日本の教育

 教育の目的には国民の一定の知識が国力の維持に必要な水準を守るということがある。しかし、その方法においてはやはり限界がある。近年日本の底辺層の学力は著しく低下し、文盲に近い。彼らは今や漫画しか読めない。また、高度な学力を身につけた指導層を形成するためのいわゆるエリート層を蓄積する事も大切であるが、そこにおいてもあまり成功しているとは限らない。とにかく思考力が無い。勿論、家庭教育や個人の努力によって達成されている部分は統計的に認識されていない。実は家庭教育の優れた影響を受けた人間が僅かながらエリートの基盤を維持しているのであり、学校はあまり貢献していない。前の総理大臣が高校生並みの漢字読解力であることが国民に知れ渡る程である。多分彼は学校で勉強もしなかったのだろう。それでもいいのである。 悪い人ではなかったが。

 日本の学校教育は人間をいかに従順に、組織内で要領の良い人物を育てるかを目標としている。戦争で戦える体力も無い。創造的な知力を持つ人間は育てない。芸術に例をとると、実に低レベルで、役にも立たない小学生だけに通用する笛だの太鼓しか教えない。何でギターとかバイオリン、ピアノ、オルガンが教えられないのであろうか。教える人がいないという口実だけで、最初からその気が無い。小生は小学校の時にピアノを習っていて楽譜も読めたのに、音楽の点が中学1年の時に6。音楽は弾いたり歌ったりする事が大事だと思い込んでいたのが間違い。くだらない筆記の点数が全く勉強しなかったから70点だったのと、あまりにもつまらない授業だったので内職していたのを見つかったせいだ。むかついて楽理の本読み、次に満点取ったら何と10にはなった。自分は美術が好きで絵もうまいという自負があった。ところが、自分は6、実にへたくそな絵しか描けないクラスメートが、何と通知表で10なのだ。要するに実技点は評価されず、ペーパーテストだけで成績が決められていたことを知って愕然とした。2年生は得意の美術史があって、いつも満点だったから急に10になった。日本の教育は全く不可解。

 今、世界的に有名な交響楽団がベネズエラにある。ベネズエラ全国青少年管弦楽団は日本にも来て感銘を与えた。これはそのメンバーが皆スラムの住人で不良少年から更生したものばかりということだ。カラカスのガレージで11人の子供に音楽演奏を指導したことからスタートした。現在は国と民間からの財政支援の下に、25万人の児童・青少年が参加し、計210のオーケストラを擁する全国組織に発展している。財団は、2歳半以上の子供を公募、無償で楽器を与え、年齢や習得段階に応じて毎日訓練する。14歳以上の優秀な子供には、カラカスの「ベネズエラ全国青少年管弦楽団」のメンバーとなる道を用意し、住居から生活費まで提供する。日本は基本的に個人に帰属するものに教育の公費を投入しない。国民の50%が低所得層の国でもここまで出来る。

 昔、学校で国語のテストが平均点以下になったからと、親身に心配したり怒ってくれた教師がいただろうか。無視されるだけだった。小生は劣等生だったことがあるからその悲哀が胸に来る。親が心配して、えらくガリ勉の塾に放り込まれて、頑張ったらたちまち点が上がって先生の目つきが変わった。考える事を止めて何でも暗記する事にしたのだ。点を取るのが簡単な事だったのにそれまで気がつかなかった。そこに気づかなかった自分は頭悪かった。担当の教師の力ではない。学校の授業はほとんど高校まで復習の場で、その勢いで某有名国立大学まで行ってしまった。金を出した親のお陰と自分が頑張っただけだ。合格の報告に職員室に行ったら担当教師がびっくりして喜んでくれたのを思い出すが、彼らにしてみればタナボタだったのだ。もう40年以上昔の事だからなつかしいだけだが。

 英語の成績が良いからと海外留学を次の目標にするアドバイスをしてくれる教師がいただろうか。彼らが怒るのは、遅刻をしたり、教材を忘れたり、くだらない授業で眠くなった生徒を自分の教え方が悪い事を棚に上げて、腹いせで癇癪を起こす時ではないか。出欠を取らないと授業に出る生徒がいなくなる恐怖感が裏にはある。彼らは何でも丸暗記し、一定のテキストの知識内容を消化し、要領よくこなす事だけを求める。だから、大学受験が無かったら殆ど覚えないし、受験しか動機が無いから、これが終われば全て忘れてしまう。要は考える事をしない学生にとっては今のままでも、どうしたって成長なんてしないから何もしないのと同じだと言う事です。規律に従うとか、学校が要求することをこなす事が勉強だと思って東大や京大に入ってそのまま官僚や大企業で昇進していく事が日本の将来を約束するとは到底思えない。要領よく学校の外でしっかり勉強している奴もいたのだが、そのような連中は官僚にはならない。

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by katoujun2549 | 2010-02-01 00:43 | 国際政治 | Comments(0)