和をバランスを取って進むしか無いのである。
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by katoujun2549 | 2010-04-20 12:21 | 国際政治 | Comments(0)