日本航空の再建

日本航空がナチショナルフラッグキャリアという幻想を捨てないと、再建は無いだろう。世界で、日本航空のような世界路線を採算上プラスにしている航空会社は殆どない。エールフランスはKLMと経営統合し、世界120都市、ルフトハンザは、現在世界78カ国206都市へ運航しているから、日航の路線数は先進国としてそれほど多い訳ではない。しかし、ヨーロッパは過去において植民地や国際的な交流が歴史的に積み重ねられたものである。その点日本航空はどのような経緯で路線拡大したのであろうか。勿論、エールフランスやルフトハンザが経営上旨く行っているかどうかはは疑問である。日航は不採算路線が山のようにあって、どれをどうするのかも示されていない。本当に再建するにはこれまでの経営者や国の思惑が尾を引く中で難しいいだろうと思う。早く、デルタなどと提携して、国内に利害関係のない第三者の介入によって再建する事が望ましい。そもそも、社会保険庁の簡保のホテルのような、300近い関連企業で黒字になっているところが殆ど無いという無責任経営が放置されて、OBの年金を減額しろと言われても、納得できないだろう。会社側が賛成を求めているのは、「年金基金存続」のための「支給額減額」恰も、現経営陣は、この「減額」が成功すれば「公的資金」の際限なき導入への条件作りとなり、「最大の関門が除かれJAL主導の再建が可能」になることから、企業年金も当初案より減額(現役40%、OB30%それぞれ減、平均約33%減)されるがだけで全てOK、かの如き幻想を振り撒いていた。更にこれに呼応し、支援する「パンドラの函」をあけたくない勢力(省庁・政府内、一部の利権政治屋、政策投資銀行、メガバンク)がいた。会社更生法適用となって年金基金が解散となっても年金基金連合会に移管すれば運用比率は落ちるが、50%まで落とさずとも彼らの受給額は確保される。減額に同意しない退職者は、日航がこのままで維持されるとは思っていないのである。今の経営者には怒りを持っており、確信者であって1500人の未同意者はいくら説明しても納得はしない。現役社員は会社の圧力で100%同意せざるを得ないし、これから積み立てる人は無傷であるから、簡単に同意する。それを利用して、受給者に同意を迫っている会社に対してOBとしては抵抗できない社員のためにも同意拒否という理屈もある。

一点突破すれば全面展開(無制限の公的資金注入)「基金解散」は選択肢としての一定の「合理
性(損得ずく)がある」と考えたのだ。

その論理は次のとおり:

http://jalnenkin.web.fc2.com/jalnenkin_227.pdf


「40%減の現役社員達が『前向き』に考えてるのに対し、30%減で済むOB達の『近視眼的対応』は何だ!」というようなマスコミの取り上げ方。年金支給額減額は現役社員にとって「これから払い込む予定」の現役と同等に考える話ではない。日本航空の内部論議の動きについては、「JAL企業年金の改訂について考える会」の次のサイトに詳しい:

http://jalnenkin.web.fc2.com/index.htm

OBが年金減額に関する同意を拒否しているのは理由がある。
日本航空が整理に入れば、基金は解散になり、彼らは50%しか支給されなくなるから早く減額に同意した方がよいと思わせているところに日本航空経営陣の怪しい、強圧的な体質が現れている。ところが、実際は労働債権は倒産の場合でも優先順位が高く、回収されないものではないし、50%というのは一方的な、金融機関や政府の要望を鵜呑みにしたもの。日本航空を全く消滅させるという事はないから、航空運賃も入ってくるので、優先順位の高い債権は確保される。減額に同意してしまえば、それで未来永劫帰ってこない。年金基金の積み立て不足の原因は昨年からの株価低迷の影響が大きい。このどん底状態をベースに積み立て不足が算定されてはたまったものではない。
今日、減額に関する退職者の同意が3分の2を越えた。しかし、これは法的整理に関する退職者達の動揺から、なし崩し的に得られたことで、確かに基金の延命にはなるだろう。これから、彼らの減額した年金が維持される保証は無い。結局、解散に追い込まれる事はあり得る。
彼らの年金は、積立金不足から、実際は運用比率を確保するためには航空事業の再建策が問題となる。これに関しては企業再建機構の再建策に頼らざるを得ず、現経営陣からは説明するわけにはいかない。日本航空が再建されるために彼らの年金が頼りという訳でもない。彼らの支給原資は経常収益から優先的に確保されなければならないというのが彼らの論理である。退職者の年金問題はマスコミのいい加減なムード報道に振り回されないように、WEBなどによる生きた情報を整理しなければ実際は分からない事である。また、企業年金も会社の経営によって損なわれるという見本のようなもので他山の石として注目すべき事である。
フラグシップエアラインという美名の元に、不要な路線や空港を乱造した政治家、官僚、さらにこれらを容認し、派閥抗争に明け暮れた経営陣の責任は大きい。
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by katoujun2549 | 2010-01-12 15:03 | 国際政治 | Comments(0)