普天間移設 正解は何か

1.どこを選んでも反対される:移転先選択論では無理

 沖縄に異常な米軍基地の集中は、何とか改善しなければならず、うるま市ホワイトビーチ埋め立て案と辺野古といった候補地が上げられている。普天間は住宅や大学が危険と隣合わせである。でも、移転という土地問題ではなく、国防問題ということが議論されないまま進んでいることが、全て物事が進まない原因である。しかし、国防議論はこれも又、ドグマ的な領域にあり、結論は戦争という事体にならなければ結論は出ない。移転という事に絞るとその移転先決定には地元の了承という大きな問題が立ちはだかる。今回の浮原島埋め立てにおいて、その規模の大きさに驚く。これは沖縄の他の基地の機能も併せて受けられる形である。そもそも、沖縄の中でたらい回しにするような案は幾つ出しても同じ事だ。海兵隊はどこからも嫌がられる。多分、アメリカ本土でも同じだろう。とにかく、正解は何かというところから言えば、県外移設である。多分、米軍の機能上は沖縄がいいに決まっている。問題はこれを乗り越えるところにアメリカとの交渉の意味がある。これまでの経緯から抜け出せないから、ヘンテコな案しか無いが、本来目指すべき形とは何かが議論されていない。首相の言い逃れのような答弁ばかりが目立ってしまう。この原因は、我が国の国防論がおざなりで、かつ、日本側における沖縄米軍の機能評価がなされていないからだ。
 何処にすればいいのかというと、沖縄との連携という意味では徳之島案もあると思うが、これもいきなり降って湧いたたような話で地元は相当に抵抗するだろうし、これを押さえ込む理由が無い。基地も都市の機能の一つであって、既成事実の無い開発は極めて高い代償を払わざるを得ない。

2.我が国の自衛隊再編を考える

 では、どうするかというと、小生の案では、自衛隊にアメリカ海兵隊に対応する特殊部隊を創設し、アメリカ海兵隊と連携、海兵隊は将来的に日米費用負担折半でグアムに移転することだ。専守防衛という枠を持ちつつ、我が国が攻撃を受けたときの専門部隊として、陸海空の統合部隊を作るという事。国を越えた攻撃力はアメリカに任せれば良い。そのプロセスを20年目標として、その間、海兵隊は鹿児島の自衛隊基地にそっくり移転し、そこで海兵隊の機能を自衛隊にコピーする。自衛隊は日本国内の不採算地方空港を基地化することである。要するに、今回の議論において、将来の国防論とか、米軍基地の移転ビジョンがはっきりしないまま、厄介者の移転先探しという構図はどんなに説得しても理解を得る事は無いだろう。米軍機能を分割するのでは機のが解体される米軍は納得しない。移転は段階的であるべきだ。海兵隊の機能を段階的に引き継ぎ、有事の場合の海兵隊支援をどのように受けるかという仕組みが分らない限り移転論は難しい。マスコミは単に移転論ではなく、次の事を議論すべきだし、報道してほしい。

3.海兵隊とは何かが分っていない

 アメリカ海兵隊というのは平時においてはアメリカ軍においても実は厄介者である。全て、陸軍、海軍、空軍3軍の支援を得なければ機能しにくい。ところが三軍の機能を持っている事も確かで、その中でも、殺人を平気で行える海兵隊員がいるという事が特徴なのだ。海兵隊員は全員がライフルマンというモットーがある。かつて、ケネディ暗殺犯の一人として逮捕されたオズワルドも、あの教科書ビルからケネディを狙撃する銃の腕を持っていた。軍人といえども、戦争で人を殺すというのは嫌悪感のあることである。だいたい戦時でもこれを平気で行えるのは5%くらいという調査がある。これを敵を前にした時に80%に上げるにはそれなりの訓練が必要だ。ところが、海兵隊というのは既にこれが出来上がっている。だから、尋常ではない危険人物集団なのだ。平時に海兵隊に入る連中というのはアメリカ社会の中でも荒くれというより、異常な人々なのである。とにかく、アメリカ人のなかでは普通の人が陸軍に行くのは金目当てで奨学金とか、食いつぶした気の毒な人で、さらにアホと言われている。まともな人間は、海軍、さらに頭に自信がある人は空軍に行く。平時に海兵隊に行く人には、銃を撃ちたくて仕方が無いとか、人を殺す機会が欲しいというような変人がかなりいるということだ。だから、海兵隊を巡る犯罪が起きる恐れは常時あるし、過去においてもトラブルは多い。沖縄の第一騎兵師団というのは、世界に展開している米軍の最強師団で、プロ中のプロ、常時臨戦態勢で地域紛争があった時は真っ先に、どこにでも出かけ、一旦制圧すると別の部隊に交代する。今、イラクやアフガニスタンに不承不承行っている米軍とも違うのだ。世界に展開している並の米軍ではないのだ。そのさらなる最前線部隊が海兵隊であって、その機能は我が国の国防上重要な部隊である事を民主党も社民党も認識していない。しかし、こうした集団が北朝鮮や中国にとって脅威であり、彼らの攻撃的行動に対する抑止力であることは間違いない。

4.軍というのは政治的には議論を越えた特殊な存在

 イラクのアメリカ軍が撤退するに至った過程を考えると、相次ぐテロとか、イラク軍の再編という問題があったからこそ、米軍は撤退するのである。これには生命コストとか、継続コストという損得計算の前提がある。軍というのは、暴力装置であって、これを撤退させるのは容易ではない。戦争も辞さないと出来ないという事を民主党は分っていない。力と力の世界であって、trust meの世界ではない。鳩は鷹になる必要がある。 この現実に最も合った目標を持っているのが社民党だが、残念ながら、そこに至るまでの国防論を持っていない。
 軍隊というのは、国家公認の組織暴力団並の人物を抱え込むということなのだ。大日本帝国時代でも、東京には参謀本部と近衛師団以外の基地は無く、兵隊が危険集団であるという常識があった。自分の国を守るということに加え、海外で戦う要因というのは軍人としてのモチベーションが違う。自国を自国民が守問う事なら普通の人を訓練する事で達成可能だ。殺人集団を沖縄だけではなく、日本本土にも永続的に抱え込むことはそもそも、無理なのだ。だから、これに変わる我が国の国軍の再編を行いという準備を並行して行うべきだ。
[PR]
by katoujun2549 | 2010-04-02 09:32 | 国際政治 | Comments(0)