政局

 小沢幹事長不起訴というのは民主党のシナリオどおりの結果だったのだろう。
 もともと、西松問題は昨年からあったわけで、衆議院選挙前から、この問題と鳩山政治資金問題はペアで民主党のハードルであった。これをどう越えるかが、幹部のなかで議論されなかったはずはない。単なる個人の問題を越え、これをクリアする方法は何か、作戦が充分に練られていた。

 政治家はもともと、そうした戦略には長けた人たち。何でもいちいち言わなくとも、予測と気配で物事を理解できないようでは勤まらない。今回の北川議員の離党なんぞ何も命令で動いている訳ではない。しかし、その後の義理立てとか、フォローは抜かりが無いのが政治家だ。彼らが誰でも挨拶に余念がないのはそうした理由だ。要は後ろ向きにボートを漕いでいるようなもので、時々後を振り向いて方向を確認する必要はあるのだ。マスコミの動き、熱し易く冷め易い国民の習性、自民党の議会での攻撃など、織り込み済みである。とにかく、知らなかったで通すしか無い。小沢こければ、鳩山こける。2人一緒に渡る旅は道連れ。だから、今回も小沢の辞任は無い。そもそも、民主党の連中は頭は良いし、労使交渉で鍛えた組合出身者が多いから民をだます陰謀は得意。

 検察に圧力を加えるというようなダサイ手はばれたら党全体が命取りだからやる訳が無い。指揮権発動につながる言葉遣いだけであれだけ大騒ぎ。でも、千葉法務大臣がいて、情報は入るだろう。検察官僚だって皆出世はしたい。退職したときのポジションで後の身分や収入も違うからだ。起訴に至る立件材料があるかどうか。検察はそれでも昨年から小沢事情聴取まではやらなければけりがつかない。政治家らは一歩先が見えない世界には強いのだ。検察の弱みが少しでもあれば運は味方すると思っている。これならやれるとしっかり見通すのが小沢のすごみだ。鳩山だってしたたかさは変わらない。今後問題になるのは税務問題くらいだ。彼はただのボッちゃまではない。頭はいいんだ。北海道の落下傘候補から総理大臣にまでなった人物。

 そこまでは、とにかく小沢は分かっていてあらゆるマスコミインタビューをかわし続けた。彼らの人生は半年先だけを見ている。厳しい世界だ。これをカモフラージュするために大言壮語できる力が無ければ政治家はつとまらない。友愛とか命とかでごまかされないぞ。そんなのは、劇作家、平田オリザにでも作らせた戯言だ。国民はそこに気づかない。

 国会対策は、全て検察に委ねてあるという理屈で押せる。補正予算と2010年予算編成までは政権党としてやり通さなければ、参議院選は勝てる勝負も無い。とにかく焦点は夏の参議院選挙であり、これは5月までには見通しが付かなければならない。勿論最後は選挙戦だが、その時までに7割は固めておくためには4月までの小沢選挙参謀を表にしておかなければ、自党が固まらない。民主党内部だって一枚岩ではない。彼のリーダーシップは内部に最も必要だ。沖縄問題も、国民新党、社民と方向が違う。普天間問題は内部の危機意識を固めるためにも、答えが出せない。移転先の答えはとにかく参議院選の票固めまでは、表には出来ない。既に答えは出ているのだ。

 今のところ予想されるのは、普天間はグアムに移転するまで代替無しだろう。グアムに移転する事はとにかくアメリカに頼むしか無い。辺野古を条件に約束しているのをひっくり返せばよい。多分、宮古島に隣接する下地島(池間)あたりを形だけ提案するだろうが、アメリカは納得する筈がない。アメリカ人将校には家族もいるから、歓楽街や教育のできない過疎地には行かない。あの島にはジャンボの訓練滑走路があるが、今は街も無くなった過疎地。国仲涼子や仲間由紀恵は宮古の出だが、家族で那覇に出ざるを得なかった。そんなところに米軍は行くわけがない。今日テニアンの話も出たが、全く無意味。結局移転先はいろいろ当たってもありませんでした。だから、そのままお使いくださいということが一番楽。もし、それでもいいとなるなら見っけもの。彼らは抜け穴作りの名人達だ。普天間をかかえる名護市が全員自民党になったって、民主は痛くも痒くもない。それよりも岩国とか、本土の候補地を抱える票田を失う方が恐い。とにかく選挙しか目がない。経済なんぞは昔から政策では良くなったためしがない。もう手の施しようが無いのだ。自然治癒か中国に引っ張ってもらうしかない。
 
 その方針を党全体で徹底するためにも小沢が必要。昨年、クリントンと単独か意見している小沢が何か情報を持っており、いずれ、単独でクリントン、オバマに会いに行くはず。基地問題では小沢は何も言う必要は無い。しかし、そろそろ出番がやてくる。肝腎な、歴史に残る部分は必ず小沢が出てくる。鳩ぽっぽは「じい様」が仲良くしていたロシアで実績を上げればいいんだ。アメリカと中国は俺様の実績と言いたい男だ。あの辺野古移転を前提としたグアム移転は、けしからん自民党がアホなブッシュと約束した絵に描いた餅だと泣きつく。言うだけ言って、駄目ならまた繰り返す。日米関係なんかどうなろうとも、何も戦争になる話ではないのだから。トヨタやソニーが仕返しを受けても政権が大事。そもそも、小沢は自主防衛論者だろう。アメリカだって、沖縄からは一歩も引かない。全部反古にして普天間居座りで決着したい。世界で沖縄程戦略的に有利な場所は無い。第1騎兵師団は全米最強軍団で、イラクでも、朝鮮でも、中国でもどこでも真っ先に駆けつける。その部隊が本拠にしている沖縄だ。

 こんな誰でもわかる見通し、シロオト談義すらマスコミは一言も口にしない。どうかしているぞ、日本のマスコミ。誰かが操作している。朝青龍なんぞ、大した暴行事件ではないのだが、大騒ぎ。このお陰で小沢も鳩山もにんまりだ。国民の関心がそれるのだ。テレビ局を牛耳るマスコミ幹部は小沢に恩が売れる。モンゴル人横綱なんぞもう飽きたのだ。これから、ヴァンクーバーオリンピックで新聞もテレビも政治から気がそれる。小沢のチャンス到来。とにかく地周り、票固めに奔走する。自民党は情けない。新しい政権を担うような人材は見当たらないのが、昨年の総裁選挙でばれてしまった。そんな、ガタガタな政党に民主は負けるわけにはいかない。自民に未来があると思っている国民は全くいないだろう。日本に未来があると思っている世界もない。

 とはいえ、一歩先は闇の政治の世界。小沢はいずれ又、苦境に落ちるだろう。どこまで強運の持ち主かが問われている。政治家は強運のリーダーには付いて行く。理屈じゃない。しかし彼の強運は世界では通用しない。でも、鳩山も小沢も国民の目線をそらすのはお得意の巻。マスコミを巻き込んで欺く方法は、すでに小泉が実証済み。ヒットラーだってチェコスロバキア併合まではやる事全て当たりで強運だった。そのあとが恐い。運に頼るようになり、見放されると破滅の道が待っている。
[PR]
by katoujun2549 | 2010-02-11 15:57 | 国際政治 | Comments(0)